【時間がない人向け】記事の3行要約
- 複数のプログラミング言語においてコマンド実行時の引数エスケープ処理に脆弱性
- Windows環境で細工された入力を引数にコマンドを実行すると任意のコマンド実行の可能性
- コマンドに渡す引数データのエスケープ処理がcmd.exeを考慮していないことが原因
複数言語でコマンド実行時の引数エスケープ処理に脆弱性発覚
複数のプログラミング言語のWindows環境でコマンド実行処理の脆弱性が報告された。問題はJVNVU#94343502で公開されている。
影響を受けるシステムの詳細は、ベンダ情報およびCERT/CC VU#123335のVendor Informationを確認する必要がある。脆弱性の存在するプログラミング言語や影響範囲については、各ベンダの情報を参照することが重要だ。
脆弱性の原因はコマンドに渡す引数データのエスケープ処理にある。多くの言語ではWindowsのCreateProcess()関数を通じてコマンドを実行するが、バッチファイル実行時はcmd.exeにコマンドライン文字列を渡す。しかし、その際の引数エスケープ処理がcmd.exeを考慮した適切なものになっていないことが問題とされている。
任意コマンド実行の可能性 入力値の厳格なチェックが必要に
脆弱性が悪用されると、ユーザ入力を引数としたコマンド実行で任意のコマンドを実行される恐れがある。入力値の厳格なチェックとエスケープ処理の徹底が欠かせない。
今回の脆弱性はWebアプリケーションに限らず、コマンドラインツールなど幅広いソフトウェアに影響する可能性がある。システム開発ではあらゆる外部入力を信用せず、想定外の値によるコマンドインジェクションのリスクを常に意識しておく必要がある。
セキュアコーディングの基本に立ち返り、言語ごとのベストプラクティスに則ったコード実装が求められる。加えてOSコマンドインジェクションに対する動的検査など、多層的な脆弱性対策の重要性が改めて浮き彫りになった。各ベンダによるセキュリティ情報の提供と、ユーザー企業の迅速なアップデート対応が期待される。
trends編集部「K」の一言
今回明らかになったコマンド実行処理の脆弱性は、プログラミング言語のランタイムに内在するリスクと言える。ライブラリやフレームワークなどサードパーティコンポーネントの利用が増える中、その実装に依存したセキュアコーディングの限界が浮き彫りになった形だ。言語仕様や標準ライブラリにセキュリティ上の課題があれば、それを利用する多くのアプリケーションが脆弱性を抱えてしまうことになるからだ。
ゼロトラストセキュリティの考え方が広がる中、プログラミング言語自体の堅牢性を高めていく取り組みがこれまで以上に重要になるだろう。各言語の設計にセキュリティの視点を組み込み、安全なコーディングを助ける機能を積極的に取り入れていく必要がある。メモリセーフな言語への移行を進めるMicrosoftの方針などはその一例と言えるかもしれない。
一方、開発者に対するセキュアプログラミング教育の強化も欠かせない。特にクラウドネイティブな開発が主流となる中、システムを構成する言語やフレームワークは多岐にわたる。異なる言語間の連携による予期せぬ脆弱性の発生も懸念される中、開発者一人一人がセキュリティ意識と技術を高めていくことが何より重要だ。
プログラミング言語の安全性を追求しつつ、現場の開発者のリテラシー向上につなげていく。このように業界を挙げてソフトウェアのサプライチェーンセキュリティ強化を進めていくことが喫緊の課題と言えるだろう。今回の脆弱性が、そうした取り組みの契機となることに期待したい。
References
- ^ JVN. 「JVNVU#94343502: 複数のプログラミング言語のWindows環境におけるコマンド実行処理において引数のエスケープ処理が適切でない問題」. https://jvn.jp/vu/JVNVU94343502/, (参照 24-04-16).
※上記コンテンツの内容やソースコードはAIで確認・デバッグしておりますが、間違いやエラー、脆弱性などがある場合は、コメントよりご報告いただけますと幸いです。
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