株式会社アメリア・ネットワークは2027年4月、翻訳学校フェロー・アカデミーにて新コース「リンギストコース」の開講を発表しました。
フェロー・アカデミーが51年の実績をもとにカリキュラムを全面刷新
フェロー・アカデミーは、これまで多くの卒業生を翻訳業界に送り出してきた全日制「カレッジコース」を刷新し、「リンギストコース」として、生まれ変わらせました。1975年の創立から51年の翻訳教育の実績を持つ同校が、業界の現場ニーズに即した新カリキュラムを設計しています。
背景にあるのは、AI翻訳の普及による翻訳業務フローの変化です。翻訳会社で現在もっとも需要が高まっているのは、AIが出力した訳文の誤りを見抜き、クライアントが求める最終品質へと仕上げる「翻訳品質管理」のスキルを持つ人材です。単に翻訳する人材ではなく、テクノロジーを使いこなしながら、品質に責任を持てる「リンギスト」は、業界が切実に必要としている存在となっています。
企業担当者からも支持の声が上がっています。株式会社インターブックスの採用担当者は、AIなどの特徴や強みを正しく理解したうえで確かな言語力と調査力を持ち、自らの判断に根拠を示せる人材は翻訳会社や企業で長く活躍できる専門人材になると述べました。SDLジャパン株式会社のタレント・ファインダーを務める小田氏は、リンギストコースの科目が実際の業務フローに照らし合わせても極めて実践的であり、翻訳支援ツールの操作技術を基礎からしっかり身につけることで業務への適応がスムーズになったと評価しました。
3つの特徴で構成する新カリキュラム
新カリキュラムの特徴は次の3点です。
- 翻訳テクノロジー関連科目の必修化(ポストエディットや生成AI活用も含む)
- 就職直結の3学期制設計(未経験者が1年間で実務専門分野を段階的に習得)
- 通学またはオンラインを選択可能なハイブリッド形式(授業録画のアーカイブ視聴にも対応)
第1学期(4〜7月)では翻訳の基礎を構築し、第2学期(9〜12月)ではITやメディカル、ビジネス法務、金融財務など実務専門分野を習得します。就職活動開始時期までに必修科目の学習を完了させる設計で、第3学期(1〜3月)は出版・映像など発展科目を選択し、キャリアの可能性をさらに広げられます。
フェロー・アカデミー理事長の室田陽子氏は、AIによる翻訳の自動化が進む中、「翻訳する人」ではなく「AI翻訳を評価し活用する人」へのニーズが急速に高まっていると説明しました。同コースを通じてAI時代の多言語コミュニケーションを支える高度な言語専門人材の育成に貢献していくと述べました。
リンギストコース概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| コース名 | リンギストコース(旧:カレッジコース) |
| 運営 | 翻訳学校フェロー・アカデミー(株式会社アメリア・ネットワーク) |
| 所在地 | 東京都千代田区五番町2-13 林五ビル3F |
| 代表者 | 白石大輔 |
| 設立 | 1975年 |
| 開講時期 | 2027年4月1日~2028年3月8日 |
| 対象 | 翻訳業界未経験者(TOEIC750点以上または英検準1級合格以上) |
| 受講形式 | 通学またはオンライン(ハイブリッド形式) |
| 定員 | 30名(通学:12名、オンライン:18名) |
| 受講料 | 1,265,000円(税込) |
| 申込受付開始 | 2026年11月16日(月)正午 |
| 申込締切 | 2027年2月26日 |
| カリキュラム | 3学期制 |
trends編集部の一言
TOEIC750点以上の未経験者が1年間・1,265,000円(税込)で「翻訳品質管理」のスキルを習得できるという設計は、参入コストを具体的に示す数字として注目されます。マーケティング業界の文脈に置き換えると、AIが生成したコピーやローカライズ訳文の品質チェックを誰が担うかという問いは業界横断で顕在化しており、「リンギスト的素養」への需要が翻訳業界にとどまらず広がりつつある動向と重なります。
注目したのは、テクノロジー科目を「選択」ではなく「必修」として、組み込んだ点です。「AIツールを知識として知っている人材」と「実務フローに落とし込んで使いこなせる人材」との間には、現場での即戦力に大きな開きがあります。51年の翻訳教育の実績を持つフェロー・アカデミーが、その差を埋める設計に本格的に踏み込んだ点は、語学力を活かすキャリア形成の選択肢が広がりつつある業界動向としても読み取れるのではないでしょうか。
References
- ^ PR TIMES. 「AI時代に英語力を活かす新職種「リンギスト」養成コース、——創立51年の翻訳の専門校フェロー・アカデミーにて2027年4月開講 | 株式会社アメリア・ネットワークのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000031.000005373.html, (参照 26-07-03).
