フューチャー株式会社は、主要事業会社のフューチャーアーキテクト株式会社とともに、「AI駆動開発」を複数プロジェクトへ順次適用し、開発プロセスの変革を本格化すると発表しました。
AI駆動開発が解決するエンタープライズ開発の課題
近年、AIに仕様を与えて設計や開発、テストを進める「仕様駆動開発」への関心が高まっています。一方で、エンタープライズ領域のシステム開発では、業務仕様、既存システム連携、品質、セキュリティ、運用、監査などを横断的に統制する必要が不可欠です。
仕様書をAIに読ませるアプローチだけでは、複雑なシステム全体の整合性や長期運用に耐える品質を十分に担保することが難しい場合があります。
フューチャー株式会社は、生成AIの普及以前から、エンタープライズ領域において経営やIT、業務を一体で捉えたシステム構築に継続して取り組んできました。標準アーキテクチャの整備、設計情報の管理、品質統制、既存システムの解析といった蓄積を、AI時代の開発プロセスへ進化させる取り組みが今回のAI駆動開発です。
AI駆動開発の主な特長
AI駆動開発の特長は、次の5点です。
- 仕様・設計情報を起点としたAI活用
- 長年の標準化資産を活用した再現性の高い開発
- 人とAIの協調によるエンタープライズ品質の実現
- 品質・セキュリティ・ガバナンスを担保する品質ガードレール
- 既存システム資産の活用
「仕様・設計情報を起点としたAI活用」では、画面、帳票、ビジネスロジック、インターフェース、テスト観点などの設計情報を「設計開発プラットフォーム」に蓄積します。AIが参照・処理しやすい構造化された開発資産として蓄積することによって、正しい設計情報をもとに開発やレビュー、テストを支援できる環境を整備しました。
「人とAIの協調によるエンタープライズ品質の実現」では、設計情報をもとに目的別のAIエージェントがコード生成、修正、レビュー、テスト支援を担います。生成された成果物は、人が業務判断や例外処理を加え、品質ガードレールを通じて確認します。AIを人の代替としてではなく、人がより高度な判断と品質責任に集中するためのパートナーとして開発プロセスに組み込む設計です。
「既存システム資産の活用」では、独自のソースコード解析ソリューション「Futurefraqta」をはじめとする既存システム解析技術を活用し、現行システムの構造や依存関係を可視化します。レガシーシステム刷新や基幹システム再構築においても、現行資産を踏まえたAI活用を進めることが可能です。
フューチャー株式会社とAI駆動開発の概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 提供企業 | フューチャー株式会社 |
| 主要事業会社 | フューチャーアーキテクト株式会社 |
| 本社 | 東京都品川区 |
| 代表取締役社長 | 谷口友彦氏(フューチャー株式会社) 齋藤洋平氏(フューチャーアーキテクト株式会社) |
| 創業 | 1989年 |
| サービス名 | AI駆動開発 |
| 中核技術 | 設計開発プラットフォーム |
| 既存システム解析ソリューション | Futurefraqta |
| 生産性目標 | 2027年までに開発工程の生産性3倍 |
| 対象領域 | エンタープライズシステム開発(基幹システム刷新、DX推進など) |
| お問い合わせ | フューチャー株式会社 Core Technology Group |
trends編集部の一言
「2027年までに開発工程の生産性3倍」という目標は、数値として読んだときのインパクトが大きいです。エンタープライズ開発の業界全体としては、AIツールを導入しても「実際の業務フローに根付かせる」段階で壁にぶつかる事例が多く、単にAIを接続するだけでは期待した生産性向上が得られないという声が業界横断で聞かれます。
この発表で印象に残るのは、AIを「人の代替」ではなく「人がより高度な判断に集中するためのパートナー」と位置づけている点です。マーケティング業界の文脈に置き換えると、AIにコピー生成やデータ集計を任せながら戦略判断や顧客理解の部分は人が担うという分業設計に近い発想であり、人とAIの役割境界を明確に設定するアプローチと言えます。
設計情報を構造化して蓄積する「設計開発プラットフォーム」という発想も注目される取り組みです。場当たり的なプロンプト依存から脱却し、再現性のある開発体制を整備しようとする方向性は、AI開発支援市場全体としても注目される動きです。属人的なノウハウを構造化資産へ転換する流れが加速しつつある中で、業界全体における新たな潮流として位置づけられます。
References
- ^ PR TIMES. 「フューチャー、「AI駆動開発」を複数プロジェクトへ本格展開 | フューチャー株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000842.000004374.html, (参照 26-07-02).
