JSOLがAI機能「JSTAMP-RealSync for Springback」を搭載、スプリングバック予測精度が向上
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株式会社JSOLは、プレス成形シミュレーションソフトウエア「JSTAMP®」に初のAI機能「JSTAMP-RealSync for Springback」を搭載し、リリースしました。
JSTAMP®が対応する高強度鋼板のプレス成形課題
近年、自動車の車体には高い衝突安全性能と軽量化の両立が求められています。その手段として、構造骨格部材への高強度鋼板の適用が拡大しました。一方で、高強度鋼板を用いたプレス成形は加工難易度が非常に高く、どれほど高精度なシミュレーションソフトでもスプリングバックを正確に再現することは極めて困難です。
シミュレーションで最適な形状を導き出して金型を製作しても、実機トライではシミュレーションとは異なるスプリングバックが発生するため、金型修正を何度も繰り返すことが常態化しています。スプリングバックとは、金型の離型後に材料の弾性回復によって、成形形状がわずかに変化する現象です。材料が持つ「元に戻ろうとする弾性の性質」によって発生するため物理的に不可避であり、高精度なシミュレーションでも再現が難しい課題となっています。
JSTAMP-RealSync for SpringbackのAI・CAE融合で実現するバーチャル・トライ
「JSTAMP-RealSync for Springback」は、実機トライで得られたスプリングバック後の形状データと、シミュレーションが予測したスプリングバック後の形状データの関係性をAIに学習させ、シミュレーションの予測と実機トライの形状差を補正する技術です。本手法を適用することによって、金型形状を微調整しながらシミュレーションを繰り返し実行し、その金型形状で正寸形状が得られるかをコンピューター上で検証できます。
実機トライを伴わない「バーチャル・トライ」を実現することによって、期待される効果は以下の通りです。
- 金型修正コストの削減
- 金型設計・製作のリードタイム短縮
シミュレーションは、膨大な数値データを生成するものであり、それ自体がビッグデータであることから、AIとの親和性が非常に高い技術分野です。理論に基づき演繹的に解くシミュレーション技術と、データから帰納的に結果を導くAIの特長を融合することによって、シミュレーション技術単独では解決が難しかったスプリングバックの解析精度の課題に対し、有効な解決手段を実現しました。
JSTAMP-RealSync for Springback 概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 開発元 | 株式会社JSOL |
| 機能名 | JSTAMP-RealSync for Springback |
| 搭載ソフトウエア | JSTAMP® |
| 対象素材 | 高強度鋼板 |
| 主な効果 | スプリングバック予測精度の向上・金型修正回数の削減・コスト低減 |
| 技術的特長 | シミュレーション(CAE)とAIの融合によるバーチャル・トライの実現 |
| 会社所在地 | 東京都千代田区 |
| 代表取締役社長 | 永井 健志氏 |
| 設立 | 2006年 |
| 出資元 | 株式会社NTTデータ・株式会社日本総合研究所 |
trends編集部の一言
「シミュレーションで最適な形状を出しても、実機では必ずズレが生じる」という状況は、製造業に限らず、広く共感を呼ぶ課題です。マーケティングの現場でも、分析モデルと実際のユーザー行動のギャップに頭を抱える場面は多く、「理論と現実の乖離をデータで補正する」というアプローチには業界を超えた普遍性を感じます。AIに形状差を学習させることで、バーチャル上での検証精度を高めていく設計は注目に値するでしょう。
株式会社JSOLが30年以上にわたりシミュレーション分野に取り組んできた実績を持つ点も、この機能への信頼性を裏付ける要素です。業界全体としては、CAEとAIの融合はまだ黎明期にある領域であり、「まず一部の工程からAIを組み込む」というアプローチの実例として、製造業の開発プロセスにおける新たな選択肢として注目されています。
References
- ^ PR TIMES. 「プレス成形シミュレーションソフトウエア「JSTAMP®」に初のAI機能を搭載 | 株式会社JSOLのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000138.000007779.html, (参照 26-06-18).










