Operaは2024年6月10日、モバイルブラウザ「Opera for Android」の最新ベータ版となるバージョン83をリリースした。この更新でAriaを使った画像生成機能がAndroidでも利用可能になった。PCブラウザ版ではすでにAIフィーチャードロップス制度の下で開発者向けに提供されていたが、モバイル版への展開により、いつでもどこでも簡単に画像生成を楽しめるようになった。^[1]

Ariaによる画像生成はGoogleのImagen2モデルをベースにしており、ユーザーがチャット上で入力したプロンプトに応じて多彩な画像を即座に生み出す。美しい風景や資料用の図解、宇宙飛行士の犬など、言葉を視覚的に表現したいあらゆるシーンで活用できるだろう。

生成された画像はワンタップでクリップボードにコピーしたり端末に保存可能だ。さらに、そのまま壁紙に設定する機能も用意されている。創造力を刺激する画像をその場で手に入れ、カスタマイズに活かせる点は魅力的と言えるだろう。

PCとモバイルの垣根を越えた先進のAI体験をOpera独自の機能として提供

OperaはPC向け開発者ストリームでのAIフィーチャードロップスに続き、今回のモバイル版リリースによってプラットフォームの垣根を越えた先進のAI体験を提供開始した。同社は一貫してカッティングエッジなAI機能の実装に注力しており、ユーザーの創造性を広げるイノベーションを追求している。

一方で、Androidアプリ版の画像生成は他社に先行されている面もある。GoogleのAI搭載キーボードアプリGboardやSnapchatなどでは、すでにオンデマンドの画像生成が可能だ。Operaとしては、ブラウザという汎用性の高いアプリにAI機能を組み込むことで差別化を図る狙いがあるようだ。

PC・モバイルシームレスなAI活用はまだ黎明期にあり、Operaの取り組みは先駆的と言える。AIアシスタントを起点とした多様なユースケースの開拓は、ブラウザの新たな可能性を示唆している。今後のアップデートにも注目したい。

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trends編集部「K」の一言

Operaのモバイルブラウザ版でのAI画像生成機能実装は、ユーザーの創造性を解き放つ大きな一歩だと言えるだろう。スマートフォンでのカジュアルな画像生成ニーズは高まっており、アプリを切り替えることなくブラウザ上で直接操作できる利便性は大きな武器になる。手軽にイメージを具現化し、コミュニケーションを豊かにする新しいユーザー体験の幕開けと言えるかもしれない。

一方で、AIによる画像生成の倫理的な課題も無視できない。著作権や肖像権との関係、悪用防止など、技術の発展に伴って生じる懸念への対処は避けて通れない。Operaには、利用規約やフィルタリング、啓発活動など多角的なアプローチでリスクに備えていくことが求められるだろう。ユーザーを守りつつイノベーションを推進する姿勢が問われる。

Operaの一連の施策は、ブラウザというプラットフォームの可能性を大きく広げるものだ。AIを入り口に、情報検索やコミュニケーション、コンテンツ創作など様々な領域との融合が期待できる。PCとモバイルのシームレスな連携は、ユーザーのブラウザ体験を根本から変える力を秘めているのかもしれない。

AIの民主化が加速する中、Operaの実験的な取り組みから目が離せない。技術の恩恵を安全かつ創造的に活用する道筋を、同社がどのように切り拓いていくのか。ブラウザの未来を占う意味でも、進化の行方を見守りたいところだ。