SCSK株式会社は、システム開発・保守における生成AI活用を組織的に推進するAI駆動型開発基盤「DevCond.AI」(デブコンド・エーアイ)を、自社の開発現場および顧客向け案件で活用開始しました。
DevCond.AI導入の背景
生成AIは、設計書やテストケースの作成、レビュー、既存システムの仕様把握など、システム開発・保守のさまざまな工程で活用が進んでいます。その一方で、個別ツールを利用する場合、成果物やノウハウが案件ごとに分散し、品質やセキュリティ、権利管理などの観点で統制が難しくなるという課題が生じます。
SCSK株式会社は、2024年10月よりAI駆動型開発プラットフォーム化の概念実証を開始し、開発者が生成AIを安全かつ効果的に活用できる仕組みの検証を進めてきました。今回の導入は、概念実証段階で確認した有用性や課題を踏まえ、AI駆動型開発を組織的に活用していくための共通基盤として整備したものです。
DevCond.AIの主な機能と既存システムへの対応
DevCond.AIは、生成AIが作成した成果物や実行履歴、ノウハウをデジタルデータとして蓄積し、案件内での再利用や品質確認を容易にします。この蓄積と管理によって、開発現場における属人的なノウハウを組織知として活用し、開発全体の品質向上につなげる設計です。
SCSKの開発標準や案件特性に応じて必要な機能を選択利用できます。コード生成やテスト自動化、CI/CD、プロジェクト管理などの領域では他のツールとの組み合わせも視野に入れており、特定の技術やツールに過度に依存しない開発・保守用基盤として設計されました。
既存システムの可視化・保守基盤としての機能も備えています。多くの企業では既存システムを理解できる人が限られ、ブラックボックス化や技術の老朽化が課題となっています。DevCond.AIが提供する主な可視化・保守機能は次の4点です。
- ソースコードから3段階での仕様書のリバースエンジニアリング
- ドキュメントからの有効な情報抽出
- インシデント情報からのFAQ生成
- 有識者の暗黙知情報のヒアリング(予定)
SCSK株式会社は、これらの機能を通じて、属人化を排除したデジタルな運用保守への転換と、再開発対象システムの可視化を推進します。
DevCond.AIの導入実績と今後の展開
現時点ですでに社内を含む5案件に適用され、20案件のPoCを実施中です。今後は、AIエージェント開発機能の追加やインタフェースのAIエージェント化を実施し、AIエージェントを中心とするAIネイティブ開発に対応していく方針です。
技術戦略「技術ビジョン 2030」では、先進デジタル技術の最大活用による事業構造の変革と、生成AIによる飛躍的な生産性向上の実現を目指しており、DevCond.AIはその中核を担う取り組みに位置づけられています。
「共創 IT カンパニー」の実現に向けて、生成AI活用による生産性向上と顧客への提供価値の高度化をグループ全体で推進します。
DevCond.AIの概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 提供企業 | SCSK株式会社(本社:東京都江東区) |
| 代表 | 代表取締役 執行役員 社長 當麻 隆昭氏 |
| サービス名 | DevCond.AI(デブコンド・エーアイ) |
| カテゴリ | AI駆動型開発基盤 |
| 対応工程 | 要件定義や設計、テスト、保守 |
| 主な機能 | 成果物の作成支援・レビュー・既存システム可視化・FAQ生成・ソースコードから3段階での仕様書リバースエンジニアリング |
| 適用実績 | 5案件に適用済み・20案件のPoC実施中 |
| 技術戦略 | 技術ビジョン 2030 |
| マテリアリティ | サステナビリティ経営に基づく7つのマテリアリティ |
| 公式URL | https://www.scsk.jp/product/common/devcondai/index.html |
trends編集部の一言
社内を含む5案件に適用済みで20案件のPoCを実施中という規模感は、自社の開発現場で実際に検証しながら基盤を育てるアプローチです。業界全体としては、生成AIを個別ツールとして導入した結果、成果物やノウハウが案件ごとに分散してしまうという課題が広く認識されるようになりました。
マーケティング業界の文脈に置き換えると、ツールを試験導入したものの「活用が定着しているメンバー」と「存在を知っているだけのメンバー」との間に大きな差が生じる状況は業界横断で見られる課題構造です。成果物や実行履歴、ノウハウを組織知として蓄積・再利用できる共通基盤の考え方は、マーケティング業界でも同様のボトルネックに対応しうる方向性として注目されます。
特定技術への過度な依存を避けながら他ツールとの組み合わせも視野に入れた設計は、実運用上の柔軟性を重視する業界全体の流れに沿っています。AIエージェントを中心とするAIネイティブ開発への対応を明言している点からも、開発基盤の今後の動向として注目される取り組みと言えます。
References
- ^ PR TIMES. 「AI駆動型開発基盤「DevCond.AI」の導入開始 | SCSK株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000066.000152961.html, (参照 26-05-30).
※上記コンテンツの内容やソースコードはAIで確認・デバッグしておりますが、間違いやエラー、脆弱性などがある場合は、コメントよりご報告いただけますと幸いです。
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