株式会社NITACOは、建設業特化の積算支援AI「積算AI」の提供を開始しました。
積算AI開発の背景にある建設業界の人手不足
建設業の積算は、いまだ図面を目で追う手作業が主流です。1件の拾い出しに2〜3日かかる現場も少なくありません。
資材価格は2015年比+38%に上昇し、就業者数は685万人から479万人へと3割減しました。2024年の時間外労働上限規制も重なり、「自社のやり方に合った積算の仕組みをどう構築するか」が業界全体の課題となっています。
拾い漏れ1つで利益が飛ぶリスク、属人化した単価マスタ、ベテラン退職で止まる積算という問題が、業界全体で共有されてきました。
積算AIの導入フローと完全カスタマイズ構築
「積算AI」は、「無料診断 → 完全カスタマイズ構築」の2ステップで導入します。まずStep 0として、30〜60分の無料診断で貴社の積算フローや図面形式、単価マスタを棚卸しし、「どこをAIに任せられるか」を具体的に見極めました。
Step 1では、診断結果をベースに貴社専用にゼロから構築する設計です。PDFやCAD、紙図面のスキャンに対応し、AIが数量を自動算出しました。
自社単価マスタを反映して、Excelで内訳書・見積書を出力することを目指す設計です。最終確認は積算スタッフが行う、AIと人を組み合わせた受託型のサービスとなっています。
汎用パッケージではなく完全カスタマイズ受託を選んだ理由は、工種や単価表、歩掛、元請指定の帳票が会社ごとに異なるためです。「貴社のやり方にAIを合わせる」完全カスタマイズ受託で提供しています。
主な特徴は次の3点です。
- 図面AI読取 × 自動数量拾い出し:部位×項目のマトリクスで拾い忘れも自動チェック
- 自社単価マスタ連携:貴社の単価表・歩掛をそのまま取り込み最新価格で自動計算
- 全工種対応の完全カスタマイズ:内装・新築・足場・土木・設備まで、積算フローに合わせてゼロから構築・伴走
提供形態は、完全カスタマイズ受託型で、SaaSの月額プランは提供していません。料金は要件に応じて個別見積りとなり、先着順での限定数受付です。
積算AIの提供概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 提供企業 | 株式会社NITACO(東京都渋谷区) |
| 代表取締役 | 新田顕大氏 |
| サービス名 | 積算AI |
| カテゴリ | 建設業特化の積算支援AI |
| 提供形態 | 完全カスタマイズ受託型(SaaS月額プランなし) |
| 対応図面 | PDFやCADデータ、紙図面のスキャン画像 |
| 導入フロー | 無料診断(30〜60分)→ 構築範囲・概算費用の提案 → 完全カスタマイズ構築 → 運用支援 |
| 料金 | 要件に応じて個別見積り |
| 目標効果 | 拾い出し工数の70%削減(目標) |
| 関連サービス | ツクノビBPO・ツクノビAI・ツクノビワーク・ツクノビセールス |
trends編集部の一言
1件あたり2〜3日かかっていた積算が半日程度に縮まるという目標値は、業種を問わずインパクトのある数字です。建設業界全体としては、積算業務の属人化解消が長年の課題となっており、現場ごとに異なる帳票・単価体系をいかに標準化するかという議論が続いてきました。
マーケティング業界の文脈に置き換えると、ツールの導入そのものよりも「現場の運用フローへの定着」が障壁になるという構造は共通しており、受託型でゼロから構築するアプローチはその障壁への一つの応答と捉えられます。
汎用ツールを導入しても、現場が手作業に戻ってしまうという経験は多くの業界で繰り返されてきました。「貴社のやり方にAIを合わせる」という受託型のアプローチは、こうした定着問題への応答として業界内でも今後の動向が注目されます。
就業者数が685万人から479万人に減少し、2024年の時間外労働上限規制も重なるという背景を踏まえると、「100万人分の労働力を創る」というNITACOのミッションは、単なるキャッチコピーではなく業界の切実な要請に応えたものと読み取れます。積算以外の工程への展開やツクノビAIシリーズ全体の動向にも注目したいところです。
References
- ^ PR TIMES. 「図面を渡すと、AIが数量を拾い出し見積のたたき台を作成。1件3日かかっていた積算を半日程度に縮めることを目指す「積算AI」を提供開始 | 株式会社NITACOのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000073.000058841.html, (参照 26-06-09).
