TIS株式会社は、Amazon BedrockとClaude Codeを組み合わせたAI開発環境を、全社で利用可能な標準的なAI開発環境として導入したと発表しました。
TIS株式会社のエンタープライズ開発に求められるセキュリティ要件との両立
生成AIは、業務効率化や生産性向上の推進役として注目されています。一方で、機密情報や業務ロジックを扱うエンタープライズ領域では、高い安全性と統制が求められるため、セキュリティやコンプライアンスの観点で慎重な対応が必要でした。
TIS株式会社は、AWSパートナーの最上位認定である「AWSプレミアティアサービスパートナー」として、金融や産業、公共など幅広い業界でセキュリティレベルの高いシステム構築・運用を行ってきた知見を持っています。こうした実績を基盤に、組織全体で安全に生成AIを活用できる開発基盤の標準化を進めてきました。
Amazon Bedrockを中心としたシステム開発環境の特長
今回構築された開発環境では、AWS環境内で生成AIを活用した開発を完結できます。セキュリティガバナンスの確立にあたり、採用された主な仕組みは以下の通りです。
- Service Control Policy(SCP)による組織横断的な利用制御
- IAM(Identity and Access Management)を用いたユーザー権限管理
- 監査ログの自動取得および保管体制の整備
これらの仕組みに加え、TIS株式会社が多様な業界でのセキュリティ事業展開で培ったノウハウを組み合わせることで、システム監査ログの管理や権限設定の細分化といった多様な要件を担保しています。顧客ごとのコンプライアンス要件やガバナンスポリシーにも柔軟に対応できる構成です。
Claude CodeはAnthropicが開発したAIコーディング支援ツールであり、開発作業を自律的に支援します。Amazon BedrockはAWSが提供する、高性能な生成AIモデルをAPIで利用できるフルマネージド型のサービスです。両者を連携させることで、幅広い業務に対応しつつ、特にシステム開発領域での生成AIを安全かつ効果的に活用できる開発体制を構築しています。
TIS株式会社の今後の展開とコメント
TIS株式会社は今後、開発やテストにとどまらず、コンサルティングを含む幅広い業務領域でClaude Codeを活用していく方針です。社員のAI活用スキルやノウハウの蓄積を通じ、課題解決と新たな事業価値の創出に貢献することを目指しています。
TIS株式会社常務執行役員 技術本部 本部長の古庄 建作氏は、「生成AIをシステム開発の現場で実効性ある形で活用していくためには、性能や利便性だけではなく、セキュリティ、統制、監査対応まで含めて企業利用に耐えうる形で整備することが不可欠です」と述べています。古庄 建作氏はさらに、今回の取り組みを「生成AIを個別活用の段階から、エンタープライズ開発に組み込まれた実践的な活用基盤へと進化させる取り組み」と位置づけました。
アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社の常務執行役員 金融事業統括本部 統括本部長の鶴田 規久氏は、「セキュリティとイノベーションを両立するエンタープライズ生成AI活用の実践例の一つ」と評価しました。鶴田 規久氏は今後についても、開発フェーズから運用フェーズまでシステムのライフサイクル全体にAWSのAIを組み込むことで、さらに高品質なシステムを提供することへの期待を示しています。
TIS株式会社とAI開発環境の概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 会社名 | TIS株式会社 |
| グループ | TISインテックグループ |
| 本社所在地 | 東京都新宿区 |
| 代表取締役社長 | 岡本 安史 |
| 事業実績 | 3,000社以上のビジネスパートナーとして多様な業種に対応 |
| 業界経験 | 50年以上にわたる業界知識・IT構築力を保有 |
| グループ規模 | 国内外グループ2万人を超える社員 |
| 主な対応分野 | 金融や産業、公共、流通サービス分野など |
trends編集部の一言
2万人を超える社員を抱えるTISインテックグループが、Amazon BedrockとClaude Codeの組み合わせを全社標準として導入した点は、エンタープライズ規模での生成AI活用の実践例として注目に値します。業界全体としては、生成AIの導入を検討しながらもセキュリティやガバナンスの整備が壁になっているケースが多く、今回の取り組みはその課題に正面から向き合った構成です。
マーケティング業界の文脈に置き換えると、組織内における生成AI導入の現場では、ツールの選定以上に「いかに統制するか」というガバナンス設計の議論に多くの時間が費やされる傾向があります。SCPやIAMを活用した多層的な利用制御は、生成AIを組織へ安全に根付かせるための具体的なアーキテクチャとして、業界全体における標準的なモデルとして定着していくと考えられます。
References
- ^ PR TIMES. 「TIS、Amazon BedrockとClaude Codeを組み合わせたセキュアなAI開発環境の全社標準化を実現 | TIS株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001934.000011650.html, (参照 26-06-09).
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