株式会社IDEATECHは、株式会社MEDIUMと共同で、法人営業組織の生産性・受注率向上を目指す実証実験を開始しました。
IDEATECHが語る選ばれる軸が商品からコンテンツへ移る背景
生成AIの普及によってプロダクトの模倣可能性が高まり、機能だけで選ばれ続けることは難しくなりつつあります。IDEATECHが実施した調査では、発注先の選定基準として「自社と似た規模の企業の事例」が44.3%で、「機能の明確さ」の40.3%を上回りました。信頼できる営業担当者の行動としては、「有益な情報提供」が41.3%で1位に挙がっています。
こうした変化が示すのは、選ばれる営業組織とそうでない組織を分けるものが、商品力そのものではなく課題解決の手がかりとなる「コンテンツの質」へ移りつつあるということです。同社は、この考え方を独自の営業手法「コンテンツセールス®」として提唱してきました。事例集や調査レポート、ナレッジ、企画書といったコンテンツを最適なタイミングで届けることで、商談を前へ進める取り組みを進めています。
同社は、現在480個のダウンロード資料を蓄積しており、2021年には売上の約9割を役員が担っていた状態から、2023年には平均年齢24.3歳の若手社員が売上の約5割を生み出す組織へと変化しています。一方で、営業成果がトップセールスの勘や経験に依存する「属人化」、生成AIの活用が個人の作業効率化にとどまる現実、商談の定性情報がSFA/CRMに残らない「データのサイロ化」という課題も抱えていました。
STRIXによる「営業データ基盤」構築と一気通貫の支援
本実証実験の中核は、属人化・サイロ化していた商談情報を「営業データ基盤」へと転換することにあります。STRIXを商談に同席させるだけで、商談の定性情報を手入力ゼロで自動的に構造化し、SFA/CRMへ蓄積できる仕組みです。これにより、組織横断で検索・分析できる基盤の構築を目指します。
蓄積されたデータをAIが横断的に分析することによって、単体の商談では見えなかった勝ちパターンや受注の障壁を可視化できる点も特徴です。さらに、分析結果と同社が保有する480のコンテンツ資産を掛け合わせます。
「次に届けるべきコンテンツ」の推薦からお礼メールの下書き生成、次回アクションの提示までを一気通貫で支援する仕組みです。Googleカレンダーと連携して商談へ自動で参加・記録し、商談ジャンルごとに最適化された分析を実行します。
株式会社IDEATECH 専務取締役の競 仁志氏は、「営業の深いアクションはSTRIXで、定量データと顧客管理はPipedriveでという切り分けが明確になり、手触りがあってリアルな営業活動を組織で管理し実行するための基盤が整い始めた感覚があります」と述べました。株式会社MEDIUM 代表の関 翔太郎氏は、「IDEATECHが持つコンテンツの体系とSTRIXが持つ商談ログの構造化・分析能力を掛け合わせれば、分析からコンテンツ推薦、フォローアップ実行までを一気通貫で回せます」とコメントしています。
本実証実験で活用するSTRIXと両社の概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 提供企業 | 株式会社IDEATECH・株式会社MEDIUM |
| 活用ツール | 営業AIエージェント/商談解析ツール「STRIX(ストリクス)」 |
| 主な機能 | 自動録画/文字起こし 商談解析・スコアリング機能 SFA/CRM自動入力機能 ネクストアクション機能 |
| IDEATECH代表者 | 代表取締役社長 石川 友夫氏 |
| IDEATECH設立 | 2010年2月(旧・株式会社ベイニッチ創業)、2021年9月に現社名へ変更 |
| MEDIUM代表者 | 代表 関 翔太郎氏 |
| MEDIUM設立 | 2023年10月 |
trends編集部の一言
発注先の選定基準として「事例」が「機能の明確さ」を上回ったという調査結果は、業種を問わず示唆に富む発見です。マーケティング業界全体としても、機能訴求だけでは差別化しにくくなっている傾向が強まっています。コンテンツの質が選定の決め手になっているという指摘は、業界横断で語られる課題の一つです。
商談の定性情報を手入力ゼロで構造化し、組織の資産として蓄積する仕組みは、多くの営業組織に共通する課題への一つの解と言えます。営業支援業界全体としても、属人化解消とナレッジの資産化を目的とした同様の取り組みが広がりつつあるのではないでしょうか。マーケティング業界の文脈に置き換えると、ナレッジが個人の頭の中に留まり組織として再現できないという課題は、コンテンツ運用やMA運用の現場でも繰り返し語られてきたテーマです。
AIが分析・推薦を担い、人がコンテンツの戦略や関係構築を担うという役割分担も興味深い点です。生産性向上から始まり、データが溜まるほど組織全体の成果が高まっていく好循環の設計は、業界を超えて参照されうる動きと言えます。
References
- ^ PR TIMES. 「IDEATECH、「コンテンツセールス®」手法と営業AIエージェントによる受注率向上の実証実験を開始 | 株式会社IDEATECHのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000670.000045863.html, (参照 26-07-01).
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