大規模言語モデル(LLM)のGPT-4を無料で利用できる生成AIツールの「リートン」は、株式会社リートンテクノロジーズジャパンが運営しているAIチャットボットサービスです。ほかにも複数のLLMを利用したり、画像生成機能も利用したりできることから注目を集めています。
また、高性能のLLMを無料で利用できることや韓国発のサービスということから、その安全性に疑問を持っている人もいるようです。
そこで今回はリートンの特徴や無料の理由、その安全性について解説します。また、実際の使い方についても紹介しています。
リートンは複数の生成AIを利用できる
リートン(wrtn)は2023年5月19日にリリースされた韓国発のAIチャットプラットフォームです。[1]日本では「リートンテクノロジーズジャパン」という法人が運営しています。
GPT-4 TurboやGPT-4などの先進的な生成AIモデルを無料で提供していることから注目を浴び、既に全世界で120万人以上のユーザーが利用しています。
リートンで利用できる主な生成AIモデルは下記の通りです。
- GPT-4 Turbo
- GPT-4
- GPT-3.5-16k
- Claude Instant
- Claude 2.1
- PalM2
GPTモデル以外にも複数のモデルに対応しており、ひとつのプラットフォームで複数のLLMを利用できるのが魅力です。これだけ高性能なモデルなのになぜ無料なのでしょうか。
リートンはなぜ無料なのか?
リートンが無料の理由として、現在が集客段階だということが考えられます。リートンと同じくGPT-4を無料提供しているMicrosft社の「Copilot(コパイロット)」も、最近有料プラン「Copilot Pro」が登場しました。
ChatGPTもはじめはGPT-3の無料モデルだけでしたが、現在はさまざまな機能を活用できる有料プラン「ChatGPT Plus」を提供しています。
上記のような流れがあるので、リートンは現在無料で利用できますが今後有料化されるかもしれません。リートンの利用規約にも、今後有料化される場合があることについて明記されています。
第10条 (利用料)
出典:リートン「サービス利用規約」
ユーザーは、本サービスを無料で利用できるものとします。ただし、将来において本サービスの全部または一部が有料となる場合があることに、ユーザーはあらかじめ承諾するものとします。
先日日本語に特化した画像生成機能が搭載されたこともあり、一定の機能が充実した頃に有料化される可能性があります。
リートンの安全性は?
リートンの安全性について利用規約を確認してみましたが、セキュリティの安全性に関する記載は見られませんでした。そのため、プライベートやビジネス問わず、重要な情報は記載しない方がよいでしょう。
セキュリティ面の安全性についてはすべてのLLMに言えることなので、個人情報や社内情報は記載しないことが賢明です。
リートンとChatGPT Plusの違い
リートンとChatGPTの有料プラン「ChatGPT Plus」の違いは下記の通りです。
特徴 | リートン(wrtn) | ChatGPT Plus |
---|---|---|
搭載モデル | ・GPT-4 Turbo ・GPT-4 ・Claude Instant ・Claude 2.1 ・PalM2 |
・GPT-4 Turbo ・GPT-4 ・GPT-3.5 |
料金 | 無料 | 月額20ドル |
利用制限 | - | GPT-4は3時間に40回まで |
その他機能 | ・日本語特化の画像生成機能 ・AI検索機能 ・AIキャラ機能 ・プロンプト紹介機能 |
・画像認識機能 ・ファイル読み取り ・GPTsの利用 ・ブラウジング機能 |
リートンは2024年3月27日のリニューアルにより、GPT-4やGPT-4 Turboを無制限で利用できるようになりました。無料会員の状態で使えるため、GPT-4を使って文字生成をメインにコスパ良く活用したい方におすすめです。
リートンの使い方
はじめにリートンの公式ページへアクセスします。
リートンの公式ページ:https://wrtn.jp/
リートンより
リートンは1回分のチャットであればアカウントを作成せず利用できます。複数のチャット欄を使いたい場合は、アカウント登録が必要です。
リートンのアカウントを作成する方法
アカウント未登録の人は、画面左上の「ログイン」ボタンから登録作業へ進むことができます。
リートンより
登録方法はメールアドレスとSNSの2種類から選択可能。SNSはラインアカウントとGoogleアカウントを利用できます。
リートンより
アカウント登録が終わってログインすると、上記画面が表示されます。画面左がチャット欄で、上部にある「チャット」をクリックすると新しいチャットを作成できます。
では実際にリートンを使ってみましょう。
実際にリートンを使ってみる
リートンより
トップ画面の下部にある入力欄へプロンプトを入力します。今回は「初心者におすすめのプログラミング言語を教えて下さい。」というプロンプトを実行してみます。
リートンより
上記のようにプロンプトに合った情報を出力してくれます。出力結果の下部に参照元となるリンクも記載されているため、事実確認もしやすそうですね。
リートンで画像生成する方法
リートンに搭載されている画像生成AIは、Stable Diffusionが提供している最新モデル「Stable Diffusion XL(SDXL)」を採用しています。
リートンより
画像生成機能はチャット欄の上部にある矢印ボタンをクリックすると表示されます。日本語に特化したモデルと高品質な画像を作れるモデルの2種類あるので、今回は日本語特化の画像生成AIを使ってみましょう。
リートンより
「Japanese SDXL」をクリックすると上記のような画面が表示されます。プロンプトの利用例も掲載されているので参考にしてみてください。画面下部にある入力欄にプロンプトを記載することで画像を生成できます。
今回は「晴れた外の景色を眺める猫の画像を作ってください」と入力して実行します。
リートンより
&プロンプトに合った画像が4つ作成されました。左上のようにイメージと違う画像もありますが、おおよそプロンプト通りの画像を生成できるようです。
リートンの評判をSNSで調べてみた
無料で利用できる生成AIのなかでも比較的優れているリートンですが、実際に使った人はどのように感じているのでしょうか。リートンを使った人の評判をSNSで集めてみました。
GPT-4無料使い放題「リートン」で画像生成AI「Japanese stable Diffusion XL」が利用可能に
— ダイチ (@LxGtUGtlRSh8yXW) February 13, 2024
実さに画像を描いてもらいました!
めっちゃくちゃ早い!
そして日本語が通じるのがいい🎵https://t.co/g26k8mgEVl pic.twitter.com/TRVPrqxas8
リートンいい感じと思って、本文を出力してもらったけど、日本がおかしかったり、文字抜けがあったりしますね。βだからしょうがないのかな。GPT4なんだけどな。
— きんてつAI×Kindle電子書籍 (@naticatdon) February 15, 2024
おやすみなさい😊 pic.twitter.com/KyEuLIayOJ
プロンプトは「バレンタインチョコを一生懸命に運ぶ子犬の画像を作成して」。
— じゅりん (@Jyurin_Y) February 13, 2024
リートンで使えるようになったJapanese SDXLを使ってみました。画像を生成する速度はかなり速い。かわいい画像ができると嬉しいですね^^#リートンで描いたマイバレンタイン pic.twitter.com/4yeDdz7Pt0
リートン画像生成
— ヒロ (@hirousi) February 16, 2024
全く思い通りの画像が生成出来ない。
単純なプロンプトの画像もめちゃくちゃ。
まだ時間がかかるのだろうか?
文字情報の出力と画像生成共に賛否両論あることがわかりました。なかでも画像の崩れに関する投稿が複数見られました。
リートンは現在ベータ版ということもあり、双方とも今後の品質向上に期待ですね。
リートンが大幅リニューアル|変更点を詳しく紹介
リートンは3月27日に機能面からデザイン面にかけて大幅にリニューアルしました。[2]リニューアルによる変更点は下記の通りです。
- 「GPT-4 Turbo」が 無料・無制限で利用可能に
- AIキャラとAIキャラ作成機能の追加
- AI検索(旧リートンサーチ)の高度化
- プロンプト紹介機能の追加
- ロゴとページデザインの刷新
- ダークモードの追加
各内容について詳しく解説します。
「GPT-4 Turbo」が 無料・無制限で利用可能に
「GPT-4 Turbo」の利用は先行公開申込受付をした方のみ対象でしたが、リニューアルにより24時間無制限で利用できるようになりました。
AIキャラとAIキャラ作成機能の追加
リートンより
AIキャラクターと対話できる機能とAIキャラクターを自作できる機能が搭載されました。チャット欄の下部にAIキャラクター一覧が表示されており、「AIキャラ作成」欄をクリックすると自作画面へ移動します。
リートンより
AIキャラクターで利用する生成AIの種類や会話が始まる最初の一言、キャラの設定などが可能。画面右にはAIキャラのプレビュー画面が表示されます。
AI検索(旧リートンサーチ)の高度化
リートンより
リートンのAI検索機能はChatGPTのブラウジング機能のように、実際にネット上から検索して情報を取得できます。本リニューアルによりAI検索機能がより高速になりました。
プロンプト紹介機能の追加
リートンより
AIキャラの下部には利用シーン別のおすすめプロンプトが掲載されています。小説や料理レシピ、ダイエットサポートなどさまざまなプロンプト例があります。
ロゴとページデザインの刷新
リニューアル前
リートンより
リニューアル後
リートンより
ロゴの色が青系からオレンジ系の色へ変わったり、機能の増加によりページデザインが大幅にアップデートしています。
ダークモードの追加
リートンより
トップ画面左下にある「設定」をクリックすると、ページ表示の配色を「ダークモード」と「ライトモード」の2種類から選んで適用できるようになりました。
References
- ^ PRTimes. 「【GPT-4搭載】CES2023受賞のWrtn Technologies、日本語に特化した対話型生成AIサービス「wrtn(リートン)」を完全無料・無制限でローンチ」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000119361.html, (参照 2023-05-20).
- ^ PRTimes. 「生成AIプラットフォーム企業 リートンテクノロジーズ、「wrtn(リートン)」 を大幅リニューアル!GPT-4 Turbo無料無制限公開・プロンプト紹介など新機能を追加」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000029.000119361.html, (参照 2024-04-15).
※上記コンテンツの内容やソースコードはAIで確認・デバッグしておりますが、間違いやエラー、脆弱性などがある場合は、コメントよりご報告いただけますと幸いです。
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2件のコメント
リートンテクノロジーズジャパン広報担当
株式会社ppc 髙橋様
お世話になっております。
この度はコードキャンプ株式会社が運営する「trends.」をご覧いただきありがとうございます。
また、プレスリリース記事のご共有ありがとうございます。
PR TIMESで取り上げられておりました機能を追記させていただきましたので、お手すきのタイミングでご確認いただけますと幸いでございます。
新情報が出次第、引き続き情報を追記してまいりますので、今後とも何卒よろしくお願いいたします。
だーだい様
いつもお世話になっております。リートンテクノロジーズジャパン広報担当、ppcの髙橋です。
この度は「wrtn」のサービスを取り上げていただき、ありがとうございます。
「wrtn」は先月末に大幅アップデートを行い、「GPT-4 Turbo」の時間制限がなくなり完全無料無制限で利用できるようになりました。
ほかAIキャラクターとチャットできる「AIチャット機能」や「おすすめプロンプト」などの機能もございます。
詳しくは以下プレスリリースをご覧ください。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000029.000119361.html
ぜひアップデートに関しても取り上げていただけますと幸いです。