株式会社クラダシは、Slack上で動作する自律駆動型の独自AIエージェント「蔵之助(くらのすけ)」を全社展開したと発表しました。
蔵之助を全社展開しSlack上で自律的に業務を実行
世界中で生成AIのビジネス活用が一般化する中、企業成長においては「人がAIを操作する」段階から「人とAIが自律的に連携して事業を推進する」フェーズへの移行が重要視されています。クラダシはミッションに「善いビジネスで未来に実りを」、ビジョンに「日本一のインパクト企業グループへ」を掲げる企業です。社会課題を価値へと転換する事業を展開してきました。
同社は、一過性の効率化に留まらず、「人」を前提に設計されていたオペレーションをAIエージェントへ置き換えることで、事業構造およびコスト構造の変革(DX)に挑戦しています。「蔵之助」は、クラダシの情報資産(「蔵」)に精通した「フルリモートで働くAI社員」として位置づけられ、日常的な社内コミュニケーション基盤である「Slack」をフロントエンドに採用しています。
蔵之助が生み出す3つの価値
「蔵之助」は、Slack上でメンションまたは定時トリガーによって駆動するAIアシスタントです。クラダシの社名に冠された「蔵」と、昔ながらの「蔵を守り、管理する人」というイメージから、社内のあらゆるデータに精通し必要なときに引き出してくれる存在として「蔵之助」と命名されています。
「蔵之助」が創出する価値は、以下の通りです。
- 業務のシームレス化によるワークフロー統合
- 定型・準定型業務の自動化によるコスト削減
- オープンなチャンネル運用によるAI活用の社内浸透
複数のアプリケーションを横断していたワークフローはSlack内で完結し、創出したリソースはステークホルダーへの還元や事業成長への投資に向けられます。オープンなSlackチャンネル上でエージェントが稼働することによって、社員同士の活用ナレッジが自然に組織内へ伝播し、全社的なAIリテラシーの底上げが可能です。
蔵之助の主な機能と概要
「蔵之助」は、クラダシの事業やサービス、社内ルールなどに精通した「AI社員」として、データ分析・情報照会・ドキュメント作成・コミュニケーション支援などの領域を横断します。日次KPIレポートでは、前日の売上・注文件数・ユーザー数などのデータを自動取得し、要因の因果分析を含めた7セクション構成のレポートを自動生成して投稿しました。
社内規程の照会では、最新の社内規程ドキュメント群をセキュアに参照し、該当する条文番号や関連条文を明示した上で回答を構造化して提示するのではないでしょうか。稟議書作成では、ユーザーが入力した前提条件を基にフォーマットに沿った稟議書を自動起票し、積算コストを自動計算してTSVファイルとして出力しました。スレッドのコンテキスト要約では、長いスレッドの文脈を解釈し、論点の整理やネクストアクションの抽出までを実行する仕組みです。
社内データに精通した「AI社員」が日次レポートから稟議書作成までを自律的に処理する点は、業種を問わずインパクトがあります。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 運営会社 | 株式会社クラダシ |
| 代表者 | 河村晃平氏 |
| 設立 | 2014年7月 |
| 本社所在地 | 〒141-0021 東京都品川区上大崎3丁目2-1 目黒センタービル 5F |
| AIエージェント名 | 蔵之助(くらのすけ) |
| 稼働基盤 | Slack |
| 主な機能 | 日次KPIレポート生成・社内規程照会・稟議書作成・スレッド要約 |
| 累計フードロス削減量 | 37,951トン(2026年3月末時点) |
| 累計経済効果 | 184億6,465万円(2026年3月末時点) |
trends編集部の一言
社内データに精通した「AI社員」がSlack上で日次レポートから稟議書作成までを自律的に処理する点は、業種を問わずインパクトがあります。マーケティング業界の文脈に置き換えると、定型業務の集計やレポート作成に時間を取られるという課題は業界横断で語られてきたテーマです。チャットツール上で完結させる仕組みは、業界全体の作業プロセス転換を象徴する動きと言えるでしょう。
AI活用を「ツールの導入」で終わらせず「組織への浸透」まで設計している点も注目できます。オープンなチャンネル上でナレッジが自然に伝播する仕組みは、業界全体としても個人の知見が部署内に閉じてしまいがちな課題への解決策として注目されてきました。
References
- ^ PR TIMES. 「クラダシ、独自開発のAI社員「蔵之助(くらのすけ)」を社内コミュニケーションツールSlackに実装 | 株式会社クラダシのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000712.000014485.html, (参照 26-07-01).
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