Glean Technologies, Inc.(本社:米カリフォルニア州、創設者兼CEO:Arvind Jain氏)は、鴻池運輸株式会社の全社AI基盤として「Glean Work AI Platform」が採用されたことを発表しました
Glean Work AI Platformが全社AI基盤として採用された背景と選定理由
鴻池運輸では、物流業界が担い手不足や輸送ニーズの高度化といった課題に直面するなかで、生成AIの全社活用を推進してきました。2023年から生成AI活用の取り組みを進め、2024年12月にICT推進本部内で「生成AIプロジェクト」を発足させ、統一された全社AI基盤の構築を進めてきた経緯があります。
当初検討したノーコード開発プラットフォームでは実装コストや応答速度、回答品質のチューニングに課題がありました。より高度なセキュリティと長期的なプラットフォーム改善が担保されていることを前提に新たな基盤を模索した結果、Gleanの採用を決定しました。
鴻池運輸のICT推進本部は「AI is Everywhere」を全社AI活用推進のスローガンに掲げ、組織や基盤、ガバナンス、AI人材育成を含めた総合的な改革を推進しています。Gleanはその中核として、社内データを安全に活用するための全社AI基盤と位置づけられており、将来的にはKONOIKEグループ全体での活用を視野に入れています。
Glean Work AI Platformの主な機能と特長
Glean Work AI Platformは、検索(Glean Search)、チャット(Glean Assistant)、エージェント(Glean Agents)の各機能が一体化されたAIプラットフォームです。Box、Microsoft Outlook、ServiceNowなど100種以上の主要SaaSやクラウドストレージとAPI連携し、社内の情報を横断して活用できます。
現在、鴻池運輸では自然言語によるAIエージェントの開発が進められており、検索やレポート作成、チャット回答といったデスクワークの効率化に活用されています。プラットフォームの主な特長は次のとおりです。
- SOC 2 Type II取得によるセキュリティ・プライバシー保護体制
- 既存システムのアクセス権限を踏襲した情報アクセス制御
- ChatGPTやGemini、Claudeなど主要LLMに対応したLLMアグノスティックな柔軟性
- ノーコードで非エンジニアでも開発可能なAIエージェント構築機能
- 100以上の主要アプリケーション・ツールとの統合性と自然言語による高度な検索精度
セキュリティ面では、米国公認会計士協会(AICPA)とカナダ公認会計士協会(CICA)によって定められた国際外部監査制度であるSOC 2 Type IIを取得しており、管理・運用体制の信頼性が立証されています。
AIエージェントの構築については、自然言語によるプロンプトやテンプレートを活用したノーコード開発に対応しており、業務担当者が自らエージェントを設計できます。この設計により、エンジニアリングリソースへの依存を抑えた柔軟な業務改善が実現しました。
鴻池運輸における導入効果と2026年度の活用目標
2025年11月よりICT推進本部およびPoC部門約100名で先行利用をスタートした鴻池運輸では、「会議資料の検索・作成にかかる工数は体感で約9割削減できた」との声があがりました。経営状況等の問い合わせに根拠付きで即時回答が可能になるなど、業務改革の手応えも報告されています。
2026年度を「AIの民主化と重点ユースケース創出」の初年度と位置づけ、鴻池運輸が掲げる目標は以下の通りです。
- Gleanの月間利用ユーザー数(MAU)約600名規模
- 日常的にGleanを使いこなす「AIプラクティショナー」を約600名育成
- 部署のAI活用をリードする「AIアンバサダー」を約100名育成
- 実用的なAIエージェントの開発目標75本、2026年度内の達成を目指しています
鴻池運輸 執行役員 ICT推進本部 本部長 佐藤雅哉氏は、「2026年度、KONOIKEグループのAI戦略は「活用」から「定着と変革」のフェーズへと移行します。AIアンバサダーや実務者を合わせ計700名超のAI人材育成、そして75本のAIエージェント開発という具体的なマイルストーンを達成してまいります」と述べています。
Glean 営業担当副社長 Brad Scott氏は、「鴻池運輸様との提携は、当社にとってきわめて重要なマイルストーンです。日本はGleanにとって最優先の成長市場であり、国内チームの拡充やリーダーシップ体制の構築、サポート体制の強化を進めております」とコメントしています。
Glean Work AI Platformの概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 提供企業 | Glean Technologies, Inc. |
| 本社所在地 | 米カリフォルニア州 |
| 代表者 | 創設者兼CEO Arvind Jain |
| サービス名 | Glean Work AI Platform |
| カテゴリ | AIプラットフォーム |
| 主な機能 | Glean Search(検索)・Glean Assistant(チャット)・Glean Agents(エージェント) |
| 連携ツール数 | 100種以上 |
| 導入規模(第1フェーズ) | 1200ライセンス(鴻池運輸株式会社) |
| 本格稼働開始 | 2026年2月末 |
| セキュリティ認証 | SOC 2 Type II |
| 公式サイト | https://www.glean.com/jp/ |
trends編集部の一言
会議資料の検索・作成にかかる工数が体感で約9割削減できたという声は、物流業界に限らないインパクトがあります。業界全体としては、社内のあちこちに散在するドキュメントを横断して探す作業がボトルネックになるケースは広く共通しており、100種以上のツールと連携して自然言語で横断検索できる仕組みは、業界を超えた実務転換の可能性を示す動向です。
「AIプラクティショナー」と「AIアンバサダー」を明確に役割分担したうえで約600名・約100名という具体的な育成目標を設定した点は、マーケティング業界の文脈に置き換えても注目される動きです。生成AI活用市場全体としては、ツールを導入するだけではなく組織内で使いこなせる人材を段階的に育てる設計が、AI定着の壁を乗り越えるうえで重要なアプローチとして定着しつつあります。
ChatGPTやGemini、Claudeなど複数の主要LLMを業務要件に応じて使い分けられるLLMアグノスティックな設計も、業界横断で注目される方向性です。特定モデルへの依存リスクを避けながら最適なモデルを柔軟に組み合わせるアプローチは、生成AIの急速な進化が続く環境において、業界全体の基盤選定に示唆を与える動向と言えます。
References
- ^ PR TIMES. 「Glean、鴻池運輸の生成AIスローガン「AI is Everywhere」を支える全社AI基盤に採用。 | Glean Technologies, Inc.のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000179911.html, (参照 26-05-20).
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