株式会社マルチブックは2026年7月3日、グローバルクラウドERP「multibook(マルチブック)」に「AI自動仕訳機能(仕入先請求書)」をリリースしました。
AI自動仕訳機能(仕入先請求書)の仕組みと対応範囲
本機能は、仕入先から受領した請求書PDFをクラウド上にアップロードすると、AI OCRが請求書情報を読み取り、自動で会計仕訳(仮伝票)を作成します。AIが自動で抽出するのは、請求書番号や請求日、支払期日、通貨、明細、金額、税額などの情報です。Tax ID、電話番号、仕入先名称などの情報をもとに取引先も特定します。
multibookの取引先マスタにあらかじめ仕訳パターンが設定されている場合は、勘定科目や税区分、部門などが自動設定される仕組みです。毎月発生する定型的な請求書については、確認のみで仕訳を完成させられます。請求金額や請求内容が毎月変動する請求書についても、AIが読み取った請求書明細をそのまま仕訳へ展開するため、幅広い請求書業務に対応します。
作成された仮伝票には、請求書PDFも自動添付されるため、証憑と仕訳の一元管理が可能です。本機能は、会計モジュールの標準機能として提供されます。
AI自動仕訳機能が支援する経理担当者の付加価値業務への移行
企業の経理部門では、毎月大量の請求書について、請求内容の確認から取引先の選択、勘定科目や税区分の入力、金額の転記、証憑の添付まで、多くの手作業が発生してきました。AI自動仕訳機能の主な効果は以下の通りです。
- 請求書入力工数の大幅な削減
- 転記ミス・入力漏れの防止
- 証憑と仕訳の一元管理
請求書入力工数の削減や転記ミス防止、証憑と仕訳の一元管理により、経理担当者は確認や例外処理、分析など、より付加価値の高い業務へ集中できます。代表取締役社長の渡部 学氏は「経理担当者は入力作業から確認・判断業務へシフトでき、生産性と入力品質を同時に向上させることが可能になります」と述べています。
マルチブックが目指すグローバルAI ERPの実現
株式会社マルチブックは、ERP全領域におけるAI活用を推進してきました。今回のAI自動仕訳機能はその第一歩として位置づけられています。今後は、AIによる契約書解析や請求書処理、仕訳生成、財務分析、経営支援など、ERP全体へAIを展開する方針です。
その一環として、生成AIとmultibookを直接連携させる「multibook-MCP(Model Context Protocol)」の開発も進めています。財務データ照会や会計仕訳生成、レポート作成などを自然言語で実現するAI ERPを目指します。また、本機能はBPOサービス「マルチブックアウトソーシング」にも順次適用し、処理スピードと品質をさらに高める計画です。
株式会社マルチブックの概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社マルチブック |
| 代表者 | 代表取締役社長 渡部 学 |
| 設立 | 2000年9月 |
| 本社所在地 | 東京都品川区西五反田1-1-8 NMF五反田駅前ビル5階 |
| 海外拠点 | シンガポール・タイ・フィリピン |
| 事業内容 | グローバルクラウドERP「multibook」の開発・販売・導入支援、BPOサービスの提供 |
| 製品概要 | 12言語や多通貨、複数帳簿に対応。40カ国・750社以上で導入実績あり |
trends編集部の一言
40カ国・750社以上で導入実績を持つグローバルクラウドERPが、請求書処理のAI自動化に踏み込んだ点は注目されます。業界全体として、経理部門のデジタル化は「ツールの導入」から「業務フローの再設計」へと移行しつつある段階です。マーケティング業界の文脈に置き換えると、レポートや請求確認といった定型作業の積み重なりが分析・判断に充てる時間を圧迫する構造は業界横断で語られてきたテーマであり、入力工程そのものをAIが代替する設計は、業界全体の作業プロセス転換を象徴する動きと読み取れます。
「multibook-MCP(Model Context Protocol)」による自然言語での財務データ照会という方向性は、ERPの操作インターフェース自体が変わる可能性を示すものです。12言語や多通貨、複数帳簿に対応したグローバル基盤の上でAIが動く設計は、海外拠点を持つ企業のERP選定において、AI連携基盤の有無が比較軸になりつつあることを示しています。
References
- ^ PR TIMES. 「マルチブック、仕入先請求書の入力をAIで自動化する「AI自動仕訳機能」をリリース | 株式会社マルチブックのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000264.000015843.html, (参照 26-07-10).
