Gcomホールディングス株式会社が提供する自治体向けEBPMツール「Acrocity×BI」と、シフトプラス株式会社の生成AIプラットフォーム「自治体AI zevo」の連携機能が、正式に提供開始されました。
「Acrocity×BI」と「自治体AI zevo」が対応するEBPM推進の現場課題
地方自治体では、EBPM(Evidence-Based Policy Making)の推進が求められています。一方で、ロジックツリーやロジックモデルの作成には一定のスキルと時間を要します。担当者ごとの経験差によって、検討の質にばらつきが生じやすいという課題も指摘されてきました。
生成AIの活用に関心はあるものの、情報セキュリティやガバナンス面の懸念から導入判断が難航しています。「Acrocity×BI」はこうしたEBPM推進の現場課題に対応するツールとして提供されてきました。「自治体AI zevo」はLGWAN環境等を前提に、自治体が業務で生成AIを利用するためのプラットフォームとして提供されてきました。今回の連携機能の正式提供により、両者を実務レベルで接続できる状態となりました。
「Acrocity×BI」と「自治体AI zevo」の連携機能の概要と想定される効果
本連携機能では、「Acrocity×BI」での政策課題整理やロジック構築の過程で、「自治体AI zevo」を通じた生成AIによる補助的なアウトプット生成を利用できます。生成AIが政策判断そのものを行うのではなく、職員の検討作業を支援するための機能として位置づけられています。
想定される効果は、以下の通りです。
- ロジックツリー・KPI設計・ロジックモデル検討の初期段階の効率化
- 職員の経験や習熟度に依存しにくい検討プロセスの実現
- AI出力を「たたき台」として用い、最終判断は職員が行う運用の定着
利用にあたっては、「Acrocity×BI」側で自治体ごとに設定・調整作業が必要です。zevo側の設定操作のみで即時に利用開始できるものではありません。
利用を希望する自治体は、Gcomホールディングス株式会社の担当営業に連絡することによって、連携可否や必要な設定作業、スケジュール・費用等の案内を受けられます。
プラットフォームとしての「自治体AI zevo」
今回の連携機能提供は、「自治体AI zevo」が特定用途に閉じた生成AIツールではなく、他社サービスとも接続可能な生成AIプラットフォームとして稼働していることを示す事例でした。EBPM支援ツールや業務支援システム、庁内向けDXサービスなど、複数の自治体向けサービスが「自治体AI zevo」を介して生成AIを利用できる構成を想定しています。
自治体は、各システムごとに生成AIを個別導入・管理する負担を抑えつつ、複数サービスで共通の生成AI基盤を利用することが可能です。シフトプラス株式会社は、EBPM以外の人事や庶務、議会・問い合わせ対応等の領域においても、他社サービスとの連携拡大を進めています。
「Acrocity×BI」と「自治体AI zevo」の連携仕様一覧
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 提供開始日 | 2026年5月11日 |
| 連携ツール | 「Acrocity×BI」(Gcomホールディングス株式会社)と「自治体AI zevo」(シフトプラス株式会社) |
| サービス区分 | 自治体向けEBPMツール・生成AIプラットフォーム |
| 連携の目的 | EBPMの検討プロセスと生成AI支援機能の実務レベルでの接続 |
| 実証自治体 | 宮崎県都城市 |
| 利用開始の条件 | 「Acrocity×BI」側での自治体ごとの設定・調整作業が必要 |
| 提供元 | Gcomホールディングス株式会社(Acrocity×BI)、シフトプラス株式会社(自治体AI zevo) |
trends編集部の一言
宮崎県都城市での実証を経て実運用環境へ移行した点は、概念実証にとどまらず実際の行政業務で検証された事例として注目されました。自治体DXの文脈では、PoC止まりのまま本格導入に至らないケースが業界横断で多く観察されてきました。今回の事例は、その壁を越えた一例と言えるでしょう。
マーケティング領域でも、施策立案時のロジック整理には一定の工数が発生しやすい傾向があります。「たたき台をAIが生成し、最終判断は人が行う」という運用モデルは、行政に限らず意思決定の質を担保しながらAIを段階的に導入するアプローチです。業界全体の動向としても、このモデルへの関心は着実に高まってきました。
References
- ^ PR TIMES. 「自治体向けEBPMツール「Acrocity×BI」と生成AIプラットフォーム「自治体AI zevo」の連携機能の提供を開始 | シフトプラス株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000201.000056138.html, (参照 26-05-23).
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