New Relicは2026年6月17日(米国現地時間)、同社のMCP(Model Context Protocol)サーバーと、アマゾン ウェブ サービス(AWS)のAI IDE(統合開発環境)である「Kiro」との連携を発表しました。
New Relicにより本番環境のコンテキストをKiroに直接統合する仕組み
企業が自社業務のあらゆる領域にAIを組み込もうと競い合う中、エージェント型コーディングツールは開発者がコードをリリースするために不可欠な要素となっています。一方で、本番環境からの運用コンテキストがなければ、AIエージェントは目隠しされた状態で稼働するようなものです。New RelicのMCP(Model Context Protocol)サーバーとKiroの連携は、このギャップを埋めるものです。
エンジニアは自然言語を使って、システムの稼働状況や問題の原因を把握できます。New Relic AIをKiroの仕様駆動型ワークフローで直接活用することによって、コンテキストの切り替えを一切行うことなく開発を進めることが可能です。
New Relic 最高製品責任者(CPO)ブライアン・エマーソン氏は、今回の連携について、次のように述べています。「当社のMCPサーバーをKiroと連携させることによって、AWS上での厳格な仕様駆動型開発と、New Relicの深い運用の洞察を融合させられます。開発者チームが運用の摩擦や労力を最小限に抑え、自信を持って高品質なコードをリリースできるようになる、シームレスなワンクリックのソリューションが誕生しました」
Kiroを使う開発者が得られる3つのメリット
この連携により、Kiroを使用する開発者、DevOpsエンジニア、およびSRE(サイト信頼性エンジニア)が享受できるメリットは、以下の通りです。
- Kiro上でフルスタックのテレメトリーデータを直接クエリし、コードを運用面から検証
- New Relicのオブザーバビリティの洞察をKiroのエージェントに直接フィードし、手動のトラブルシューティングからAI支援型の調査へ移行
- 拡張機能「Kiro powers」によるワンクリックのデプロイで複雑な手動設定を不要化
開発者は、Kiro上でコードのパフォーマンスを技術仕様に照らして検証でき、AIが生成したコード変更がリリース前に運用面から確認されます。パフォーマンスのボトルネックの根本原因を迅速に特定し、正確なコード修正を適用することによって、MTTRの大幅な削減が見込まれます。
New RelicのAWS Marketplace累計取引額が10億ドルを突破
今回の発表は、New RelicがAWS Marketplaceを通じたグローバル累計取引額で「10億ドル」を超えた節目に続くものです。この成果は、顧客企業のクラウド移行とデジタル資産の最適化を支援してきた長年の投資を反映して、両社の関係の深さを示すものです。
市場の進化に伴い、両社の協力関係は基礎的なインフラストラクチャ監視から「インテリジェントオブザーバビリティ」へと進化してきました。AWS DevOps エージェント向けのNew Relic MCP Server連携やAWS AppConfigを使用した自動復旧ワークフローなど、最近の技術的拡張も含まれています。MCP(Model Context Protocol)サーバーとKiroの連携は、こうした協力関係の延長線上に位置づけられる取り組みです。
New Relic MCP(Model Context Protocol)サーバーとKiro連携の概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 提供元 | New Relic株式会社 |
| 連携サービス | MCP(Model Context Protocol)サーバーと「Kiro」の連携 |
| 連携発表日 | 2026年6月17日(米国現地時間) |
| 連携先 | アマゾン ウェブ サービス(AWS)のAI IDE「Kiro」 |
| 利用方法 | KiroのプロダクトページからNew RelicをKiro powersとして直接追加 |
| 主な効果 | 開発速度の向上、コード品質の改善、MTTRの短縮 |
| 全世界顧客数 | 16,000以上 |
| AWS累計取引額 | 10億ドル超(AWS Marketplace経由) |
| 設立 | 2008年 |
trends編集部の一言
AWS Marketplaceを通じた累計取引額が「10億ドル」を超えたという数字は、New RelicとAWSの連携が単なるパートナーシップの枠を超えていることを示す実績です。業界全体としては、エージェント型コーディングツールの普及とともに「本番環境のデータをIDEにどう引き込むか」という課題が共通テーマになりつつあり、今回の連携はその一つの回答と言えるでしょう。
マーケティング業界の文脈に置き換えると、施策の実行と効果測定のフィードバックループを素早く回せるかどうかが生産性を左右するという構造は共通しており、コンテキストの切り替えを最小化しながらリアルタイムデータを活用する設計思想は業界横断で注目が高まっています。ソフトウェア開発の枠を超え、ワークフローの中断を減らしながらデータ活用を完結させる仕組みとして、BtoBのマーケ・オペレーション領域でも示唆を含む動きと捉えられます。
References
- ^ PR TIMES. 「New Relic、Kiroとの連携により、AI駆動型のソフトウェア開発を加速 | New Relic株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000128.000109343.html, (参照 26-06-26).
