Googleは開発者の生産性向上を目指し、Chrome 128を2024年8月21日にリリースした。このバージョンでは改行可能なruby要素が追加され、特に東アジア言語のテキスト表示が強化されている。ラップされたベーステキストの上にラップされたRubyアノテーションテキストが重ねて配置されるため、最適なテキストレンダリングを実現できるようになったのだ。^[1]

さらにPromise.tryが導入されたことで、Promiseによるエラー処理が容易になった。この機能により同期例外フローと非同期例外フローの両方を処理する代わりに、.catchハンドラですべてのエラーをキャッチするPromiseチェーンを開始できる。

また、PointerEventインターフェースが拡張され、新しい属性devicePropertiesが追加された。この属性にはuniqueId属性が含まれており、セッション永続でドキュメント分離された一意の識別子を表すことができる。これによりデベロッパーはページを操作する個々のペンを確実に識別できるようになり、マルチペンの手書き入力機能が強化された。

Chrome 128の新機能まとめ

	ruby要素	Promise.try	PointerEvent拡張
主な利点	テキスト表示の最適化	エラー処理の簡素化	マルチペン識別の向上
対象言語/機能	東アジア言語	JavaScript	手書き入力
開発者への影響	レイアウト問題の解決	コード簡略化	ペン識別の精度向上

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Promise.tryについて

Promise.tryとはJavaScriptにおけるPromiseの新しいメソッドのことを指しており、主な特徴として以下のような点が挙げられる。

同期・非同期関数を統一的に扱える
エラーハンドリングを簡素化
不必要な非同期処理を回避

Promise.tryを使用すると、関数fが非同期でPromiseを返す場合もそうでない場合も同じように扱うことが可能。これにより同期例外フローと非同期例外フローを、別々に処理する必要がなくなります。結果として「.catch」ハンドラで全てのエラーをキャッチするPromiseチェーンを開始でき、コードの可読性と保守性が向上します。

trends編集部「K」の一言

Chrome 128で導入された新機能は、開発者の生産性向上に大きく貢献する可能性がある。特に改行可能なruby要素は東アジア言語のWebコンテンツの品質を向上させ、グローバルなウェブ体験の向上につながるだろう。一方で、この機能の適切な使用方法やベストプラクティスの普及には時間がかかる可能性があり、開発者コミュニティでの知識共有が重要になると考えられる。

Promise.tryの導入は、非同期プログラミングの簡素化という点で画期的だ。しかし、既存のコードベースとの互換性やほかのブラウザで実装する場合、開発者がこの新機能を全面的に採用するまでには時間がかかる可能性がある。ブラウザ間の標準化と開発者向けの充実したドキュメンテーションの提供が、この機能の普及を加速させる鍵となるだろう。

PointerEventの拡張はマルチペンデバイスの普及に伴い、より洗練されたデジタル描画アプリケーションの開発を促進する可能性がある。今後はこの機能を活用した新しいユーザーインターフェースデザインや、教育・デザイン分野での革新的なアプリケーションの登場が期待される。