株式会社シナブルは2026年5月、EC・通販特化のオールインワンMA/CRMツール『EC Intelligence』に生成AIを活用した大型機能アップデートを実施しました。
EC Intelligenceが対応するEC事業者の3つの課題
今回のアップデートは、EC事業者が現場で直面しやすい3つの課題を起点に設計されました。1点目は「データ分析の属人化」です。ダッシュボードで数値を把握できても、課題の読み解きや施策への落とし込みには専門的な経験が必要とされるため、分析業務が特定の担当者に集中しやすい構造があります。
2点目は「検索ミスマッチによる顧客の離脱」です。株式会社シナブルが実施した独自の消費者調査(※1)では、約6割のユーザーが「欲しい商品が見つからない」「検索結果が0件になる」などの検索体験の悪さを理由に購入を諦めた経験があることが判明しています。3点目は「一斉配信による反応率低下」で、固定スケジュールによる一律配信では顧客ごとの最適なタイミングへの対応が難しく、メッセージが埋もれる機会損失が生じていました。
EC Intelligenceの3つの新機能
1つ目の新機能は、管理画面内に実装されたAIアシスタント「Mate」です。レポート画面でデータへの問いかけを入力するだけで、AIがインサイトを提示する仕組みです。経験の浅い担当者でもAIから気づきを得て、次の施策をスピーディーに検討できるようになります。
2つ目は「AIハッシュタグ自動生成」です。AIが商品情報からタグやキーワードを自動生成し、検索対象ワードとして商品のインデックスに保存します。たとえば「機内持ち込みキャリーバッグ」という商品に対し、「キャリーケース」「スーツケース」といった表記揺れや「出張」「旅行グッズ」「小型」などの関連ワードを自動付与します。ユーザーが異なる名称や用途で検索した場合でも商品がヒットする確率を高め、検索結果0件による離脱リスクを軽減します。
3つ目は「メール送信時間最適化」です。顧客の過去のサイト訪問時間や購入(CV)時間をAIが分析し、最もアクションしやすい時間帯を予測して自動送信します。担当者の経験則や一律スケジュールに依存しない、パーソナライズコミュニケーションを実現します。なお、分析・ダッシュボード機能の強化やLINE画像カルーセル配信への対応も今回のアップデートに含まれます。
EC Intelligenceのサービス概要と導入実績
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 提供企業 | 株式会社シナブル |
| 代表者 | 代表取締役社長 小林 裕紀氏 |
| 所在地 | 東京都豊島区南池袋1−16−15 ダイヤゲート池袋5F |
| 設立 | 2014年06月 |
| 対象サービス | EC Intelligence(EC・通販特化のオールインワンMA/CRMツール) |
| 主な新機能 | AIアシスタント「Mate」/AIハッシュタグ自動生成/メール送信時間最適化 |
| 導入実績 | 120社以上・継続率97.8% |
| 公式サイト | https://www.scinable.com/ |
trends編集部の一言
約6割のユーザーが、検索体験の悪さを理由に購入を諦めた経験があるという調査結果は、数字として見ると改めてインパクトがあります。マーケティングの現場でも、サイト内検索の離脱率が改善しないまま広告予算だけが積み上がるケースは珍しくなく、「そもそも商品にたどり着けているか」という問いは業界共通の課題として観察されてきました。
「分析の属人化」という切り口も、マーケティング業界の文脈に置き換えると身近な話です。ダッシュボードを整備しても、数値を施策に変換できる人材は限られており、「データはあるが動けない」という状態は多くの現場で観察されてきました。AIアシスタントが気づきを提示してくれる設計は、こうした構造的な課題への一つの応答として注目されます。
検索やMA、CDPを単一のデータベースで統合している点も特徴です。AIがタグを付与して最適なタイミングで配信し、レポートからインサイトを引き出す一連のフローが同一プラットフォーム上で完結する設計です。複数ツールを組み合わせる際の連携コストに課題を抱えるEC業界において、プラットフォーム統合型の機能拡張は合理的な選択肢として評価されそうです。
References
- ^ PR TIMES. 「EC・オムニチャネル向けMA/CRM『EC Intelligence』、AIハッシュタグ自動生成など売上向上に貢献する新機能をリリース | 株式会社シナブルのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000010.000059188.html, (参照 26-05-26).
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