Slackは2024年8月26日から、無料ワークスペースのデータストレージ提供の大幅削減を発表した。1年以上経過したメッセージとファイルが順次削除されることになる。無料プランユーザーは過去90日間のデータにのみアクセス可能となり、長期的なデータ保持を希望する場合は有料プランへのアップグレードが必要となった。^[1]

この新しいポリシーは、Slackのサービス品質維持と拡大するユーザーベースへの対応を目的としている。無料ワークスペースではワークスペースが存続する限り、すべてのメッセージとファイルを保存するオプションが使用できなくなる。一方、有料プランにアップグレードすることで365日間のデータ保持が可能となり、さらに長期的な保存オプションも選択できるようになる。

ユーザーは2024年8月26日までに、重要なデータのエクスポートや保存設定の変更を行うことが推奨される。Slackは無料プランユーザーに対しデータのエクスポート機能を提供しており、詳細な手順はSlackのインポート/エクスポートのページで確認できる。一度削除されたメッセージとファイルは復元が不可能であるため、無料ワークスペースを利用している方は過去のデータなどを見直してみてほしい。

この変更は既存のユーザーにも影響を与えるが、2024年8月26日より前に有料プランにアップグレードしたワークスペースは影響を受けない。Slackはユーザーに対して、十分な準備期間を設けることでスムーズな移行を促している。また、NPO支援プログラムの一部であるワークスペースについては、有料プランを利用し続ける限り、メッセージとファイル履歴に影響はないとしている。

Slackのデータ保持ポリシー変更の影響

Slackのデータ保持ポリシー変更は、無料ワークスペースユーザーに大きな影響を与える。長期的なデータアクセスが制限されることで、過去の重要な情報や決定事項の参照が困難になる可能性がある。その結果、チームの生産性低下や情報の断絶が生じる恐れがあり、特に長期プロジェクトや過去の経緯を重視する組織にとっては深刻な問題となる可能性が高い。

データの継続的なアクセスと保持が必要な組織は、有料プランへのアップグレードを検討せざるを得なくなるだろう。予算の制約がある小規模チームや非営利団体にとっては、この変更が大きな負担となる可能性が非常に高い。

ユーザーはこの変更に伴い、データ管理戦略の見直しを迫られる。重要なメッセージやファイルの定期的なエクスポート、alternate文書管理システムの導入などが検討されることになるかもしれない。また、チーム内でのコミュニケーションスタイルの変更も必要となり、重要な情報の共有方法や保存方法について新たなルールを設ける必要が出てくるだろう。

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trends編集部「K」の一言

Slackのデータ保持ポリシー変更は、クラウドサービスの持続可能性と利用者のデータ権利のバランスを問う重要な事例となる。今後、他のSaaSプロバイダーも同様の変更を検討する可能性があり、業界全体でのデータ管理の在り方に影響を与える可能性が高い。ユーザーはデータの所有権と長期的なアクセス権について、より慎重に考える必要に迫られるだろう。

この変更を受け、Slackには無料ユーザーに対するより柔軟なデータ保持オプションの提供が期待される。例えば、重要なメッセージやファイルを選択的に長期保存できる機能、低コストの中間的なプランの導入などが考えられる。また、データのエクスポートとインポートをより簡単に行えるツールの開発も、ユーザーの利便性向上につながるだろう。

また、Slackのデータを他のシステムと効率的に連携させ、長期的なデータ保持と分析を可能にするソリューションの開発が求められる。また、データの暗号化やコンプライアンス対応など、セキュリティ面での考慮も重要になってくるだろう。

スタートアップや小規模チームにとっては不利益となる一方、大企業や成長期の企業にとってはデータ管理の重要性を再認識する機会となる。長期的にはデータの重要性に対する意識向上、データ駆動型の意思決定の促進につながる可能性があると感じた。