株式会社フライルは、コンタクトセンター・CX領域のAI変革サービス「Flyle」を活用した株式会社カウネットの事例と成果を発表しました。
カウネットが抱えていた顧客応対とVOC管理の課題
コクヨグループのEコマース事業の中核を担う株式会社カウネットは、「テクノロジーとクリエイティビティで、すべての働く人に価値ある体験を生み出す。」をミッションに掲げています。CX改善においては、お客様の信頼を失う課題を「プロミスブレイク」と定義し、欠品率や遅延率、応答率などの「CX経営指標」を売上・利益と同等の重要指標として管理してきました。
従来、電話・メールフォーム・お問い合わせアンケートなどの年間32万件超のVOCは、手作業に依存していたのが実態です。分類の属人化や優先度の高いVOCへの集中により、細かなお客様の声が改善に活かされにくい状況にありました。加えて、コンタクトセンターの応対品質モニタリングはオペレーター1人あたり月1〜2通話のサンプリングにとどまり、評価のバラつきや育成にも課題が生じていたのが実情です。
2024年12月にコンタクトセンターへ音声テキスト化ツールを導入し、声を漏らさず収集する基盤は整えられました。しかし、年間32万件超のVOC全量を手作業で分析することは現実的ではなく、複数オペレーターによる分類の属人化と応対品質評価のサンプリングの限界が残存していました。こうした課題から、生成AIによる自動分類・可視化が可能なFlyleの導入に至っています。
Flyle導入後に実現した3つのCX改革
Flyleの活用により、カウネットはVOC分析・問い合わせ対応・応対品質評価の各領域で改善を進め、以下の3つのCX改革を実現しました。
- 年間32万件超のVOCをAIで網羅的・客観的に自動分類・可視化する基盤の構築
- 問い合わせ急増時の即日分析・翌日FAQ改善による電話問い合わせを4分の1に削減
- 月間約1万件の全通話AI解析・スコアリングによる全件品質管理体制の確立
従来は、特定事象の調査に1週間がかりとなるケースも、「昨日起こったことが今日可視化できる」スピード感へと変わり、当日中の経営陣報告も可能になっています。
「WEBサイトの商品ページ上でクリアホルダーの角の丸さの判別ができない」といった、これまで埋もれていた細かい声まで拾えるようになりました。Flyleのダッシュボードによる視覚的なレポートにより、他部門への改善優先度の伝達における納得感も高まり、改善施策の連携がスムーズになっています。
Flyleによる急増する問い合わせへの即応と全通話AI評価の詳細
新規顧客急増で1日に電話200件・メールフォーム100件の問い合わせが集中した際、Flyleで即座にデータを分析し、「どの画面のどこでエラーが発生しているか」をピンポイントで特定しました。翌日にFAQとWeb導線を改善した結果、200件以上あった電話が翌日には50件ほどに減少したことが確認されています。
月間約1万件の全通話AI評価においては、通話録音数%のサンプリングから全件品質管理体制へと進化しました。言葉遣い・課題解決スピード・お客様の感情変化を多角的に解析し、「共感表明」「傾聴姿勢」「丁寧さ」といった定性的スキルも客観的にスコアリングしています。新人の模擬応対へのAI即時フィードバックにも活用し、全体の応対品質向上と個別育成の精度向上を同時に実現した形です。
株式会社カウネット CX戦略部の間宮 賢治氏・倉科 裕充氏・薄葉 豊氏は、Flyle導入の効果について次のようにコメントしています。真の目的は単なる業務効率化ではなく、AIが定型分析を担うことでスタッフがお客様の背景を深く汲み取り、心に寄り添うコミュニケーションに専念できることだとしています。
中長期ではVOCデータと財務・行動データを紐づけ、より正確で迅速な対応を実現し、体験価値の向上を継続していく方針です。
株式会社フライルおよびカウネットの概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| サービス名 | Flyle |
| サービスカテゴリ | コンタクトセンター・CXのAI変革サービス |
| 提供会社 | 株式会社フライル / Flyle,Inc. |
| 代表者 | 財部優一氏 |
| 所在地 | 107-0052 東京都港区赤坂一丁目14番15号 第35興和ビル別館 2F |
| 設立 | 2020年2月10日 |
| 資本金 | 100,000,000円 |
| 事例企業 | 株式会社カウネット(コクヨグループ) |
| 事例URL | https://flyle.io/jp/usecases/kaunet |
| サービスURL | https://flyle.io/jp |
| 会社URL | https://corp.flyle.io/ |
trends編集部の一言
月間約1万件・全通話の応対品質をAIで評価する体制へと移行した点は、業種を超えてインパクトがあります。コンタクトセンター運営では「数%のサンプル」に依存した品質管理が長年の慣習であり、全件スコアリングへのシフトが現実的なコストで実現できるとすれば、品質管理の発想そのものが変わるのではないでしょうか。
VOC分析においても、年間32万件超を手作業から生成AIによる自動分類へ切り替えた点は注目されます。マーケティング業界の文脈に置き換えると、「データは集めているが活かせていない」という課題は業界横断で語られてきたテーマです。定型分析をAIに委ねてスタッフが顧客の文脈読み取りに集中できる設計は、CX運用のあり方を再定義する動きとして業界全体の動向としても示唆を含む取り組みと言えます。
References
- ^ PR TIMES. 「カウネットがお客様価値向上のためFlyleを活用し、月間1万件・全通話の応対品質評価・育成をAIで実現。 | 株式会社フライルのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000038.000076399.html, (参照 26-07-07).
