Visual Studio Codeの最新版1.86が2024年1月にリリースされた。このバージョンでは個々のウィンドウでズームレベルを調整できる「Per-window zoom levels」や音声コマンド「Hey Code」によるチャットセッションの開始機能など、多くの新機能が導入されている。^[1]

また、ソースコードの変更点を複数ファイルにわたって迅速に確認できる「Multi-file diff editor」、依存関係に基づいて自動的に有効化されるブレークポイント「Triggered breakpoints」、Markdown文書のリッチペーストオプションなど、開発プロセスを効率化する機能も拡張された。

GitHub Copilotの更新により、AIによるコード補完や問題修正の精度が向上し、開発者の作業をさらにサポートする。このリリースでは、用可能な拡張機能や設定のカスタマイズ性も強化され、ユーザーのニーズにより細かく応える形での機能提供が可能になった。

アクセシビリティに関する改善も注目される点で、スクリーンリーダーや点字ディスプレイユーザー向けにより多くのアラート設定オプションが提供されるようになった為、より多くのユーザーがVisual Studio Codeを快適に使用できるようになるだろう。

新しい「Workbench」機能では、アプリケーションの再起動時に以前開いていたフローティングウィンドウが復元されるようになり、ユーザーが作業環境を効率的に管理できるようになった。

自動保存オプションが強化され、特定のファイルタイプやエラーがない場合のみ自動保存を行う設定が可能になるなど、ファイル管理の柔軟性も向上している。

また、エクステンションに関する通知の管理がより細かく行えるようになり、不要な通知を個別に無効化できる機能が追加された。

統合ターミナルやデバッグ機能においてもユーザビリティの向上が図られ、新たなコマンドや設定オプションが追加されている。

PythonやGitHub Pull Requests and Issuesの拡張機能に関するアップデートも行われ、開発者がより便利に利用できるようになっており、さまざまな言語やプラットフォームでの開発がさらに快適になるだろう。

trends編集部「K」の一言

Visual Studio Code 1.86における新機能や改善点は開発者の生産性向上に大きく貢献するが、これらの新機能の多様性と複雑性は新規ユーザーや非技術者にとっては、学習コストの増加を意味する可能性がある。特に拡張機能の管理や設定のカスタマイズに関しては、より直感的なインターフェースやガイダンスの提供が求められるだろう。

今後のアップデートでは開発プロセスのさらなる効率化を目指す新機能が期待されるが、同時にユーザビリティとアクセシビリティの向上にも注目してほしい。例えばエディタ内でのコードナビゲーションを支援する視覚的ツール、コード理解を助けるインタラクティブなチュートリアルの充実が考えられる。

また、リモートワークや分散型開発チームの増加を考慮し、クラウドベースでの開発環境構築やコラボレーションを支援する機能の拡充も期待される。これにより開発者が地理的な制約にとらわれることなく、効率的に共同作業を行えるようになることを期待したい。

Visual Studio Codeの将来的な発展においては、AIによるコード生成や問題解決のサポート機能の強化も期待される。開発者がより高度な問題に集中できるようになり、ソフトウェア開発の質と速度がさらに向上するだろう。