Trust株式会社は2026年6月1日、金融機関のレガシー・基幹システムのモダナイゼーションをAIで支援するAIエージェントプラットフォーム「Trust TLanP®」のSaaS版を提供開始しました。
Trust TLanP®が解決する金融機関のモダナイゼーション課題
金融機関のレガシー・基幹システムのモダナイゼーションは長年の経営課題です。現場では「3つの課題」が立ちはだかり、前に進めない実態があります。
具体的な課題は次の3点です。
- コード・仕様書・業務フローが分断され、全体像を把握する人材がいない
- 有識者の暗黙知が、退職・異動とともに失われ続けている
- 既存システムの情報が構造化されておらず、AIエージェントを適用できない
「Trust TLanP®」は、属人的な知見とシステムに埋もれた仕様の両方を組織の資産として整え、「3つの壁」を同時に解決するプラットフォームとして開発されました。
「Trust TLanP®」SaaS版が提供する4つの価値
主な価値は次の4点です。
- 資産統合:コード・設計書・業務ルールをAIが理解できる形で一元管理。紙や手書きの仕様書もAIが読み取り、アナログ資産も組織の知識として活用できる
- 現状把握:構造・依存関係・リスクをグラフビューで可視化。デッドコード・影響分析・データパイプラインなど多様な切り口で表示し、関係者が同じ視点で判断できる状態をつくる
- 調査高速化:AIチャットで仕様変更や障害対応時の関連情報・影響範囲を根拠とともに提示し、属人的な確認作業から脱却できる
- 知見継承:調査結果・障害情報・意思決定の経緯など、ベテランの暗黙知をデータとして蓄積し、誰でも引き出せる共有資産として継承する
SaaS版では、クラウド上のワークスペースに一部のソースコードや技術文書をアップロードするだけで、PoC(概念実証)を即時開始できます。従来の個別導入型に比べ、初期投資・導入期間を抑えながら段階的に範囲を広げられる点が最大の特徴です。
「Trust TLanP®」SaaS版の概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 提供企業 | Trust株式会社 |
| サービス名 | 「Trust TLanP®」SaaS版 |
| カテゴリ | AIエージェントプラットフォーム |
| 提供開始日 | 2026年6月1日 |
| 主な機能 | ソースコード・仕様書の解析・統合 グラフビューによる依存関係の可視化 AIチャットによる影響調査・確認 暗黙知の組織資産化 |
| 想定活用シーン | レガシーコードの仕様把握・設計書自動作成 仕様変更時の影響範囲調査 障害対応時の依存関係の即時確認 Claude Code等のAI駆動開発向けコンテキスト整備 |
| 設立 | 2023年10月 |
| 本社 | 東京都中央区日本橋茅場町1-8-1 FinGATE KAYABA |
| 代表者 | 代表取締役社長 友田恭輔氏、共同代表 湯山敬太氏 |
| URL | https://trust-partner.co.jp/ |
trends編集部の一言
金融機関の基幹システムが「ブラックボックス化している」という課題は、金融業界に限った話ではありません。マーケティングの現場でも、社内に長年蓄積されたデータや業務ルールが担当者の頭の中にしか存在しない、という状況は珍しくなく、業界全体として「人の記憶に依存した運用」の脆弱さは共通の課題です。
CPO 勝本氏のコメントにある「AIが正しく判断できるだけのシステム情報と業務文脈を整えること」という視点は、マーケティング業界の文脈に置き換えても同様に響きます。Claude Code等のAI駆動開発ツールを活用するうえでも、前提となるシステムコンテキストの整備が不可欠です。業界全体としても、段階的にAI活用へ移行できる設計思想への関心が高まりつつあり、「まず小さく始められるSaaS版」という切り口は、企業のAI活用初期ステップにおける有力な選択肢として捉えられます。
金融IT出身のチームが設計・提供しているという背景も、現場の実態に即した設計への期待感につながります。既存システムを「負債」から「資産」へという方向性は、DX推進に取り組む組織にとって注目しておく価値がありそうです。
References
- ^ PR TIMES. 「Trust、金融機関の基幹システムのモダナイゼーションをAIで支援する「Trust TLanP®」SaaS版を提供開始 | Trust株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000030.000131321.html, (参照 26-06-01).
