AWSが、Amazon EC2のR8iとR8i-flexインスタンスを欧州の2リージョン(ストックホルム、チューリッヒ)へ追加投入しました。欧州でこれらのリージョンを利用する開発者や企業に対して、選べるインスタンスの選択肢が広がります。
3行まとめ
- 何が発表されたか:Amazon EC2のR8iとR8i-flexが欧州(ストックホルム、チューリッヒ)で利用可能に
- 仕組み・主な変化:AWSだけで使えるカスタムIntel Xeon 6プロセッサ搭載、前世代Intelベース比でメモリ帯域2.5倍とAWSは説明
- 利用者への意味:AWSは、計算資源を使い切らない用途にR8i-flex(large〜16xlarge)、最大サイズや高CPU使用が続く用途にR8i(13サイズ)を位置づけ
欧州2リージョンでR8iとR8i-flexが利用可能に
追加された提供先は、欧州(ストックホルム)と欧州(チューリッヒ)の2リージョンです。AWSは、両リージョンで2026年7月20日からR8iとR8i-flexの利用が可能になったと記しています。
両インスタンスの土台になっているのは、AWSでのみ利用できるカスタムIntel Xeon 6プロセッサです。クラウド上の同等のIntelプロセッサの中で最高の性能と最速のメモリ帯域幅を提供する、というのがAWS自身の説明です。
AWSは、R8i-flexを同社初のメモリ最適化Flexインスタンスと位置づけています。
このセクションの用語
- Flexインスタンス
- AWSはR8i-flexを同社初のメモリ最適化Flexインスタンスと位置づけ、計算資源をすべて使い切らないアプリケーションの最初の選択肢として適していると説明しています。
AWSが示す前世代比・R7i比の性能値
比較の基準は2種類に分かれます。ひとつは前世代のIntelベースインスタンスとの比較で、AWSは最大15%優れた価格性能と2.5倍のメモリ帯域幅を挙げています。
もうひとつがR7iインスタンスとの比較です。全体で20%高い性能を発揮し、特定のワークロードではさらに大きな向上があるとAWSは説明しています。
AWSがR7i比で挙げたワークロード別の数値は次のとおりです。
| ワークロード | R7i比 |
|---|---|
| PostgreSQLデータベース | 最大30%高速 |
| NGINXのWebアプリケーション | 最大60%高速 |
| AIのディープラーニング推薦モデル | 最大40%高速 |
いずれもAWSが自社の説明として示した値であり、独立した第三者による検証結果として提示されたものではありません。価格性能や個別ワークロードの高速化は「最大」という表記ですが、メモリ帯域幅の2.5倍という値に上限の限定はありません。
R8i-flexとR8iの選び分けとサイズ構成
2つの系統は、想定する使い方が異なる点が特徴です。AWSはR8i-flexを、計算資源をすべて使い切らないアプリケーションの最初の選択肢として挙げ、R8iについては最大インスタンスサイズや継続的な高CPU使用を必要とするワークロードに適すると述べています。
サイズ構成の違いは次の表のとおりです。
| インスタンス | サイズ構成 |
|---|---|
| R8i-flex | largeから16xlargeまでの最も一般的なサイズ |
| R8i | 2つのベアメタルサイズと新しい96xlargeを含む13サイズ |
R8i側はSAP認定も取得済みです。AWSは、SAPワークロード向けの性能指標である142,100 aSAPSという値を示し、ミッションクリティカルなSAPワークロードに卓越した性能をもたらすと説明しています。
このセクションの用語
- ベアメタル
- 仮想化層を介さず物理サーバの資源をそのまま利用する提供形態です。
- 96xlarge
- AWSがR8iの13サイズの一部として挙げた、最大規模のアプリケーション向けの新しいサイズです。
利用開始の入口と詳細情報の参照先
AWSが案内している出発点は、AWS Management Consoleへのサインインです。R8iとR8i-flexの詳細情報については、AWS News blogを参照するよう記されています。
今回の提供リージョンや性能値の原文は、発表ページで確認できます。
AWS公式発表はこちらtrends編集部の一言
リージョン追加の告知は地味に見えますが、データの所在地に制約がある案件では、選べる世代がひとつ増えるかどうかが設計の自由度を左右します。今回の発表で目を引くのは、R8i-flexとR8iの役割分担がかなり明確に言語化されている点です。
計算資源を使い切らない用途はlargeから16xlargeのR8i-flex、最大サイズや継続的な高CPU使用が要るならベアメタルと96xlargeを含む13サイズのR8i、という整理は、移行先を検討する際の最初のふるいとして素直に使えます。
一方、最大15%の価格性能改善やR7i比の各種高速化は、いずれもAWS自身が示した値です。前世代Intelベースとの比較なのかR7iとの比較なのかで基準が違う点も含めて、実際の判断は自分のワークロードでの測定に落とし込むのが順当でしょう。
References
- ^ Amazon EC2 R8i and R8i-flex instances are now available in additional regions. https://aws.amazon.com/about-aws/whats-new/2026/07/amazon-ec2-r8i-r8i-flex-instances-in-stockholm-zurich-regions/.
※本記事は上記の一次情報を基に編集しています。誤りや最新情報との差異がある場合はご連絡ください。
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