株式会社アイトリガーは2026年6月、マーケティングリソースサービス「AXer」において、生成AIを用いた動画制作フローを拡張しました。
AXerの自社TikTok運用で見えたテキスト頼みの限界
AXユニットは、自社で運営するメディアのTikTok運用の中で、テキストプロンプトだけに頼る制作方法の限界を確認しました。指示文をどれだけ工夫しても、シーンごとの絵が代わり映えせず、動画全体が単調になりがちです。
複数本を続けて制作すると、登場する人物の見た目が回ごとに変わり、シリーズとしての一貫性を保てませんでした。動画は、「1本ごとの作り込み」と「複数本を貫く世界観」の両方がそろって初めて見られる状態です。この課題が崩れると、量をつくっても伝わらず、制作にかけた時間が成果につながりません。
AXユニットは、この課題を解消する制作の進め方を構築・運用で実証したうえで、同じ課題を持つ企業へ広げられると判断しました。
AXerが動画制作を設計ベースへ転換する4つの変化
今回の拡張の中核にある考え方は、動画の質は生成の運任せではなく、事前の設計で決まるというものです。この考え方を制作フローに組み込む形で、以下の4つの変化を取り入れました。
- 3×3のストーリーボードを先に作りシーン単位で映像を生成
- 画像生成で登場人物のモデルを先に作り、各動画のプロンプトに組み込む
- アイキャッチを生成AI(画像生成)で安定して作成
- 画面上の箇所を指定して修正指示を出す部分編集
①のストーリーボードは、各シーンの絵コンテを3×3で並べた設計図です。行き当たりばったりの生成から、意図した画を積み上げる制作へ変わります。
②の登場人物の固定により、複数本にわたっても同じ人物で通せるため、シリーズとしての一貫性を担保できる点が強みです。④の部分編集は、自社のキャラクターを任意の位置に配置でき、全体をつくり直すのではなく狙った部分だけを詰める編集ができます。
これらは単体のSaaSツールとして切り出して提供するものではありません。AXerが提供するリソース(人・ツール・ノウハウ)の一部として、各社の制作フローに組み込む形で展開されます。
AXer 動画制作フロー拡張の概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 提供元 | 株式会社アイトリガー(AiTRIGGER Inc.) |
| サービス名 | AXer(マーケティングリソースサービス) |
| 拡張内容 | 生成AIを用いた動画制作フロー |
| 提供開始 | 同じ課題を持つ企業へ順次提供 |
| 主な変化 | 4つの変化(ストーリーボード設計・人物固定・アイキャッチ生成・部分編集) |
| 提供形態 | 各社の課題に合わせて組み替える可変のリソース提供 |
| 本社 | 東京都新宿区西新宿6-11-3 Dタワー西新宿16階 |
| URL | https://aitrigger.co.jp/ |
trends編集部の一言
「テキスト指示だけでは映像が単調になりやすい」という課題は、生成AIで動画制作に取り組んだことがある現場では共感されやすい指摘です。業界全体としては、生成AIの活用が「とりあえず試す」フェーズから「設計して運用する」フェーズへ移行しつつある時期と重なっており、このアプローチはその流れを象徴する動きと言えます。
マーケティング業界の文脈に置き換えると、広告クリエイティブやSNS投稿の動画制作を外部委託から内製化しようとした際、ツールは揃っても制作フローの設計が追いつかないという状況は業界横断で語られてきたテーマです。人・ツール・ノウハウをセットで提供しフロー自体を組み替えるという提案は、ツール単体の導入に行き詰まる企業がある中で、制作フロー再設計を重視する動きの一例として注目されます。
References
- ^ PR TIMES. 「AXer、生成AIの動画制作フローを拡張。シーンの質と複数動画の一貫性を安定化 | 株式会社アイトリガーのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000041.000035950.html, (参照 26-07-07).
