日本通運株式会社は、物流Webアプリ「DCX(デジタル・コマース・トランスフォーメーション)」のデータ分析オプションサービス「Business Insight」において、AIを活用した出荷予測機能の強化を発表しました。
AI出荷予測機能の強化で意思決定スピードが向上
近年、サプライチェーンの複雑化が進む中、販売機会の損失を防ぎながら適正在庫を維持するため、精度の高い出荷予測の重要性が高まっています。日本通運は倉庫内で蓄積されたオペレーションデータを基に、入出荷履歴や在庫明細をリアルタイムに確認できる物流Webアプリ「DCX」を提供してきました。
「Business Insight」ではAIを活用した出荷予測サービスを展開してきましたが、変化の激しい市場環境に対応するため、今回、算出スピードと処理能力を大幅に向上させる機能強化を実施しました。今回の刷新により、多品目を取り扱う企業でも主要製品群の予測を短時間に得られるよう機能が拡張されています。
3つの新機能強化で在庫最適化を多面的に支援
今回の機能強化において特に注目されるのが、10段階の予測値選択と実績比較の機能です。AIによる予測では統計的な確率に基づき10段階の予測結果を算出でき、欠品リスクを最小化したいか過剰在庫を抑えたいかといった商品ごとの戦略に応じて、最適な予測値を柔軟に選択できます。実際の出荷実績との照合も可能なため、PDCAサイクルを回しながら継続的に予測精度を高められます。
主な機能強化のポイントは次の3点です。
- 予測算出時間を1~2時間程度から約5分へ短縮
- 複数アイテムの一括予測処理に対応
- 10段階の予測値選択と出荷実績との照合機能
「Business Insight」のAI出荷予測は、エリア別出荷分析や滞留在庫分析、同時注文の明細分析といった各種分析メニューと組み合わせることで、セールや価格変更が必要な対象品の特定やECのクロスセル、得意先向け提案に活用できます。
「Business Insight」機能強化概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 提供企業 | 日本通運株式会社(NIPPON EXPRESSホールディングス株式会社グループ) |
| 対象サービス | 物流Webアプリ「DCX(デジタル・コマース・トランスフォーメーション)」データ分析オプションサービス「Business Insight」 |
| 強化内容 | AIを活用した出荷予測機能の刷新 |
| 算出時間 | 1アイテムあたり1~2時間程度→約5分へ短縮 |
| 予測期間 | 日別・週別・月別で最大半年先まで算出可能 |
| 予測段階 | 統計的確率に基づく10段階の予測値選択 |
| 分析メニュー連携 | エリア別出荷分析・滞留在庫分析・同時注文の明細分析 |
| グループ規模 | 世界57の国と地域・約78,000人の従業員を有するグローバルロジスティクスカンパニー |
| 創立 | 1937年 |
trends編集部の一言
1アイテムあたり1~2時間程度を要していた予測算出が約5分に短縮されるというインパクトは、在庫管理業務の現場感覚からすると相当に大きな変化です。自分自身も物流関連のコンテンツ制作に関わる中で、在庫の意思決定が「データはあるが使いこなせていない」状態に陥りやすいという声をよく聞いており、スピードと一括処理の両立が現場のPDCAを実際に回せるかどうかの分水嶺になると感じました。
10段階の予測値選択という設計は、「欠品リスクを最小化したい商品」と「過剰在庫を抑えたい商品」を同一ツール内で使い分けられる点で、多品目を扱う企業にとって実務的な選択肢として検討する材料になるのではないでしょうか。エリア別出荷分析や滞留在庫分析との組み合わせで、より具体的なマーケティング施策や販売戦略に活用できる構成となっています。
References
- ^ PR TIMES. 「日本通運、物流Webアプリ「DCX」のAI出荷予測機能を強化 | NIPPON EXPRESSホールディングス株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000139.000136897.html, (参照 26-05-15).
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