IoT機器各社がJC-STARのセキュリティ適合ラベルを取得、調達担当者の要件確認を支援
公開:
自治体や教育機関の案件でネットワーク機器を調達するとき、セキュリティ要件をどの資料で確かめるか迷っていないでしょうか。IoT機器のセキュリティ適合ラベルであるJC-STARを見れば、製品が満たしたセキュリティ基準を共通の物差しで確認でき、選定の判断材料として使えます。
この記事では、JC-STARの★1適合ラベルが示す範囲と、無線アクセスポイントや産業用セルラールーター、太陽光発電設備での対応状況まで詳しく解説します。JC-STARの適合ラベルを機器選定の材料にしたい調達担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
この記事の要点
- この記事の材料:発表3件
- 発表主体:アドバンテック株式会社、Japan株式会社 ほか1件
- 出典の最終掲載:2026.09.24
SOURCESこの記事がまとめた発表

画像:アドバンテック株式会社の発表資料より(PR TIMES)
[1] アドバンテックの産業用セルラールーター「EKI-1642WI-JA」がJC-STAR Level 1を取得
アドバンテック株式会社 / 掲載 2026.09.16
発表を見る

画像:Japan株式会社の発表資料より(PR TIMES)
[2] GoodWe、太陽光発電所向けパワコンのJC-STAR★1対応構成を展開
Japan株式会社 / 掲載 2026.09.24
発表を見る

画像:エレコム株式会社の発表資料より(PR TIMES)
[3] エレコムのWi-Fi 7対応 法人向け無線アクセスポイント 4モデルが「JC-STAR」★1適合ラベ ルを取得
エレコム株式会社 / 掲載 2026.09.24
発表を見る
目次
JC-STARの★1適合ラベルが示す範囲
JC-STARは、経済産業省が2024年8月に公表した「IoT製品に対するセキュリティ適合性評価制度構築方針」に基づいて構築された制度です。エレコムは、インターネットと通信できる幅広いIoT製品を対象に、セキュリティ機能を共通の物差しで評価・可視化する制度だと説明しています。[3]
★1で求められる基本的なセキュリティ対策は、以下の通りです。[1]
| 区分 | 求められる対策 |
|---|---|
| 認証 | 適切な認証とアクセス制御 |
| 初期設定 | 安全な初期設定 |
| 脆弱性 | 既知の脆弱性への対策 |
| 更新管理 | ソフトウェアとファームウェアの管理 |
| 情報提供 | セキュリティ関連情報の提供 |
| 通信保護 | ネットワーク経由の攻撃への基本的な保護 |
ラベルの段階は★1から★4まであり、★2以上はIoT製品の類型ごとの特徴に応じた適合基準です。エレコムは、適合ラベルが定められた適合基準への対応状況を示すもので、製品の完全なセキュリティを保証するものではないと注記しています。
JC-STAR★1を取得したネットワーク機器
無線アクセスポイントと産業用セルラールーターで、JC-STARの★1適合ラベルを取得したことが示されました。ネットワーク機器で確認できる内容は、以下の2点です。
- Wi-Fi 7対応4モデルの最大接続台数
- 産業用セルラールーターの登録情報
エレコムは4モデルの取得を型番ごとに示し、アドバンテックは適合ラベルの登録番号や適合基準のバージョンを示しています。機器の置かれる環境によって、見るべき情報が変わります。
Wi-Fi 7対応4モデルの最大接続台数
エレコムが★1適合ラベルを取得したと発表したのは、Wi-Fi 7対応の法人向け無線アクセスポイント4モデルでした。型番ごとの通信速度や最大接続台数、参考価格は以下の通りです。[3]
| 型番 | 通信速度 | 最大接続台数 | 参考価格 |
|---|---|---|---|
| WAB-BE187-M | 18700Mbps | 最大768台(各帯域256台) | 125,950円 |
| WAB-BE72-M | 7200Mbps | 最大512台(各帯域256台) | 76,560円 |
| WAB-BE36-M | 3600Mbps | 最大256台(各帯域128台) | 60,500円 |
| WAB-BE36-S | 3600Mbps | 発表に記載なし | 52,800円 |
表の価格は店頭実勢価格で、発表では税抜の金額も併せて示されています。最上位のWAB-BE187-Mは3つの周波数帯を同時に使えるトライバンド通信に対応した製品でした。
産業用セルラールーターの登録情報
アドバンテックは、産業用セルラールーター「EKI-1642WI-JA」がJC-STARの★1適合ラベルを取得したと発表しました。4G LTEに対応し、デュアルSIMによる回線の冗長化やVPN機能を備える製品だと説明しています。[1]
発表で示された適合ラベルの登録情報は、以下の通りです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 製品名 | EKI-1642WI-JA |
| 登録番号 | 2026081700003312 |
| 適合基準 | JST-CR-01-01-2024/2024R1 |
| 認証取得日 | 2026年8月14日 |
| 有効期限 | 2028年8月13日 |
アドバンテックは、ラベルの取得によって導入時のセキュリティ評価の負荷が軽くなる価値を挙げています。
JC-STAR★1に対応する太陽光パワコン構成
太陽光発電設備の側でも、JC-STARの★1を踏まえたシステム構成が示されました。パワーコンディショナで確認できる内容は、以下の2点です。
- RS485に限定したPCSの通信構成
- EMSやデータロガーとの接続検証
GoodWeは、PCS単体の製品提供にとどまらず、周辺機器との連携を含めたシステム構成の検証を進めるとしています。通信の経路をどこで区切るかが判断の分かれ目です。
RS485に限定したPCSの通信構成
GoodWeは、産業用太陽光発電向けパワーコンディショナ「GT・SMTシリーズ」で、JC-STAR★1への対応を踏まえたシステム構成の提供を開始するとしています。PCSの通信インターフェースをRS485(Modbus RTU)に限定し、外部ネットワークへ直接接続しない構成を提案しています。[2]
対応構成の対象として挙げられている製品は、以下の通りです。
| 型番 | 出力 | 電圧 |
|---|---|---|
| GW100K-GT-JP-G10 | 100kW | 320V・340V・360V・380V |
| GW125K-GT-JP-G10 | 125kW | 420V・440V・480V |
| GW50K-SMT-JP-G10 | 50kW | 発表に記載なし |
この構成では、PCSとEMS・データロガーの間の通信にRS485を使うとしています。
EMSやデータロガーとの接続検証
GoodWeは、★1適合ラベルを取得済みのEMSやデータロガーとの接続について、対象機器や案件ごとの条件を確認したうえで提案を進めるとしています。複数のEMSメーカーとの連携を想定した接続検証も進めているとしています。[2]
GoodWeが発表で示している取り組みの状況は、以下の通りです。
- 複数EMSとの接続検証は進行中
- 設備条件に応じた提案の強化
- 10月13日に技術説明会を開催
技術説明会は2026年10月13日の14時から15時30分にオンラインで開催され、参加費は無料としています。
JC-STARの適合ラベルを調達で確かめる観点
機器の種類によって、ラベルの示し方には単体での取得から周辺機器を含む構成の提案まで幅がありました。調達の要件確認で見ておく観点は、以下の通りです。[1][2][3]
| 確認項目 | 見るポイント |
|---|---|
| ラベルの段階 | ★1は共通の最低限の基準 |
| 登録情報 | 登録番号と適合基準のバージョン |
| 有効期限 | 発表に示された期限の日付 |
| 通信の経路 | 外部ネットワークへの接続の有無 |
| 周辺機器 | EMSやデータロガーの適合状況 |
| ラベルの位置づけ | 完全なセキュリティの保証ではない |
外部ネットワークへ直接つながらない機器では、周辺機器側の適合状況が判断の材料です。
References
- ^ PR TIMES. 「アドバンテックの産業用セルラールーター「EKI-1642WI-JA」がJC-STAR Level 1を取得」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000214.000073476.html, (参照 26-09-30).
- ^ PR TIMES. 「GoodWe、太陽光発電所向けパワコンのJC-STAR★1対応構成を展開」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000024.000167163.html, (参照 26-09-30).
- ^ PR TIMES. 「エレコムのWi-Fi 7対応 法人向け無線アクセスポイント 4モデルが「JC-STAR」★1適合ラベ ルを取得」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001546.000026881.html, (参照 26-09-30).






