Microsoft社は2024年8月14日にExcel機能の強化を目指し、XLOOKUPとXMATCH関数に新たなregexモードを追加した。この新機能によってユーザーは正規表現パターンを使用し、セル内のテキストの一部や特定のパターンに対して高度な検索を行うことが可能となった。これによりデータ分析や、情報抽出の効率が大幅に向上すると期待されている。^[1]

新しいregexモードは[match_mode] = 3を指定し、lookup_valueに正規表現パターンを使用することで有効になる。たとえば「USA」や「United States」といった異なる表記のデータを一括で検索することが可能となり、データクレンジングや分析の手間を大幅に削減することが可能だ。また、数字や文字の範囲指定や特定のパターンに一致する文字列の検索など、より柔軟で強力な検索機能が実現されている。

この新機能は現在、Beta Channelユーザーを対象にWindows版とMac版のExcelで展開されている。Windows版はVersion 2408（Build 17931.20000）以降、Mac版はVersion 16.89（Build 24080715）以降で利用可能だ。Microsoft社はユーザーからのフィードバックを基に機能の改善を進めており、今後の正式リリースに向けてさらなる機能の安定化が図られる見込みである。

XLOOKUPとXMATCHの新regexモード機能まとめ

	機能概要	使用方法	主な利点	対象ユーザー
新regexモード	正規表現を使用した検索	[match_mode] = 3を指定	高度な検索が可能	Beta Channelユーザー
対応関数	XLOOKUPとXMATCH	lookup_valueに正規表現を使用	データ分析の効率向上	ExcelユーザーのInsiders
利用可能バージョン	Windows/Mac版Excel	指定のビルド以降で利用可能	クロスプラットフォーム対応	最新ビルドの利用者

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正規表現について

正規表現とは文字列の検索やパターンマッチングを行うための強力なツールだ。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

複雑な文字列パターンを簡潔に表現可能
柔軟な文字列の検索や置換が可能
データの抽出や検証に広く活用される

ExcelのXLOOKUPとXMATCH関数に追加された正規表現モードは、この技術を活用している。たとえば"[0-9]"を使用して数字を、"[a-z]"でアルファベットの小文字を、"."で任意の1文字を表現できる。これによりユーザーはより柔軟かつ効率的にデータを検索し、必要な情報を抽出することが可能となった。

trends編集部「K」の一言

XLOOKUPとXMATCH関数への正規表現モードの追加は、Excelユーザーにとって画期的な機能強化だと言える。これにより複雑なデータセットからの情報抽出や分析が容易になり、業務効率の向上が期待できるだろう。特に大量のデータを扱う企業や研究機関にとっては、データクレンジングや分析のプロセスが大幅に簡素化される可能性がある。

将来的にはこの正規表現モードをさらに発展させ、より直感的なUIを通じて複雑な検索パターンを構築できるようなビジュアルエディタの実装が期待される。また、機械学習を活用してユーザーの検索パターンを学習し、最適な正規表現を提案するような機能も有用だろう。これらの改善によりExcelはよりパワフルかつ、ユーザーフレンドリーなデータ分析ツールとして進化を続けることができるだろう。