RAKUVISA株式会社は、在留資格申請SaaS「RakuVisa」においてAI書類チェック機能の提供を開始しました。
RakuVisaのAI書類チェック機能が解決する申請現場の課題
在留資格申請では、提出書類が多岐にわたり、分野ごとに要件が異なります。1件の申請でも必要書類は数十点に及び、書類間の整合性まで人手で確認する必要がありました。書類に不備があれば入管から差し戻され、外国人本人の在留や企業の受け入れスケジュールに影響します。
2026年1月に施行された改正行政書士法では、第19条に「いかなる名目によるかを問わず報酬を得て」という文言が追加され、登録支援機関等による実質的な書類作成への法的リスクが高まりました。一方で同法は、IT活用による業務改善の努力義務(第1条の2第2項)も新設しています。申請実務のデジタル化が、制度的にも後押しされている状況です。
こうした環境のなかで、申請書類の品質を保ちながら行政書士の確認負担を軽減する仕組みへのニーズが高まっています。
RakuVisaにおける2段階チェックの仕組み
AI書類チェックは、利用者が確認依頼を送信した時点でバックグラウンドで自動起動します。行政書士が通知を受けて、画面を開くときには、すでにチェック結果が一覧で揃っている設計です。
チェックは、2つの段階で行われます。1段階目は、ルールに基づく自動判定です。申請種別や分野、機関の種別に応じて必要な書類が揃っているかを即座に判定し、提出を省略できる書類も示します。
2段階目は、AIによる内容チェックです。賃金が最低賃金を下回っていないか、書類間で記載に矛盾がないかといった観点を確認します。検出した指摘は「重大な不備」「要確認」「参考情報」の区分で表示され、行政書士はそれをもとに最終判断を行います。
本機能は、行政書士が申請内容を確認する従来のフローを置き換えるものではありません。見落としやすい点を事前に洗い出し、確認作業を効率化するための支援ツールです。
RakuVisaの個人情報保護と法的適合性への対応
在留資格申請は、氏名や在留カード番号、マイナンバーをはじめとする機微な個人情報を扱います。AI書類チェックでは、AIに解析を依頼する前に個人を特定する情報を自動でマスキングします。
解析処理は、東京リージョンのサーバーで行い、個人情報を含むデータが日本国外に送信されない設計です。解析のために送信したデータがAIモデルの学習に利用されることはなく、処理プロセスの記録も保存されます。
「RakuVisa」は、経済産業省のグレーゾーン解消制度に基づき、総務省より行政書士法に抵触しない旨の公式回答を2025年2月に取得しています。行政書士や登録支援機関、所属機関の連携を支援し、行政書士が必ず介在する、適法な申請プロセスを実現するプラットフォームです。
本AI書類チェック機能を含む在留資格申請の多者間協業を支援する仕組みについては、特許を出願済みです。AIによる書類の妥当性判定、解析時の個人情報の保護方式、および申請の実行を申請取次行政書士に限定する仕組みなどが出願の対象に含まれています。
RakuVisa AI書類チェック機能の概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 提供企業 | RAKUVISA株式会社 |
| 対象サービス | RakuVisa(在留資格申請SaaS) |
| 提供開始 | 2026年6月 |
| 対応申請 | 特定技能1号の認定・変更・更新申請(全分野) |
| チェック方式 | ルールベース自動判定 + AIによる内容チェック(2つの段階) |
| 個人情報保護 | マスキング処理・東京リージョン国内処理・AI学習不使用・監査ログ保存 |
| 法的根拠 | 経済産業省グレーゾーン解消制度に基づく総務省公式回答取得済み(2025年2月) |
| 代表者 | 代表取締役 木本佑史氏 |
| 所在地 | 東京都渋谷区道玄坂一丁目21番1号 渋谷ソラスタ3F |
trends編集部の一言
1件の申請に数十点の書類が必要で、書類間の整合性まで人手で確認しなければならないという現場の状況は、在留資格申請支援領域における構造的な課題として長く認識されてきました。行政書士が画面を開いたときにはチェック結果が揃っているという非同期設計は、業界全体としても品質担保と負担軽減を両立する一つの理想形と捉えられます。
業界全体としては、AIツールを導入しても実際の確認フローに組み込まれなければ形骸化するという課題が繰り返し指摘されてきました。行政書士の判断を起点とし、AIが補助情報を提示するにとどまる設計は、導入定着の問題に対する一つの応答として、同種のSaaSサービスの設計思想としても注目される方向性です。
AIが数値や内容を生成するのではなく、チェック結果を区分表示して、最終判断は人が行うという役割分担の明確さも印象に残りました。生成AIの精度への信頼がまだ形成途上にある現在、「AIに任せる範囲」を限定して透明性を確保するこうした設計は、業種を超えて同様のアプローチが広がる可能性を感じさせます。
References
- ^ PR TIMES. 「在留資格申請SaaS「RakuVisa」、行政書士法に準拠したAI書類チェック機能を提供開始 | RAKUVISA株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000020.000047817.html, (参照 26-06-05).
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