株式会社セールスフォース・ジャパンは、Slackにおける企業のAIエージェント活用を本格化させる4つの新機能の日本での一般提供開始を発表しました。
Slackで提供開始済みの4つの新機能の詳細
「AIスキル」は、チームの定型業務を一度定義するだけで何度でも再現できる業務テンプレートです。キャンペーンブリーフやパイプラインサマリー、インシデントレポートなど、毎回同じ品質・フォーマットが求められる業務をゼロから組み立て直すことなく実行できます。
Slackbotには職種別のAIスキルライブラリがあらかじめ搭載されており、導入直後から活用可能です。オリジナルのAIスキルも、Slackbotとの自然言語による対話を通じて作成できます。
日常業務のパターンからテンプレートを自動提案したり、ゼロから構築したりすることも可能な設計です。作成後も業務の変化に応じて改善案を自動提案し、常に最新の状態を維持します。
「ディープリサーチ」は、複数ステップにわたる包括的な調査・分析を自律的に実行する機能です。複数の情報ソースを横断して情報を統合し、約4分程度で詳細なリサーチレポートを生成します。
市場調査や競合分析、案件の詳細調査などを、Slackを離れることなく実施できます。
「Salesforce Actions」は、Slack上からSalesforceのCRMデータを直接作成・更新・編集できる機能です。従来は、顧客情報や商談データの更新にSalesforceへの画面遷移が必要でした。Slackbotに自然な言葉で依頼するだけで、商談ステータスの更新や取引先情報の編集、活動履歴の記録をSlack上でシームレスに実行できます。
Slackbotが、更新内容をドラフト形式で提示し、ユーザーが確認・承認したうえで反映される設計のため、入力ミスや誤操作を抑えながら安全かつ効率的なデータ更新を実現します。
「メモリ機能」は、SlackbotがユーザーおよびチームのSlack上での行動履歴や会話、習慣・好みを継続的に学習し、時間の経過とともによりパーソナライズされた対応が可能になる機能です。ユーザーの業務スタイルや過去のやり取りに基づいて、応答の精度と関連性が高まります。
なお、Slackbotのメモリデータは管理者には公開されず、ユーザー個人のプライバシーが守られる設計となっています。
Slackbotの5月中提供開始予定および今後の機能展開
5月中に提供開始予定の「Slackbot Charts」は、Slackbot上での会話を通じてデータの可視化(グラフ・チャート)をSlack内で直接生成・表示できる機能です。外部のBIツールや分析ダッシュボードを開くことなく、自然言語でデータの傾向や比較を即座にビジュアル化できます。
営業やマーケティング、経営管理など、データに基づく意思決定を日常的に行うすべての職種をサポートします。
「Today View」は現在Open Betaで提供中です。1日の優先事項、カレンダー、アクションアイテムを一元的に表示します。Slack全体の活動やすべての接続アプリから生成されたAIによる優先度ランキングを起点に、その日取り組むべき事柄を一覧で確認できます。
SlackbotおよびSlack Listsと連携し、優先事項への対応からフォローアップの作成、会議の準備まで一気通貫でサポートします。
さらに、2026年夏以降に一般提供開始が予定されている主な機能は以下の通りです。
- Agent Orchestration:Slackbotを従業員向けのインターフェースとして、複数のAIエージェントを横断的に連携・調整し、Slack上で情報収集から業務実行、意思決定までをシームレスに進められる機能。まずAgentforceとの連携から開始し、今後はサードパーティ製を含む多様なAIエージェントとの連携にも対応予定
- Slackbot for your Desktop:ユーザーのデスクトップ上の業務コンテキストを理解し、Slack以外のアプリケーション上の作業もシームレスに支援する機能
- Voice Command:音声でSlackbotに指示を出し、Salesforce Customer 360を直接操作できる機能
- MCP(Model Context Protocol)Client:SlackbotがMCPクライアントとして機能し、Slack Marketplaceの2,600以上のアプリ、AppExchangeの6,000以上のアプリと連携できる機能
2026年夏以降、各機能の一般提供開始が予定されています。
Slack新機能の概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 提供企業 | 株式会社セールスフォース・ジャパン |
| 代表取締役会長 兼 社長 | 小出 伸一氏 |
| 本社所在地 | 東京都千代田区 |
| 対象サービス | Slack |
| 提供開始済み機能(5月) | AIスキルやディープリサーチ、Salesforce Actions、メモリ機能 |
| 5月中提供開始予定 | Slackbot Charts |
| Open Beta提供中 | Today View |
| 2026年夏以降予定 | Agent OrchestrationやSlackbot for your Desktop、Voice Command、MCP Client 等 |
| 公式サイト | salesforce.com/jp |
trends編集部の一言
約4分程度で詳細なリサーチレポートが生成されるという「ディープリサーチ」の数字は、業種を問わずインパクトがあります。業界全体としては、AIエージェントをSlackなど既存の業務基盤へ統合する流れが強まっており、ツールを切り替えることなく調査・分析をSlack上で完結させる設計は、その流れを体現する動きと捉えられます。
「AIスキル」の仕組みも注目に値します。一度定義したテンプレートを繰り返し再利用できる発想は、マーケティング業界の文脈に置き換えると、「キャンペーン立ち上げのたびにブリーフを書き直す」という業界横断的なボトルネックに直接応える設計です。業務パターンからテンプレートを自動提案する仕組みは、AI活用の入口として現実的なアプローチではないでしょうか。
2026年夏以降に予定されているAgent Orchestrationは、複数のAIエージェントをSlackbotが自動で呼び出して調整するという構想です。「どのエージェントに何を頼むか」をユーザーが意識しなくてよくなるという方向性は、AIエージェントの実務定着という観点から、業界全体の作業プロセス転換を象徴する動きとして注目されています。
References
- ^ PR TIMES. 「Salesforce、Slack新機能「AIスキル」「ディープリサーチ」「Salesforce Actions」「メモリ機能」の日本での提供開始を発表 | 株式会社セールスフォース・ジャパンのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000363.000041550.html, (参照 26-05-23).
