株式会社True Dataは2026年7月3日(金)、消費財メーカー向けに「日本市場における価格シミュレーションサービス」の提供開始を発表しました。
「日本市場における価格シミュレーションサービス」提供が求められるインフレ時代の背景
原材料費や物流費の高騰が長期化するなか、消費財メーカーは断続的な価格改定の必要性に迫られています。一方で生活者の「生活防衛意識」はかつてないほど高まっており、根拠のない価格改定は顧客離れや小売店での「棚落ち」リスクに直結しかねません。
こうした状況のなか、「どの商品をどの程度値上げすると、売上・利益がどう変動するのか」を見極められず、勘と経験に頼った意思決定を余儀なくされている企業が多いのが実態です。株式会社True Dataは、6,500万人規模の購買データと、SAS® Viya®を基盤とする予測システムを組み合わせることで、この課題への解決策を開発しました。
日本市場における価格シミュレーションサービスの3つの主な機能
「日本市場における価格シミュレーションサービス」は、値上げの成否を左右する「販売数の維持・拡大」と「競合との価格差」に着目したソリューションです。主な機能は次の3点です。
- 高精度な需要予測シミュレーション:値上げ幅ごとの売上推移を競合価格差を加味して予測
- 競合影響とブランドスイッチの可視化:ID-POSデータで値上げ時の顧客流出先と耐性を分類
- 社内合意と小売商談のスピード化:客観的データ根拠で社内統一と小売バイヤーとの交渉を支援
需要予測シミュレーションでは、例えば商品を5%値上げした場合、の売上推移予測値を、価格据え置きの場合と比較して算出します。在庫データ等を連携することによって、粗利益が最大化する「最適な価格設定(スイートスポット)」を導き出すことも可能です。ID-POSデータ※を活用したブランドスイッチ分析では、商品ごとの「値上げに対する耐性」を可視化し、社内合意形成や小売業との価格交渉における「説得力ある商談材料」としても活用できます。
※ID-POSとは、顧客IDが紐づいた購買データのことです。購入者の属性やリピート率、スイッチングなどの購買行動を把握できます。株式会社True Dataが提供する統計化した購買データには、店舗・個人を特定する情報は含まれません。
日本市場における価格シミュレーションサービスの概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 提供企業 | 株式会社True Data |
| 証券コード | 4416 |
| 対象 | 消費財メーカー |
| 基盤技術 | SAS® Viya®(SASのクラウドネイティブなデータ・AIプラットフォーム) |
| データ基盤 | 年間アクティブ数6,500万人規模のPOS・ID-POSデータ |
| 主な機能 | 需要予測シミュレーション/ブランドスイッチ分析/社内合意・小売商談支援 |
| 今後の展望 | SaaS型ダッシュボードツールとしてのプラットフォーム化を推進 |
| 所在地 | 〒105-0012 東京都港区芝大門1-10-11 芝大門センタービル 4階 |
| 代表者 | 代表取締役社長 米倉 裕之氏 |
| 設立 | 2000年10月10日 |
| URL | https://www.truedata.co.jp/ |
trends編集部の一言
6,500万人規模の購買データを価格戦略に直接活用するという規模感は、業界を問わずインパクトがあります。価格最適化ソリューション市場全体としては、「データに基づく価格設定」への移行が加速しており、勘と経験による意思決定からの脱却を支える基盤整備が業界横断のテーマになっています。
マーケティングの文脈に置き換えると、「この施策を実施した場合にどの顧客層が離反するか」という問いと構造は同じです。ブランドスイッチの可視化機能は、価格戦略にとどまらず、顧客維持施策の設計にも転用できる考え方と言えます。
また、今回のサービスがレポート提供から始まり、将来的にはSaaS型ダッシュボードへと段階的に発展する設計も注目されます。まず、意思決定の精度を上げることから着手し、ツール化は次のフェーズに据えるアプローチは、業界全体において現場浸透を優先する理にかなった設計と言えるでしょう。
References
- ^ PR TIMES. 「インフレ時代の価格戦略に 「データ駆動の羅針盤」を! True Data、AIを活用した米国SASの予測システムを組み込み、消費財メーカー向け価格シミュレーションサービスを提供開始 | 株式会社True Dataのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000178.000039871.html, (参照 26-06-26).
