データ分析で何ができるのか?実際の事例を用いて解説

データ分析で何ができるのか?実際の事例を用いて解説

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だーだい
フリーランスWebライター兼Web製作者。Webライターとしてガジェットメディアやプログラミングに関する記事を執筆する傍ら、LP制作とWordPressの改修案件もこなしつつ、活動しています。 profile

 



データ分析の主な種類

ユーザーの属性や行動パターンを理解する

WebサイトのアクセスログやSNSの利用データから、ユーザーの年齢層、性別、職業、趣味などの属性データを分析できます。また、サイト内の閲覧履歴やクリック行動ログから、個々のユーザーの興味関心や購買傾向を把握することも可能です。

これらの情報をもとにWebサイトへ訪れている人の傾向を理解し、ユーザーに沿ったサービスの作成や既存コンテンツの改善につなげられます。

需要や売上の予測をする

過去の販売実績データを時系列で表示し、売上のトレンドや季節変動を把握できます。これにより、製品の将来の需要や売上をある程度正確に予測することが可能です。

例えば、自社や競合他社の過去5年分の売上データを入力データとして、次年度のピーク需要期や売上高を予測。この結果に基づき、適切な在庫量や必要な生産計画を立てられます。


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マーケティング施策の効果を計測する

特定のプロモーション前後のデータを比較することで、その施策による費用対効果を明確な数字として測定できます。

例えば、新商品のテレビCM前後の売上データから、CMの影響量を分析することも可能。また、ネット広告のクリック率や認知度調査の結果から、プロモーションの有効性を判断できるのも魅力です。

コスト削減や業務効率化を推進する

店舗の売上データや顧客の行動ログを分析し、効率の低い販売戦略やマーケティング施策を特定できます。

例えば、顧客の購買履歴や店舗ごとの売上トレンドから、特定の商品の売れ行きが悪い時期や理由を見つけ出し、在庫の最適化や販売戦略の改善を図ることができます。

また、顧客の滞在時間や店内の動線分析から、レイアウトの最適化や顧客サービスの改善策を考案することも可能です。これらの改善によってコストを削減し、より効率的な運営を実現できます。

新商品やサービスの開発アイディアを得る

SNS上のトレンド分析や、自社サービスの利用データから消費者需要を推定し、新商品やサービスのアイデアを生み出すことができます。

例えば、既存サービスの利用データから顧客のニーズを抽出し、そこから新サービスの着想を得ることができます。

リスクの早期発見や回避をする

現代では、あらゆる場所から膨大な量のデータが収集されています。これらのデータを分析することで、さまざまなリスクを早期に察知・対処することが可能です。

例えば工場の機械は、故障する前に異常な振動や温度変化といったサインを示します。このセンサーデータを分析することで、故障の初期兆候を発見することが可能です。

早期に問題を発見することで事前に対策を講じ、修理費用や稼働の停止による損失を回避できます。

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データ分析の実例

メルカリ

目的

メルカリの新しい事業「メルワーク」がビジネスにどの程度貢献できるかを明らかにすることです。これを達成するには、ユーザーにどの程度受け入れられているかを把握し、収集したデータをもとにユーザー体験を向上させ、事業への肯定的な影響を確認することが重要です。

分析方法

PMF分析:

製品が市場に適合しているかどうかを評価するプロセスです。製品やサービスが、そのターゲット市場のニーズや要望にどれだけ上手く応えているかを判断することに焦点を当てています。

何をやるのか

ユーザー行動の可視化と分析:

まず、ユーザーの行動経路を時系列で追跡し、彼らがサービスを離れるタイミングや、エンゲージメントが高まる瞬間を特定します。このステップでは、どの段階でユーザーが関心を持ち始め、または失うのかを明らかにします。

ユーザーセグメントの確立と探索的分析:

収集したデータに基づき、ユーザーを異なるグループに分けます。それぞれのグループには独自の特性やニーズがあり、これらを理解するために探索的分析を行います。

アドホック調査による理解深化:

利用者の心理的な受容性や使用目的を明らかにするための調査を行い、彼らの行動の背後にある動機を探ります。この段階で、利用者の思考や感情を理解し、それを基に仮説を形成して検証します。

定性的フィードバックの詳細な分析:

ユーザーからの定性的な意見や感想を詳しく分析し、そこから新たな洞察を抽出します。このプロセスは、ユーザーが何を求め、何に価値を見出しているのかを深く理解する手助けとなります。

インタビューを通じた深い洞察の獲得:

ユーザーが初めてサービスを使用してから習慣化するまでの経験や、心理的な変化を深く掘り下げます。これには、類似サービスとの比較や個別のユーザー体験を詳細に分析する「デプスインタビュー」が含まれます。

このように、初期段階で多くのデータを総合的に分析することで、後の決断を支えるための重要な情報を手に入れることができます。また、このプロセスは新たな問題点の発見や、新しく加わるチームメンバーへの情報共有にも役立ちます。

参考:Mercari Analytics Blog「PMF評価に必要な分析とは?新規事業を加速させるデータアナリストの働き方」[1]

ウーバー

目的

リアルタイムで配車を求めている人と、配送したい人の需要と供給をマッチングするプラットフォームの実現

分析方法

需要予測分析:

過去のデータや市場のトレンドを分析して、将来の製品やサービスの需要を予測するプロセスです。最終的な目的は、より正確な需要の予測を通じて在庫管理の最適化や生産計画の効率化、販売戦略の精度向上などを実現することです。

何をやるのか

ウーバーは高度な需要予測分析を実施しています。この分析では、「いつ、どこで需要が発生し、実際にどれだけのサービスが利用されたか」という情報が基盤となります。

ここに、渋滞状況、気象データ、地域イベントなどの外部情報を組み合わせ、それらの間の関連性を深く掘り下げます。その結果、より正確な需要を予測できるとのことです。
ウーバーの共同創業者であるトラビス・カランニック氏によると、これらの分析によって15分後にどの地域で需要が高まるかを予測し、その情報をドライバーにヒートマップとしてリアルタイムで提供できるとのこと。

このようなアプローチにより、ドライバーの効率が向上し、同時に利用者の待ち時間を短縮し、サービスの全体的な利便性が高まると回答しています。

参考:ZDNET「需要予測分析でタクシー待ちをゼロに--UberのCEOが語る“夢物語”と“現実味”」[2]

TOYOTA

目的

クルマの運転状況に関するデータを分析することで、安心・安全・快適・便利なサービスを提供するコネクティッドサービスの提供

分析方法

匿名化処理:プライバシー保護のためのデータ匿名化
データフィルタリング:関連性の高い情報の抽出
AI技術:データの解析と予測にAIを活用

何をやるのか

車に搭載されている通信機器を通して、位置情報、速度情報、エンジン情報、センサー情報、制御系情報を収集し、地図データの自動更新や緊急通報サービス、盗難追跡サービスとスムースに連動する仕組みの実現。

ほかにも、凍結路の視える化混雑状況を先読みするサービスを実現しています。

参考:Oracle Cloud Days 2021「先進モビリティ・サービス実現のためのデータ収集・管理基盤」[3]

目的によって扱うデータと分析方法が異なる

データ分析の実例でもわかるとおり、ビジネスの課題によって目的とデータ分析に用いる手法が異なります。そのため、データを分析する目的や知りたい結果を明確にすることから始めるのが重要です。

来週の記事では、データ分析をビジネスに活かすための目標を定める方法について詳細に解説するので、関心のある方はぜひチェックしてみてくださいね。

References

  1. ^ Mercari Analytics Blog. 「PMF評価に必要な分析とは?新規事業を加速させるデータアナリストの働き方」. https://note.com/mercari_data/n/nf77067556838, (参照 2023-10-31).
  2. ^ ZDNET. 「需要予測分析でタクシー待ちをゼロに--UberのCEOが語る“夢物語”と“現実味”」. https://japan.zdnet.com/article/35072893/, (参照 2023-10-31).
  3. ^ Oracle Cloud Days 2021. 「先進モビリティ・サービス実現のためのデータ収集・管理基盤」. https://www.oracle.com/jp/a/ocom/docs/cloud-day-on-demand-toyota-motor-form.pdf, (参照 2023-10-31).

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