事業の持続化とDX推進を目指している小規模事業者の方は、小規模事業者持続化補助金を活用することで補助金の対象になる可能性があります。
補助金の審査に通ることで対象の事業を実施したあと、事業費の一部が補助金として支給されるので経費の削減につながるのが特徴です。
この記事では小規模事業者持続化補助金の特徴や利用条件、具体的な利用手順について紹介します。
小規模事業者持続化補助金とは
小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者が販路開拓や経営の改善に取り組む際の経費の一部を補助する制度です。[1]この補助金は地域の雇用や産業を支えるために役立ちます。
小規模事業者に該当する規模感は常時勤務する従業員の数によって決まります。[1]詳細は下記の通りです。
- 商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く):5人以下
- サービス業のうち宿泊業・娯楽業:20人以下
- 製造業その他:20人以下
小規模事業者持続化補助金は通常枠や賃金引上げ枠や卒業枠など用途に応じた枠が設けられているのが特徴。これらの枠に応じて補助対象や補助上限額が異なります。
補助対象となるのは日本国内に所在する小規模事業者や、一定の要件を満たす特定非営利活動法人です。補助金は事業者が提出する具体的な事業計画に基づき、必要な経費の一部をカバーする形で交付されます。
このように小規模事業者持続化補助金は、地域経済の持続的発展を支援するための重要な制度です。
小規模事業者持続化補助金の内容とDX推進への該当性
小規模事業者持続化補助金の採用枠には、DX推進に該当する可能性のある事業も含まれています。補助金の内容とDXへの適性を下記にまとめました。
通常枠 |
・概要: 小規模事業者が持続的な経営を目指して行う販路開拓や業務効率化の取り組みを支援。 ・補助対象: 機械装置等費・広報費・Webサイト関連費・展示会等出展費など。 ・DX推進への適用: DXに必要なシステムの構築や導入費用が補助対象になる可能性がある。 |
---|---|
賃金引上げ枠 |
・概要: 賃金引上げを行い、従業員に成長の果実を分配する小規模事業者を支援。 ・補助対象: 賃金引上げに伴うコスト。 ・DX推進への適用: 賃金引上げと関連する効率化のためのDXが補助対象になる可能性がある。 |
卒業枠 |
・概要: 従業員を増やして小規模事業者からの卒業を目指し、事業規模を拡大する事業者を支援。 ・補助対象: 事業規模拡大に必要な経費。 ・DX推進への適用: 従業員の増加による補助金の必要性がメインなのでDXで活用できる可能性は低い。 |
後継者支援枠 |
・概要: 事業承継を行う後継者候補が新たな取り組みを行う場合の支援。アトツギ甲子園[2]ファイナリストか準ファイナリストになった実績が必要 ・補助対象: 事業承継に必要な経費。 ・DX推進への適用: アトツギ甲子園への出場やDX推進に活用できる可能性の不透明性から、DX推進として活用するのにはおすすめできない。 |
創業枠 |
・概要: 新たに創業する事業者を支援。 ・補助対象: 創業に必要な経費。 ・DX推進への適用: DXは業務プロセスや企業の仕組みを改革することであり、創業で活用できる可能性は低い。 |
各枠の補助対象を見る限り、DX推進の一部としてシステムを導入する際の費用は補助金の対象になる可能性があります。しかしDX人材研修に関しては該当する対象が見つからないため、利用できる可能性は低いと言えるでしょう。
小規模事業者持続化補助金の利用条件
小規模事業者持続化補助金の利用条件には、共通要件として以下の内容が含まれます。
- 事業の定義と適合性: 事業は「持続化補助金の指針」に定められた「事業再構築」の定義に合致していなければなりません。これは事業の根本的な見直しや新しいビジネスモデルへの転換を含みます。
- 事業計画の策定: 事業計画書を作成し、金融機関や認定された経営革新支援機関の協力を得てこれを策定します。
- 成長目標の達成: 補助事業が終了した後の3年から5年の間に、事業の付加価値額または従業員一人当たりの付加価値額の年平均成長率を3.0%から5.0%(事業の種類によって異なります)以上に増加させることが求められます。
小規模事業者持続化補助金の具体的な手順
小規模事業者持続化補助金の利用手順は以下の通りです。
申請は専用の電子申請システムのみ
小規模事業者持続化補助金の申請は、補助金の電子申請システム「JGrants」を利用します。JGrantsを利用するには、GビズIDプライムアカウントの取得が必要です。
GビズIDプライムアカウントを持っていない方は事前に登録を完了させてください。このアカウントは補助金の採択後の手続きにも使用されます。
小規模事業者持続化補助金でもらえる補助額
小規模事業者持続化補助金の補助額は事業の類型によって異なります。通常枠や賃金引上げ枠、卒業枠など、それぞれの要件に応じて設定されています。
類型 | 補助上限額 | 補助率 |
---|---|---|
通常枠 | 50万円 | 2/3 |
賃金引上げ枠 | 200万円 | 2/3(赤字事業者は3/4) |
卒業枠 | 200万円 | 2/3 |
後継者支援枠 | 200万円 | 2/3 |
創業枠 | 200万円 | 2/3 |
補助額と補助率に関しては、事業者の種類や事業の規模に応じて異なる補助率が適用されます。
小規模事業者持続化補助金の問い合わせ先
小規模事業者持続化補助金の問い合わせ先は、各自治体の商工会議所を利用して下さい。たとえば、東京23区の場合は東京商工会議所[3]が小規模事業者持続化補助金の対応や事業支援計画書(様式4)を発行しています。
References
- ^ 小規模事業者持続化補助金. 「 第16回公募公募要領」. https://s23.jizokukahojokin.info/doc/s23_koubo16_13.pdf, (参照 2024-05-20).
- ^ アトツギ甲子園. https://atotsugi-koshien.go.jp/, (参照 2024-05-20).
- ^ 東京商工会議所. 「売上アップや広告等に補助金を活用したい」. https://www.tokyo-cci.or.jp/jizokuka/, (参照 2024-05-20).
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