株式会社電通総研は2026年7月7日(火)より、自治体向け申請管理システム「minnect(ミネクト)申請管理」の最新バージョンVer3.5の提供を開始しました。
minnect申請管理の開発背景となった自治体審査業務の課題
デジタル庁が推進する「地方公共団体の基幹業務システムの統一・標準化」によって、地方公共団体では各種手続きのオンライン化が進んでいます。その一方で、申請内容を審査・承認するバックオフィス業務の肥大化が新たな課題として顕在化してきました。
従来の自動審査システムは、住民基本台帳などの基幹システムに登録されたデータとの突合を主としていました。「住民以外の申請(法人や域外通勤者等)」や「添付書類(証明書等)の目視確認」については、依然として多くの職員によるアナログ作業に依存している状況です。
電通総研は、これらの課題を解決するため、生成AIとローコード開発等の技術を融合し、目視審査を最小化する「minnect申請管理」のVer3.5を開発しました。
minnect申請管理 Ver3.5で強化された4つの主な機能
「minnect(ミネクト)申請管理」Ver3.5における主な機能強化は、以下の通りです。
- 生成AIによる添付書類解析と自動突合審査機能の強化(特許出願中)
- 審査ルールのノーコード設定・内製化による職員主導の運用
- 自治体独自データを比較先に加えた形式審査の対象拡張
- AI-OCR解析結果の二重補正による文字認識精度の向上
添付書類の自動審査では、就労証明書や住民票、健康保険証などのPDFや画像データを生成AIが解析し、必要なテキストデータを抽出します。抽出したデータと申請書への直接入力項目をシステムが自動で突合し、形式審査を完了させる仕組みです。
手続きごとに抽出項目を柔軟に設定できるため、多様な添付書類への対応が可能となっています。
審査ルールの設定においては、ローコード開発プラットフォーム「iPLAss」を全面的に適用しました。従来は開発元のエンジニアへの依頼が必須だった審査ロジックの追加・修正を、自治体職員自身がノーコードで行えるようになっています。また、基幹システムでは管理していない企業・法人向け申請などの簿外データとの自動突合・審査判定も可能となりました。
AI-OCR精度向上と「minnect」シリーズの全体像
紙の申請書をスキャンしたPDFをドラッグ&ドロップで一括アップロードするAI-OCR機能では、解析結果を生成AIが二重で補正する仕組みを新たに導入しました。文字認識精度が大幅に向上し、人間による手動補正の手間を最小限に抑えています。
電通総研が提供する「minnect」シリーズは、自治体DXを総合的に支援するソリューション群です。業務プロセスの可視化と再設計を支援する「minnect AI-BPR」、LGWAN環境で安全に使える生成AI「minnect AIアシスト」、住民データの一元化とCRM機能を提供する「minnect cBase」の3サービスで構成されています。
これらと組み合わせることで、自治体特有のセキュリティ要件を満たしながら、職員の業務効率化と住民の利便性向上を同時に支援します。
minnect(ミネクト)申請管理 Ver3.5の概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 提供元 | 株式会社電通総研 |
| 所在地 | 東京都港区 |
| 代表取締役社長 | 岩本 浩久氏 |
| サービス名 | minnect(ミネクト)申請管理 |
| バージョン | Ver3.5 |
| 提供開始日 | 2026年7月7日(火) |
| 対象 | 自治体(地方公共団体) |
| 主な機能強化数 | 4つ |
| 採用基盤 | iPLAss(アイプラス) |
| 企業ビジョン | HUMANOLOGY for the future~人とテクノロジーで、その先をつくる。~ |
trends編集部の一言
「住民以外の申請」や「添付書類の目視確認」が依然としてアナログ作業に依存していたという実態は、自治体DX推進の議論でよく聞かれる「表側のデジタル化は進んだが裏側が追いついていない」という構図そのものです。行政手続きのオンライン化が加速する中で、受付チャネルのデジタル化は早期に進む一方、審査・確認プロセスが人手に残り続けるという非対称な状況は、自治体に限らず業界横断で共通する課題として語られてきました。
今回の取り組みで注目されるのは、生成AIによる自動化と職員によるノーコード設定を組み合わせた設計です。AIに全て任せるのではなく現場が審査ルールを自ら調整できる余地を残している点は、マーケティング業界の文脈に置き換えると、ツールの自動化範囲と現場の裁量範囲をどう設計するかという問いと重なります。自治体バックオフィスの自動化設計において生成AIとノーコード設定を組み合わせる手法への関心は、業界全体としても高まりつつあると言えます。
References
- ^ PR TIMES. 「電通総研、生成AIとローコード技術の融合により自治体の自動審査を高度化する「minnect(ミネクト)申請管理」の最新バージョンをリリース | 株式会社電通総研のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000467.000043138.html, (参照 26-07-08).
