株式会社セールスフォース・ジャパンは、株式会社ナレッジワークが自社の営業基盤にSalesforceを採用し、AIエージェントプラットフォーム「Agentforce」と「Slack」を導入したことを発表しました。
AgentforceとSlackで実現するSlack起点の営業基盤
株式会社ナレッジワークは「LIFE WITH ENABLEMENT できる喜びが巡る日々を届ける」をミッションに掲げ、働く人たちのイネーブルメント(成果の創出や能力の向上)を支援する企業です。同社の営業部門では、自社AIプロダクトである「ナレッジワーク社内共有」「ナレッジワークAI商談記録」「ナレッジワークAI営業ロープレ」などを活用し、ワークエクスペリエンス(業務体験)の向上を推進してきました。
メインコミュニケーションツールであるSlackを起点に各プロダクトをつなぐ構想のもと、Agentforceとの連携検討を開始しました。選定にあたり重視したのは「日常の業務の中に自然に組み込まれること」です。SlackとナレッジワークのAIプロダクトがシームレスに連携できることから、Slack Enterprise Gridを基盤として採用しました。
具体的には「Agentforce in Slack」を活用することによって、Slack上でAIエージェントを呼び出し、Salesforceの顧客データとナレッジワークAIプロダクトが連動する環境を実現できる点が高く評価されました。「必要なタイミングでナレッジワークの各プロダクトが連携して動く」形が導入理由の中心です。
Agentforceを活用した営業全フェーズの3つのユースケース
株式会社ナレッジワークでは、商談前や商談中、商談後の各フェーズにわたってAIエージェントを活用します。営業活動の各フェーズにおける主なユースケースは次の通りです。
- 商談準備:SlackbotへのSlack入力でSalesforceの顧客情報サマリーを自動表示
- 商談:「ナレッジワークAI商談記録」が商談内容を自動記録・要約しSalesforce(Agentforce Sales、Agentforce)へ連携
- 次回商談準備:AgentforceがSalesforce内の複数商談データを時系列分析し推奨アクションを通知
これらの仕組みにより、営業担当者はSlackから離れることなく情報収集を完結できます。商談後の入力作業負荷が軽減されるとともに、人手では気づきにくいディール停滞のリスクシグナルをAgentforceが自動検知する仕組みです。
対応漏れのない営業活動の実現に向けた取り組みとして注目されました。
株式会社ナレッジワーク 執行役員 VP / レベニュー 田口 槙吾氏は次のように述べています。「Slackとの連携を通じて、私たち自身が日々の営業活動の中でAgentforceの価値を体感しています。商談前の情報収集から商談記録、次回アクションの管理まで、すべてがSlackを起点としてシームレスにつながることで、営業担当者が本来注力すべき顧客との対話に集中できる環境の実現を目指していきます。」
株式会社セールスフォース・ジャパン 専務執行役員 コマーシャル営業統括 安田 大佑氏は次のように述べています。「ナレッジワーク様が、自社の営業組織においてAgentforceとSlackを組み合わせて活用いただいていることを大変嬉しく思います。Slackを起点に、Salesforceの顧客データとナレッジワーク様のプロダクトがAIエージェントを介してシームレスに連携するこの取り組みは、まさに私たちが目指すエージェンティック エンタープライズの実現モデルです。」
AgentforceとSlack Enterprise Gridの連携概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 発表企業 | 株式会社セールスフォース・ジャパン |
| 導入企業 | 株式会社ナレッジワーク |
| 導入プラットフォーム | Agentforce、Slack(Slack Enterprise Grid) |
| 活用AIプロダクト | ナレッジワーク社内共有、ナレッジワークAI商談記録、ナレッジワークAI営業ロープレ |
| 連携インターフェース | Agentforce in Slack |
| 今後の展望 | MCP(Model Context Protocol)サーバーとの連携によるマルチエージェント環境の構築 |
trends編集部の一言
「Slack起点で営業全工程をAIエージェントに連携させる」という設計は、ツールを増やすのではなく既存の業務導線に組み込むアプローチとして、業界を超えた示唆を持ちます。マーケティング業界の文脈に置き換えると、「ツールはあるのに使われない」という状況は横断的に語られてきたテーマであり、日常の業務の中に自然に組み込まれるかどうかが定着を左右するという知見は、業界全体の導入設計にも通じる論点です。
「AIを導入する」という段階から「どう業務に溶け込ませるか」という段階へと関心が移りつつある中で、Slack起点のシームレスな連携モデルは、今後のマルチエージェント活用の事例として業界動向の一端を示しています。MCP(Model Context Protocol)サーバーとの連携が本格化すれば、複数のAIエージェントが協調動作する環境として、他部門への展開可能性も業界全体で議論されそうです。
References
- ^ PR TIMES. 「ナレッジワーク、AgentforceとAIエージェントの連携で営業活動を高度化Slack起点で商談準備を支援、将来的なマルチエージェント活用へ | 株式会社セールスフォース・ジャパンのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000364.000041550.html, (参照 26-05-23).
