株式会社エコネコルは、株式会社アーステクニカが開発したシュレッダー設備の「自動投入制御システム」の開発・実証に協力し、エコネコルの工場への本格導入を開始しました。
エコネコルのリサイクル工場が抱える属人化と人手不足の課題
リサイクル工場に持ち込まれる廃棄物は、形状・材質・硬さなどが多種多様であり、一つとして、同じ状態のものはありません。シュレッダー設備への投入工程では、複数の画面や計測機器を同時に監視しながら、対象物の特性に合わせて投入量や機械の回転数を瞬時に判断し、絶え間なく細かな操作を続ける熟練オペレーターの「眼と感覚」が不可欠でした。
常に高い集中力を維持し続ける必要があるため、心身ともに大きな負担がかかります。オペレーターごとの経験の差や習熟度の違いによって、処理量にばらつきが生じやすく、業界全体における「人手不足」と「属人化の解消」、「働きやすい職場環境の整備」が急務となっていました。
自動投入制御システムの導入でエコネコルが実現した3つの成果
エコネコルで活躍する熟練オペレーターの操作データや判断基準をモデル化し、AIに学習させた本システムの導入により、以下の3点の成果を確認しています。
- 処理量の安定化と属人化の解消
- オペレーターの精神的・肉体的負担の軽減
- 限られた人員による安定的な工場稼働の実現
「処理量の安定化」については、オペレーターの経験に依存せず、常に最適な投入を自動で行うことで、誰が稼働させても熟練オペレーターと同等以上の安定した生産量を実現します。機械に任せられる部分が増えた分、オペレーターはより付加価値の高い業務への注力が可能となりました。
経験年数10年以上の担当オペレーターは、導入の効果について、こう語っています。「精神的・肉体的な負担が大きく軽減された『人への優しさ』を備えたシステムであり、働きやすさが大きく向上したと実感しています」。現場での環境に合わせた調整やAIへの画像学習を重ねた結果、熟練の手動運転と同等以上の安定した生産量を達成したとのことです。
自動投入制御システムによる自動化の段階的拡張とスマート工場への展望
エコネコルに搬入される廃棄物は大きく3つの種別に分類されます。現在は、自動車由来のスクラップにおける自動運転に成功しており、すでに2つ目の種別における自動化に向けた取り組みを進めている状況です。
将来的には、クレーンによる投入作業や後工程の自動化、夜間の無人運転、さらには遠隔操作の実現も視野に入れています。アーステクニカとともに、次世代型の安全でスマートなリサイクル工場の構築を推進し、資源循環業界全体の人手不足解消とリサイクル品質の安定化に貢献していく方針です。
自動投入制御システムおよびエコネコルの会社概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社エコネコル(英名:ECONECOL Inc.) |
| 所在地 | 静岡県富士宮市山宮3507番地の19 |
| 代表者 | 代表取締役社長 佐野文勝氏 |
| 設立 | 1978年7月 |
| 資本金 | 4億3,500万円 |
| 株主 | 株式会社エンビプロ・ホールディングス 100% |
| 事業内容 | リサイクル事業(鉄・非鉄金属ほか)、片付け・解体事業、もったいないBOX事業 |
| システム開発元 | 株式会社アーステクニカ(代表取締役社長:西昌彦氏) |
| システム名称 | 自動投入制御システム |
| 導入状況 | 自動車由来スクラップでの自動運転に成功・2つ目の種別で自動化を推進中 |
| 展示会 | 2026NEW環境展(2026年5月20日(水)~5月22日(金) 10:00~17:00、最終日は16:00まで) |
| 展示会場 | 東京ビッグサイト 東3ホール A358(アーステクニカブース) |
trends編集部の一言
経験年数10年以上のオペレーターが担ってきた「眼と感覚」をAIでモデル化し、誰が稼働させても同等以上の生産量を実現した点は、製造・リサイクル業界以外から見てもインパクトのある取り組みです。マーケティング業界の文脈に置き換えると、特定の担当者だけが持つ「勘と経験」に依存した業務フローは業界横断で広く見られるテーマであり、その属人化の解消が課題となるケースは少なくありません。
業界全体としては、熟練技能のデジタル化とAI学習を組み合わせて現場の「知」を資産化するアプローチは、今後の製造業や物流、環境系産業でさらに広がっていくのではないでしょうか。3つの種別のうち2つ目の自動化にすでに着手しているという段階的な展開スタイルは、資源循環業界における現実的な導入モデルとして注目される動向です。
References
- ^ PR TIMES. 「リサイクル業界の人手不足解消へ。エコネコルの熟練技をAI化し、アーステクニカと共創した自動投入システムを導入 | 株式会社エンビプロ・ホールディングスのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000036.000136898.html, (参照 26-05-21).
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