モビルス株式会社は、株式会社横浜銀行がローンに関する証明書の発行申請を電話で自動受付するサービスを新設し、「MOBI VOICE(モビボイス®)」のAIエージェント型ボイスボットを導入したことを発表しました。
MOBI VOICE導入前に横浜銀行が抱えていた証明書発行業務の課題
2023年4月に公表された国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、生産年齢人口は1995年の8,726万人をピークに減少へ転じ、2020年には7,509万人まで減少しました。さらに2050年には5,540万人まで減少すると見込まれており、企業の労働力不足は長期的に深刻化すると予測されています。
金融機関のコンタクトセンターでは、こうした人材不足に加え、正確かつ丁寧な応対に加え、金融業務の専門知識や厳格なコンプライアンス対応が求められます。そのため、採用後の育成にも多大な時間と負荷がかかります。横浜銀行においても、住宅ローン年末残高証明書などの証明書発行業務における効率化が急がれていました。
年末調整や確定申告で使用される住宅ローン年末残高証明書は年末に再発行の依頼が集中し、ピーク時にはオペレーターの対応が追いつかず、電話がつながらない「あふれ呼」が発生していた状況です。
郵送による事務手続きも大きな負担でした。証明書によっては、顧客から発行依頼書を受理する必要があり、銀行と顧客の間で書類を往来させる工程が顧客の手間と待ち時間を増大させていました。同時に、郵送手続きを担う行員の業務負荷を高める要因ともなっていたのです。
AIエージェント型ボイスボット導入で実現した自動受付の仕組み
横浜銀行は、「MOBI VOICE(モビボイス®)」のAIエージェント型ボイスボットを活用し、ローンに関する証明書の発行申請を対象とした電話自動応答サービスの窓口を新設しました。同ボイスボットは、生成AIを活用したワークフロー型のAIエージェントであり、顧客が支店名を言い間違えたり曖昧な発話表現をしたりしても、会話の文脈を理解して正しい情報を推測・確認します。
従来のような固定的な自動応答とは異なり、顧客の依頼の意図をくみ取って用件を深掘り・特定し、より人に近い応対を実現しています。現在は住宅ローン年末残高証明書や返済予定表、融資取引明細表、借入金利息証明書、残高証明書、完済証明書の6つについて、自動で発行受付を行っています。従来オペレーターが担っていた受付業務がAIエージェント型ボイスボットで完結できるようになり、折り返し電話や書類のやり取りが大幅に削減されました。
MOBI VOICEの導入で得られた主な成果
導入による主な成果には以下があります。
- 電話受付の約9割が折り返し不要で完結し、4カ月間で約65時間・年間約175時間の削減を見込めます
- 口頭受付による運用構築で証明書発行までの期間を最短当日に短縮しました
- 郵送・封入・発送作業が4カ月で約90時間・年間約270時間削減される見通しです
電話応対と郵送作業を合計すると、年間約445時間の業務削減が見込まれています。AIエージェント型ボイスボットが、精度高く支店名や住所を修正し、存在しない支店名を顧客が回答した際には正しい支店の候補を提示するため、担当者の修正作業も軽減されました。
繁忙期に電話が鳴り続ける状態が解消されたことで、オペレーターの心理的負荷の軽減にもつながっています。
事務サービス部 融資・外為G 福島氏は、導入の効果についてこう述べています。生成AIによる対話の柔軟性は非常に高く、顧客が登録にない支店名を発話した際に自動で補正するなど、必要な情報が明確に文字化されるため、後続の事務作業が非常にスムーズになったとのことです。また、モビルスの担当者については、単なるシステム導入にとどまらず、高齢の方にも寄り添うような温かみのある応対設定など、現場のニーズに即した微調整を行うサポート体制も心強いと評価しています。
「MOBI VOICE」AIエージェント型ボイスボットと今後の展望の概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 提供元 | モビルス株式会社 |
| サービス名 | 「MOBI VOICE(モビボイス®)」のAIエージェント型ボイスボット |
| カテゴリ | コンタクトセンター向けCXソリューション |
| 主な成果(横浜銀行) | 一部証明書の電話受付の約9割が自動完結・年間約445時間の業務削減見込み |
| 発送期間の短縮 | 数日から1週間程度→最短当日 |
| 連携サービス | オペレーション支援AI「MooA®(ムーア)」 |
| 導入実績 | モビシリーズ500社以上 |
| 今後の計画 | FAQ・データベース連携、高齢者対応強化、全自動事務処理の仕組み構築を目指す |
| 開発元所在地 | 東京都品川区東五反田2丁目22番9号 住友不動産大崎ツインビル西館9階 |
| 上場市場 | 東京証券取引所 グロース市場 |
| 設立 | 2011年9月 |
| 横浜銀行創立 | 1920年12月 |
trends編集部の一言
年間約445時間という削減数字は、担当業務の作業時間を年換算で大幅に圧縮する規模です。コンタクトセンターの現場において、コール対応の記録整理や折り返し管理の負荷が高まりやすいという声は業界横断で聞かれており、「電話一本で手続きが完結する」体制の構築がいかに現場の心理的負荷を下げるかは、業界全体の課題として共有されてきたテーマです。
業界全体としても、コンタクトセンターの自動化はコスト削減の文脈で語られがちですが、今回の事例はオペレーターの働き方改善と顧客体験向上を同時に達成している点が注目されます。マーケティング業界やカスタマーサクセスの領域においても、問い合わせ対応の自動化における「AIと人の役割分担の線引き」は共通の議論となっています。「約9割が折り返し不要で完結」という数値は、定型業務をAIが担い、例外対応のみを人間が引き継ぐハイブリッド運用の成熟度を示す事例として、業界内でも注目されます。
References
- ^ PR TIMES. 「横浜銀行が「MOBI VOICE(モビボイス®)」のAIエージェント型ボイスボット導入 一部証明書発行申請では約9割の自動受付完了を実現、年間約445時間の業務削減を見込む | モビルス株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000350.000031387.html, (参照 26-05-23).
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