Tricentisは、AIを活用した自動テストケース生成ソリューションを搭載した次世代の「SAP Enterprise Continuous Testing by Tricentis」を発表しました。
SAP Enterprise Continuous Testing by TricentisへのAI機能統合の背景
企業がAI時代のスピードに対応しながら高品質なソフトウェアを提供し、増大するリスクにも対処するという課題は、業界横断で共通しています。Tricentisは、20年以上にわたり自動化とAIの進化をリードしてきた実績を持ち、エージェント型品質エンジニアリング分野のグローバルリーダーとして位置づけられてきました。
今回の発表は、TricentisとSAPのパートナーシップにおける重要な節目です。SAP Solution Extensionを通じてSAP向けAI製品を提供するものであり、SAP Sapphire Orlando 2026では、SAPのエージェント主導型ツールチェーンにおける中核的役割について紹介しました。Tricentis最高経営責任者のケビン・トンプソン氏は、「当社のエージェント型ソフトウェア品質プラットフォームは、企業が『開発スピードの向上』『リスクの管理』『コストの削減』のすべてを同時に実現することを可能にします」と述べています。
SAP Enterprise Continuous Testingの新AI機能で実現できる主な機能
今回追加された新しいAI搭載機能により、SAP ECTユーザー企業は、SAP AI Unitsを活用して、SAP ECT内で直接自動テストケースを生成できるようになりました。追加のツールや複雑な統合作業を必要とすることなく、AI主導のテストをSAPワークフローに直接組み込むことが可能です。主な機能は以下の通りです。
- 自然言語プロンプトによるエンドツーエンドのテストケース生成
- インテリジェントなAIエージェントによるテストシナリオの設計・構築・最適化
- ビジネスプロセスとの整合性を維持したテスト作成の迅速化
- SAP AI Unitsを活用した自動テストケースの展開と拡張
- セルフヒーリングテストによるメンテナンスコストの大幅な削減
SAPの最高パートナー責任者を務めるカール・ファールバッハ氏は、「このイノベーションにより、お客様は手作業での工数を削減し、テストサイクルを短縮するとともに、安定性維持を実現できます」と述べています。汎用型AIテストツールとは異なり、本ソリューションはSAP環境に特化して設計されている点が特長です。
TricentisによるSAP Sapphire 2026での出展とSAP NOW AI Tour Tokyo
5月11日~13日(現地時間)に米国で開催された「SAP Sapphire Orlando 2026」において、Tricentisはリスクベースのモダン品質保証が企業変革を支える「品質の盾」として機能することを紹介しました。主なイノベーションとして、SAP Signavioで作成した業務プロセスモデルをSAP Cloud ALMと連携させるアプローチが挙げられます。
このアプローチにより、テストと業務プロセスがより密接に連携し、効率性と成果に対する信頼性の向上を実現しました。さらに、SAP Change Impact Analysis by Tricentisの機能強化も発表されました。SeaLights ABAPを活用した新たなクラウドデプロイメントオプションが含まれており、コードレベルでのより精緻な影響分析が可能です。
バージョンアップに伴う影響を受ける業務プロセスの特定や高リスク領域の優先対応、不必要なテスト実行の削減を実現しながら、リリース品質への信頼性を維持できます。
7月29日に予定されるSAP NOW AI Tour Tokyoでは、Tricentis Japanからセッションおよびブース展示が予定されています。詳細は、イベント公式サイトで案内されているとのことです。
SAP Enterprise Continuous Testing by Tricentis 概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 提供元 | Tricentis Japan合同会社 |
| ソリューション名 | SAP Enterprise Continuous Testing by Tricentis |
| カテゴリ | 自動テストケース生成ソリューション |
| 対応環境 | SAP環境特化・SAP Solution Extension経由で提供 |
| 主な新機能 | 自然言語プロンプトによるテストケース生成・セルフヒーリングテスト・SAP AI Units連携 |
| 導入実績 | Experian社、T-Mobile社、Jaguar Land Rover社、Allianz社、Telstra社、Dolby社、VodafoneZiggo社など3,000社以上(Tricentisのテストソリューション全体) |
| 導入効果(参考) | 年間平均533万ドルの効果を実現(関連ブログ参考情報より) |
| 業界評価 | Forrester、Gartner、IDCによりリーダーとして評価 |
| 関連イベント | SAP NOW AI Tour Tokyo(7月29日) |
| 公式サイト | https://www.tricentis.com/ja |
trends編集部の一言
年間平均533万ドルの効果という数値は、テスト自動化がコスト削減の観点でも経営課題と直結していることを示す指標です。業界全体としては、ERP基幹システムの複雑な業務プロセスに対応できない汎用AIツールへの課題感が広がっており、SAP Solution Extensionを通じてシームレスに統合できる設計は、エンタープライズ領域におけるテスト工数削減の新たな選択肢として注目されています。
AIがテスト設計から実行まで自律的に担う「エージェント型品質保証」への移行は、QA・ソフトウェア開発分野を中心に業界横断で加速している動向です。7月29日のSAP NOW AI Tour Tokyoは、実際のデモや事例を通じてエージェント型品質保証の具体像を確認できる機会として、関心を集めているのではないでしょうか。
References
- ^ PR TIMES. 「Tricentis、SAPのビジネス変革に向けた「エージェント型AIテスト機能」を発表 | Tricentis Japan合同会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000018.000138075.html, (参照 26-05-30).
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