SCSK株式会社は、AIネイティブな次世代型ERP「PROACTIVE」の新ラインアップとして、「PROACTIVE MES(プロアクティブ メス)」の提供を開始しました。
PROACTIVE MES開発の背景となる「見えない工場」の課題
製造業では、工場ごとに機械や工程が異なるため、MES領域への一律なシステム導入が難しく、個別の追加開発やExcelによる管理が続いてきました。ERP上で立案した生産計画と、現場の実績・稼働情報が分断されることで、現場実績の反映遅延や設備稼働状況の見える化不足、不良発生要因の分析難航という3つの課題が生じています。
こうした情報の断絶は、実態が経営層から見えない「見えない工場」のリスクを招き、迅速な経営判断を妨げました。熟練工の「勘」や「経験」に依存する属人化も、事業継続における深刻な懸念となっています。
PROACTIVE MESの4つの特長
「PROACTIVE MES」が標準搭載する機能は、大きく4つの柱で構成されました。主な特長は次の通りです。
- AIによる作業順序・シフト・設備割り当ての自動化
- AI-OCRによる実績入力の自動化と転記作業の排除
- ISO22400に基づく4M分析AIダッシュボードによる現場改善支援
- ERPとの連携による原価・在庫状況のリアルタイム把握
AIは、作業者のスキルやシフト、設備の稼働状況に基づいて最適な作業順序を自動で割り当て、緊急オーダーやトラブル発生時にも柔軟に対応します。作業指示書や検査記録はAI-OCRで自動データ化され、人的ミスの削減と業務効率化を支援しました。
4M分析AIダッシュボードには、Google Cloud の生成AI「Gemini」を搭載しました。製造現場の状況を世界標準の指標「ISO22400」に基づいて収集し、人や機械、材料、方法の4M観点で可視化します。そのうえで、問題の早期発見や改善アクションの提案をレポート形式で提示する仕組みです。
ERP連携については、自社ERP「PROACTIVE 生産管理」との標準連携に加え、SAPなどの他社製ERPに対してもWEB APIやETLによる柔軟な方式で対応します。原価や在庫状況のズレを即座に把握できるため、実績情報の二重入力や確認作業が削減され、現場が本来の製造業務に集中できる環境を整えました。
PROACTIVE MESの概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 提供企業 | SCSK株式会社(本社:東京都江東区、代表取締役 執行役員 社長:當麻 隆昭氏) |
| サービス名 | PROACTIVE MES(プロアクティブ メス) |
| サービス区分 | オファリングサービス |
| 対象プラットフォーム | AIネイティブな次世代型ERP「PROACTIVE」 |
| 主な機能 | 順序計画/作業指示/進捗管理/実績収集・分析/品質管理 |
| 搭載AI | Google Cloud の生成AI「Gemini」(Google LLC の商標) |
| ERP連携 | PROACTIVE 生産管理との標準連携、SAP等他社製ERPにはWEB API/ETLで対応 |
| 導入企業数 | ※PROACTIVEシリーズ全体の導入実績:7,500社を超え |
| TECHNO FRONTIER2026セミナー | 2026年7月15日(水)13:30〜13:50 / 2026年7月16日(木)14:30〜14:50 登壇者:船岡 剛氏・井上 朗氏 |
| 公式サイト | https://proactive.jp/ |
trends編集部の一言
導入企業数が7,500社を超えるERPプラットフォームが、製造現場の実行管理領域に踏み込んできた点は注目に値します。製造業DX市場では、「戦略・計画を立案するERP層」と「現場が実際に動くMES層」の間の情報断絶を埋めるソリューションへの需要が高まっており、製造業に限らず業界横断で共通する構造的な課題です。
生成AIを使って「勘と経験」に依存する属人化を排除しようという方向性は、マーケティング業界の文脈に置き換えると、ベテラン担当者のノウハウをAIが代替・補完する動きと重なります。「ISO22400に基づく4M分析」という世界標準の指標を軸にダッシュボードを設計している点は、属人的な解釈を排除して経営層が現場を「見える化」するアプローチとして、同種サービスでも経営層による現場把握を支援する動きが広がっている流れに沿うものです。
今後はAI-OCRの対象範囲拡張やチャット形式の分析支援機能の追加も予定されており、製造現場のDX基盤としての進化を引き続き注目しておく価値があります。
References
- ^ PR TIMES. 「AIネイティブな次世代型ERP「PROACTIVE」の新ラインアップ「PROACTIVE MES」を提供開始 | SCSK株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000070.000152961.html, (参照 26-06-13).
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