【時間がない人向け】記事の3行要約
- MicrosoftがCopilot+ PCsの新機能「Recall」のプレビュー版を6月07日にアップデート
- Recallは画面スナップショットからAIでユーザーの見たものを分析、検索可能に
- プライバシーと安全性を最優先に、ユーザーによるRecallの使用を制御可能に
MicrosoftがRecall機能搭載のCopilot+PCを6月18日に発売へ
Microsoftは2024年6月18日、AI機能を強化した新しいPC「Copilot+ PCs」を発売する。Copilot+ PCsには「Recall」と呼ばれる画期的な機能が搭載されている。Recallはユーザーのデバイス上で画面のスナップショットを定期的に撮影し、それをデバイス内のAIで分析することで、ユーザーが過去に見たアプリやウェブサイト、画像、ドキュメントなどを検索可能にする。[1]
Recallのスナップショットはローカルに暗号化され、保存・分析される。つまりインターネットやクラウドは一切使用されず、スナップショットがMicrosoftや他社と共有されることもない。またRecallはユーザーによる細かな制御が可能で、スナップショットの保存を無効化したり、一時停止したり、アプリケーションをフィルタリングしたり、スナップショットを削除したりできる。
Microsoftは今回のRecallのプレビューリリースに先立ち、プライバシーとセキュリティの強化に努めてきた。スナップショット保存の明示的なオプトイン、Windows Helloが必須、Windows Hello ESSによる「just in time」の復号、検索インデックスの暗号化などだ。またCopilot+ PCsはSecured-core PC、Microsoft Pluton、Windows Hello ESSを全て標準搭載し、ハードウェアレベルからセキュアに設計されている。
MicrosoftがAI活用のRecall機能についてフィードバックを反映
MicrosoftはAIの導入をめぐり、WindowsのアーキテクチャをクラウドとローカルAIの分散型コンピューティングへと進化させている。デバイス上のニューラル処理ユニット(NPU)の活用により、プライバシーとセキュリティの両面で、ユーザーに選択肢を提供できるとしている。こうした取り組みは同社のSecure Future Initiative (SFI)の指針に基づいて行われている。
trends編集部「K」の一言
MicrosoftがCopilot+ PCsに搭載するRecall機能は、AIを活用した新しいユーザー体験を提供するものだが、同時にプライバシーの観点からは慎重な検討が必要とされる領域だ。デバイス内で個人のあらゆる画面イメージを記録し、分析するということは、AIによるパーソナルデータの解釈が飛躍的に進むことを意味するからだ。プライバシー設定をユーザーが細かく制御できるとはいえ、そのデフォルト設定次第では、気づかないうちにプライバシーが侵害されるリスクもある。
AIの発展に伴い、プライバシー保護の技術的・法的フレームワークをアップデートすることが急務となっている。現行の個人情報保護法制では、このようなAIによるデータ解釈まで想定されていないことが多い。Recallのようなローカル処理型のAIであっても、クラウドに匹敵する高度なデータ分析が可能になれば、それはもはやローカルの範疇を超えたビッグデータ活用と言えるだろう。法制度の整備と、企業の積極的な情報開示とユーザー啓発が不可欠だ。
MicrosoftはSecure Future Initiativeの下、ユーザーの信頼を最優先に開発を進めると宣言している。リスクを十分に説明しつつ、新たな利便性を提案していく。これからのAI社会を見据えた、Microsoftの慎重かつ果敢な挑戦に注目したい。
Recallが分析する画面情報には、ユーザーの趣味嗜好だけでなく、信念対立を生みかねない情報も含まれるはずだ。それをAIがどう解釈し、ユーザーに提示するのか。多様な価値観が交錯するWindows上で、思想的に中立な立場を保つことは容易ではないだろう。Microsoftの姿勢が問われるゆえんだ。
References
- ^ Microsoft Windows Blogs. 「Update on the Recall preview feature for Copilot+ PCs | Windows Experience Blog」. https://blogs.windows.com/windowsexperience/2024/06/07/update-on-the-recall-preview-feature-for-copilot-pcs/, (参照 24-06-11).
※上記コンテンツの内容やソースコードはAIで確認・デバッグしておりますが、間違いやエラー、脆弱性などがある場合は、コメントよりご報告いただけますと幸いです。
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