
【Python】Windows環境でiOSアプリを開発する方法
公開: 更新:WindowsでもPythonを活用したiOSアプリの開発は可能だがビルドは出来ない
WindowsでPythonを使ってiOSアプリを開発する場合、いくつかの制約があります。iOSアプリ開発は基本的にMac環境を前提としており、WindowsではXcodeが使用できません。Xcodeは公式のiOSアプリ開発ツールでMac専用のため、Windows環境では代替手段を検討する必要があります。
WindowsでもPythonで開発できる「Kivy」が存在します。KivyはPythonで書かれたオープンソースのGUIフレームワークで、iOSやAndroid、Windows、Linuxなど複数のプラットフォームに対応していますが、最終的なiOSアプリのビルドには必ずMac環境が必要です。
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Windows環境でiOSアプリを開発する際に必要なPythonの設定・環境構築
WindowsでKivyを使ったiOSアプリの開発環境を構築するには、まずPythonと必要なライブラリをインストールします。Pythonは公式サイトからダウンロードして実行するだけですが、バージョンの互換性に注意が必要です。
pip install kivy
pip install kivy-deps.sdl2
pip install kivy-deps.glew
詳細説明 | |
---|---|
1行目 | Kivyフレームワーク本体をpipコマンドでインストール |
2行目 | KivyのSDL2依存ライブラリをインストール |
3行目 | KivyのGLEW依存ライブラリをインストール |
次に、Kivyプロジェクトの基本構造を作成します。Kivyでは.py
ファイルにプログラムのロジックを、.kv
ファイルにUIデザインを記述する方式が一般的です。
from kivy.app import App
from kivy.uix.button import Button
class SimpleApp(App):
def build(self):
return Button(text='Hello World')
if __name__ == '__main__':
SimpleApp().run()
詳細説明 | |
---|---|
1行目 | Kivyアプリケーションの基本クラスをインポート |
2行目 | Kivyのボタンウィジェットをインポート |
4行目 | Appクラスを継承したSimpleAppクラスを定義 |
5行目 | アプリケーションの画面を構築するbuildメソッドを定義 |
6行目 | Hello Worldと表示するボタンを作成して返す |
8行目 | スクリプト直接実行時の処理 |
9行目 | SimpleAppのインスタンスを作成して実行 |
WindowsからMac環境へ移行する手順
WindowsでPythonを使ってiOSアプリの開発を進めた後、最終的にはMac環境へ移行してビルドを行う必要があるため、開発コードの移行はGitを使用すると効率的です。
git init
git add .
git commit -m "Initial commit"
git remote add origin https://github.com/username/app-repo.git
git push -u origin master
詳細説明 | |
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1行目 | カレントディレクトリをGitリポジトリとして初期化 |
2行目 | すべてのファイルをステージングエリアに追加 |
3行目 | 初回コミットを作成 |
4行目 | リモートリポジトリをoriginという名前で追加 |
5行目 | ローカルのmasterブランチをリモートのoriginにプッシュ |
Mac環境に移行したら、kivy-iosをインストールしてiOSアプリのビルド環境を整えます。ビルドにはXcodeが必要な上に、Pythonモジュールのバージョンが環境間で一致している必要があります。
git clone https://github.com/kivy/kivy-ios
cd kivy-ios
pip install -e .
toolchain build python3 kivy
toolchain create MyApp /path/to/app
詳細説明 | |
---|---|
1行目 | kivy-iosリポジトリをクローン |
2行目 | kivy-iosディレクトリに移動 |
3行目 | 開発モードでkivy-iosをインストール |
4行目 | Python3とKivyをiOS用にビルド |
5行目 | 指定したパスのアプリからMyAppという名前のXcodeプロジェクトを作成 |
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Kivy以外でiOSアプリを開発する代替手段
WindowsでのiOSアプリ開発には、Kivyの他にもいくつかの代替手段があります。例えば、BeeWareフレームワークを使用することによって、PythonでネイティブUIを持つクロスプラットフォームアプリを開発できます。
pip install briefcase
briefcase new
cd myproject
briefcase dev
詳細説明 | |
---|---|
1行目 | BeeWareのコマンドラインツールbriefcaseをインストール |
2行目 | 新規BeeWareプロジェクトを対話形式で作成 |
3行目 | 作成したプロジェクトディレクトリに移動 |
4行目 | 開発モードでアプリを実行 |
また、ReactNativeを使用したアプローチもあります。Expo開発ツールを使えば、WindowsからもiOSアプリの開発が可能です。ExpoではQRコードを使って実機でのテストが行えるため、Macがなくても開発の大部分を進められるでしょう。
npm install -g expo-cli
expo init MyProject
cd MyProject
npm start
詳細説明 | |
---|---|
1行目 | Expoコマンドラインツールをグローバルにインストール |
2行目 | MyProjectという名前の新規Expoプロジェクトを作成 |
3行目 | 作成したプロジェクトディレクトリに移動 |
4行目 | 開発サーバーを起動しアプリのテスト環境を提供 |
また、クラウドサービスを利用する方法も検討できます。MacinCloudやAWS EC2 Macインスタンスなどのサービスを利用すれば、物理的なMac環境がなくてもリモートでMacOSにアクセスしてXcodeを使用できます。
※上記コンテンツの内容やソースコードはAIで確認・デバッグしておりますが、間違いやエラー、脆弱性などがある場合は、コメントよりご報告いただけますと幸いです。
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