Okta, Inc.は、AIエージェント向けアイデンティティ管理サービス「Okta for AI Agents」の機能拡張を発表しました。
Okta for AI Agentsの機能拡張の背景
Gartnerの予測によると、2028年までにFortune 500企業では、15万以上のAIエージェントが活用されるようになるとされています。しかし、エンタープライズ向けエージェントの90%に過剰な権限が付与され、53%が機密情報にアクセスしているという現状でした。
AIエージェントは多様なプラットフォームで構築され、分散した環境にデプロイされます。モデルの勢力図は常に変化し、既存の資格情報金庫(Credential Vault)やポリシーエンジンなどのポイントソリューションでは、エージェントライフサイクルの一部しか保護できません。
こうした背景を踏まえ、ベンダーに依存しないニュートラルなプラットフォームの必要性が高まっていました。チーフプロダクトオフィサー(CPO)のエリー・カーン(Ely Kahn)氏は、「AIエージェントは多様なプラットフォームで構築され、分散した環境にデプロイされるため、エージェント型企業は単一ベンダーのエコシステムにはフィットしません」と述べています。
Okta for AI Agentsは、初期の発見やオンボーディングから継続的な保護とガバナンスに至るまで、AIエージェントのライフサイクル全般を保護するために構築された中立的なプラットフォームです。
Okta for AI AgentsとAmazon Bedrock AgentCoreの統合および主要機能
今回の機能拡張には、Amazon Web Services(AWS)のエージェントプラットフォーム「Amazon Bedrock AgentCore」との統合が含まれます。AWS上で構築されたAIエージェントのアイデンティティライフサイクル管理が可能になるほか、Okta以外のアイデンティティプロバイダー(IdP)のサポートも開始されました。
主な提供機能は次の7点です。
- AI Agent Discovery:環境内のAIエージェントを特定
- AI Agent Import:OIN経由でOktaに数分以内にインポート
- AI Agent Registry:人間の所有者と紐付けてアイデンティティとして登録
- Resource Connections:アクセスリソースと認証方法をセキュアに定義
- User Access Requests and Certifications for AI Agents:申請・承認ワークフローを自動化
- Agent Deactivation:一括操作で迅速に無効化しインシデント対応を迅速化
- System Logs & Telemetry:ツール呼び出しや認可の決定を記録しSIEMへストリーミング
これらの機能はプラットフォームに依存せず、Salesforce AgentforceやServiceNow AI Platformなど、Oktaがサポートする様々なエージェントビルダーに対応しています。DataRobot、Boomi、Glean、Google Vertex AI、Workdayとの連携も近日中に予定されているところです。
マーケティング業界の文脈でも、統合されたアイデンティティ層の重要性が高まっています。AIエージェントの普及がガバナンス整備を上回るスピードで進む状況において、SaaSアプリ、API、MCPサーバーへの接続を単一コントロールプレーンで管理できるアーキテクチャの需要は業界横断で共通する課題です。
Okta for AI Agentsの概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 提供企業 | Okta, Inc.(本社:米国・サンフランシスコ)/ Okta Japan株式会社 |
| サービス名 | Okta for AI Agents |
| カテゴリ | アイデンティティ管理サービス |
| 主な新機能 | Amazon Bedrock AgentCore統合、Okta以外のIdP対応、AI Agent Discovery / Import / Registry / Resource Connections / User Access Requests and Certifications for AI Agents / Agent Deactivation / System Logs & Telemetry |
| 対応エコシステム | Salesforce Agentforce、ServiceNow AI Platform(連携予定:DataRobot、Boomi、Glean、Google Vertex AI、Workday) |
| 既存IdP連携 | Microsoft Entra ID、Ping など(人間のユーザー管理システムとして継続利用可能) |
| 企業公式サイト | https://www.okta.com/ja-jp/ |
trends編集部の一言
エンタープライズ向けエージェントの90%に過剰な権限が付与され、53%が機密情報にアクセスしているという数値は、AIエージェントの普及がガバナンス整備を上回るスピードで進んでいることを示す実態です。マーケティング業界の文脈に置き換えると、MAツールや広告配信プラットフォームへの自動アクセス権限を持つAIエージェントが増加するなかで、「誰がどのエージェントに何を許可しているか」を一元管理できる仕組みの不在は、業界横断で共通する課題として浮かび上がってきました。
Okta以外のIdPとも併用できる設計は、Microsoft Entra IDやPingなどの既存インフラを入れ替えずにエージェント専用のガバナンス層を追加できる点で、マルチベンダー環境が定着しているエンタープライズの現実に即していると言えます。SaaSアプリ、API、MCPサーバーへの接続を単一のコントロールプレーンで管理するアーキテクチャは、マーケティング業界における複数ツール連携の運用設計にも影響を与える動向として注目される取り組みです。
References
- ^ PR TIMES. 「Okta、AIエージェント向けセキュリティ機能を拡張し、新たなエージェントエコシステムとあらゆるアイデンティティプロバイダーに対応 | Okta Japan株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000178.000063011.html, (参照 26-05-15).
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