DX研修とは
DX研修は企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する人材を育成する教育プログラムです。DX研修を従業員に実施することでデジタル技術の基礎知識やデータ分析、プロジェクト管理まで幅広く学習できます。
DX研修を実施することで社内からDX人材を輩出し、外部人材に頼ることなく企業のDXを推進することが期待できます。たとえば社内事情を理解している社員がDX人材になることで、自社に最適なデジタル化をスムーズに実現することが可能です。
したがってDX研修は企業がデジタル技術を効果的に活用し、競争力を高めるために不可欠な取り組みです。
DX研修を実施する目的
DX研修を実施する目的は「DX人材を育成してこれからのデジタル社会に対応するため」です。その背景にはDXを進めるためのIT人材が不足しているという課題があります。
総務省が2021年に公開している「デジタル・トランスフォーメーションにおける課題」では、人材不足が断トツの1位となっています。[1]
このようにデジタル人材不足の課題が根幹にあり、結果として企業が外部からDX人材を採用することも難しくなっているのが現状です。
DX人材やデジタル人材が不足すると企業の競争力が落ち、国内外両方においてビジネスシーンで競合に勝てなくなる可能性があります。
これらの問題を解消するためにも、社員のデジタル技術に関する理解とリテラシーの向上を図り、全社的なDXを推進することがDX研修の目的です。
DX研修の費用
DX研修の費用は、ひとりあたり数万円から数十万円必要です。具体的な金額は研修内容やカスタマイズの有無、受講形式によって異なります。
項目 | 安価な場合 | 高価な場合 |
---|---|---|
研修内容 | 基礎的なデジタルスキル研修 | 専門的なAI・データ分析研修 |
受講人数 | 少人数(1~10名) | 多人数(50名以上) |
研修の実施形式 | オンラインコース | 対面研修(講師派遣) |
カスタマイズの有無 | 汎用的な既存プログラム | 企業特化のカスタマイズプログラム |
研修期間 | 短期(1日~1週間) | 長期(1ヶ月以上) |
講師の専門性 | 一般的な講師 | 高度な専門知識を持つ講師 |
たとえばオンライン上で決まったカリキュラム内容を実施する研修は、比較的安い価格帯で提供される傾向にあります。
一方、企業のニーズに合わせてカスタマイズできる研修や技術的に専門性の高い研修の場合、費用が高くなる傾向にあります。
DX研修にかかる費用の具体例
DXの対面研修やカスタマイズ可能な研修は、費用は非公開となっていることがほとんどです。
その中でも下記のように、DX研修や講座を提供しているオンラインプラットフォームや単発研修で費用を公開しているサービスもあります。
- Udemy Bussiness:1個のIDあたり年間41,800円
- Schoo for Bussiness:1個のIDあたり月額1,650円
- インソース「DX推進研修~5ステップで今日から始める」:ひとりあたり21,300円
Udemy BussinessとSchoo for Bussinessは、ひとりあたり月額・年額を支払うことでオンライン講座が受講し放題サービスです。DX関連の講座も用意されており、社員が自分のペースで学習できるのが特徴。通常業務と並行してDX講座を受講できます。
また、インソースが提供する「DX推進研修~5ステップで今日から始める」は半日で完結するオンラインのDX研修。DXの概要や実施するための具体的な方法をステップ形式で学べます。
DX研修の内容
DX研修の内容は各企業ごとに異なります。たとえば初級者向けであればDXやデジタル知識の基礎を中心とした研修になり、社員のデジタルリテラシーを向上させることが目的です。
一方、上級者向けのDX研修ではデータ分析やAIやなどの専門的なスキルを育成が中心となるでしょう。 DX研修の内容がより具体的にわかるように、コードキャンプ社が提供するDX基礎研修を元に詳しく解説します。
コードキャンプ社が提供するDX人材育成研修の主な内容は下記の通りです。
- DX概論講座・基礎講座
- 業務効率化実践講座
- データサイエンティスト養成講座
- プロジェクトマネジャー養成講座
- システム運用管理者養成講座
- エンジニア/プログラマ養成講座
上記のカリキュラムから要望に沿ってカスタマイズし、各企業の課題に最適化した研修を提供できるのが特徴です。
ほかにもカリキュラムが固まっているDX研修や、eラーニング形式で学びたい研修を自身で選択する研修などさまざまな研修があります。
DX研修の選び方
DX研修を提供している企業の中で、自社に合った研修を選ぶには下記のポイントを抑えることが大切です。
- 社員のレベルに合わせて対応できるか確認
- DX研修をカスタマイズできるか確認
- 受講者の進捗を確認できる環境か
各内容の詳細について詳しく解説します。
社員のレベルに合わせて対応できるか確認
社員のデジタルリテラシーやスキルは一様ではないため、各自のレベルに応じた研修を提供することが求められます。
例えばDXの基礎や基本的なデジタルリテラシーの研修は全社員向けに実施。データサイエンティスト向けの高度なデータ分析研修は、専門部門の社員を対象にするなどの区分けすることが考えられます。
これにより各社員が自分のレベルに合った内容を効率的に学習し、企業でのDXに活かすことが可能です。
DX研修をカスタマイズできるか確認
研修内容が自社の具体的な課題やプロジェクトに合わせてカスタマイズできるかを確認します。自社のデジタル課題に合わせてカスタマイズできる企業からDX研修を受けることで、効果を最大化することが可能です。
たとえばコードキャンプ社のDX基礎講座研修では、企業が求める希望する研修内容も反映してオリジナルにカスタマイズすることが可能です。
コードキャンプの導入事例を見てみる デジタル課題に合わせて同社のビジネスモデルや、業務プロセスに特化したカリキュラムが用意されているかチェックすることがおすすめです。
受講者の進捗を確認できる環境か
研修内容を理科して進むスピードは各従業員ごとにばらつきがあります。そのため研修の進捗を管理者が把握できる仕組みが整っているか確認することが重要です。
これにより受講者の学びの状況を適切に把握できます。例えば研修の進捗状況をリアルタイムで確認できるツールや、システムが提供されているかチェックすることがおすすめです。
進捗が不透明だとちゃんとスキルが身に付いているのか確認しづらく、DX研修が失敗に終わる可能性があります。
References
- ^ 総務省. 「デジタル・トランスフォーメーションにおける課題」. https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r03/html/nd112490.html, (参照 2024-08-09).