株式会社クラシテクは、2026年6月12日、訪問看護ステーションや医療、介護事業者向けに、AIエージェント「AI集患電話」の提供を開始しました。
AI集患電話が解決を目指す機会損失の構造
訪問看護ステーションや医療、介護事業者における新規利用者の多くは、ケアマネジャーや病院の退院調整担当者からの「空きはありますか?」という1本の電話から始まります。依頼を受けても、シフトと訪問スケジュールを確認しなければ受け入れ可否も開始日時も返答できず、「確認して折り返します」と一度電話を切ることになりました。
紹介元は、複数の事業所に並行して打診しているため、折り返した時点ですでに依頼が他事業所へ決まっています。即答できるかどうかが、新規依頼の獲得を大きく左右するのです。管理者が訪問中・運転中で電話に出られない時間帯も含め、依頼を受けたくても受けきれない構造が現場には存在しました。
さらに深刻なのは、この機会損失が記録に残らない点です。何件の依頼電話があり、何件を即答できずに失い、どのような理由で断ったのか。これらは受けた個人の記憶の中にしか残らず、複数拠点を運営する法人では本部から各ステーションの集患状況を把握する手段がありませんでした。
断りや遅い返答が続けば、紹介元からの信頼を失い依頼リストから外れるリスクも生じます。
「AI集患電話」が実現する3つの機能
「AI集患電話」の主な特徴は次の3点です。
- シフトの空き状況から対応可能日時をその場で即答
- 自然な対話による新規依頼の自動応答・情報収集
- 応対内容・問い合わせ傾向・機会損失のデータ化とダッシュボード可視化
シフトの空き状況をリアルタイムに参照し、受け入れ可否と対応可能な日時をその場で回答します。「確認して折り返します」の間に他事業所へ流れていた依頼を、その場で確定に近づけられるのです。
管理者が訪問中・運転中で出られない時間帯や夜間も、依頼電話を取りこぼしません。平均57分の折り返し待機で1件の依頼が他事業所に決まるケースが課題となっており、即答体制の整備は依頼獲得率に直結します。
「AI集患電話」は、利用者の状態や保険種別、希望開始時期、エリアなど、受け入れ判断に必要な項目をAIが対話形式で聞き取る仕組みです。すべての応対内容は記録・構造化され、受け入れ率・断り理由・即答できずに失った依頼件数までダッシュボードで確認できます。
これまで属人化していた集患の実態が、拠点横断で経営判断に使えるデータとなりました。
「AI集患電話」サービス概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 提供企業 | 株式会社クラシテク |
| サービス名 | AI集患電話 |
| 対象事業者 | 訪問看護ステーションや医療、介護事業者 |
| 主な機能 | シフト空き状況のリアルタイム参照による即答・自動応答・ダッシュボード可視化 |
| 提供開始日 | 2026年6月12日 |
| 所在地 | 東京都渋谷区神南1丁目6-5 |
| 代表者 | 代表取締役 一岡 亮大 |
| コーポレートサイト | https://kteku.com/ |
同社代表取締役・一岡 亮大氏は「「確認して折り返します」と電話を切る。その間に依頼はもう他の事業所に決まっている。こうした取りこぼしが何件あったのかさえ記録に残らない、という声を何度も聞いてきた」と語ります。
とりわけ複数拠点を運営する法人ほど、新規依頼の状況は現場の管理者の記憶の中にしかなく、本部からは見えないと同氏は指摘しました。
「AI集患電話」は、AIエージェントシリーズ「SHISHI」の一サービスとして位置づけられています。SHISHIは、AIオペで蓄積した制度判断データと業務ロジックをもとに、専門性の高い業務を現場に合わせて実行する業界特化型AIエージェントです。
集患電話など本部から見えにくかった業務データを可視化し、AIネイティブな業務OSの実現を目指します。
なお、リリース記念オンラインセミナーが2026年7月2日(木)19:00〜20:00にZoomで開催されます。訪問看護ステーションや医療、介護事業者の経営者・管理者・本部担当者を対象とし、参加費は無料です。
trends編集部の一言
「折り返した時にはすでに決まっている」という構造は、介護・医療に限らず、顧客獲得競争のある業界で広く観察されてきた課題です。マーケティングの現場でも、リードへの初動対応が遅れると他社に流れる場面は日常的であり、即答できる体制の価値は業種を問わず共通しています。
業界全体としては、電話対応のデジタル化は遅れがちな領域です。特に訪問看護のように、管理者が外出中で対応できない時間帯が構造的に多い業態では、AIが空き状況まで含めて即答できる仕組みの意義は大きいと言えます。
もう一点、注目したのは「機会損失の見える化」という切り口です。マーケティングの文脈に置き換えると、失注の記録が残らない状態は改善の起点がつかめないことを意味します。断り理由や受け入れ率がダッシュボードで確認できるようになる点は、経営判断の質を上げるうえで業界横断的に示唆を含む取り組みです。
References
- ^ PR TIMES. 「クラシテク、ケアマネ・病院からの新規依頼電話にAIが自動応答する「AI集患電話」を提供開始 ― シフトの空き状況から対応可能日時を即答、属人化していた電話対応をデータ化 | 株式会社クラシテクのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000018.000160988.html, (参照 26-06-15).
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