ElevenLabs社とIBMは2026年3月25日、ElevenLabs社の音声認識(Speech-to-Text)および音声合成(Text-to-Speech)機能を、IBMのAIエージェント製品「watsonx Orchestrate」に統合する協業を発表しました。
ElevenLabsの音声技術とwatsonx Orchestrateの統合による対話体験の変化
AIエージェントが顧客や従業員と対話する、ワークフローにおいて、音声は重要な媒体として位置付けられています。従来は長い待ち時間や、柔軟性に欠ける通話フロー、機械的に聞こえる音声がユーザー体験を損なう要因となっていました。
ElevenLabs社の音声合成技術を統合することによって、70言語にわたり、人間の話し言葉が持つニュアンスや感情、リズムを取り入れた音声対応エージェントを構築できる環境が整います。セキュリティーとコンプライアンスを重視した設計がなされており、エンタープライズ用途での活用を想定した構成です。
音声ファーストのAIエージェントが対応する業種と活用領域
今回の統合により、AIエージェントの機能は、テキスト・ベースから音声ファーストの対話へと拡張されます。政府機関や公共サービスでは、医療や福祉、教育、市民活動に関する情報提供において複数言語への対応が求められており、AI電話エージェントが複数の地域アクセントや声色を使い分けて、70言語で会話できる点が特長です。
- 70言語での多言語対話に対応
- 地域アクセントや声色の使い分け
- 10,000以上の音声ライブラリーを利用可能
- PCI準拠による安全な決済処理
- HIPAA準拠のゼロ・リテンション・モード
銀行や保険会社、医療提供者、公益事業者なども、カスタマー・サポートや営業、従業員体験、社内業務といった主要なケースでの活用が想定されています。エンタープライズ・レベルの保護機能として、データ・レジデンシーにも対応しており、グローバルなユーザーベースに対する高トラフィックかつ高同時接続の対話を支援する構成です。
ElevenLabsとIBMの協業における主な要素
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 発表日 | 2026年3月25日 |
| 協業企業 | ElevenLabs社・IBM |
| 統合対象 | watsonx Orchestrate |
| 対応言語数 | 70言語 |
| 音声ライブラリー | 10,000以上 |
| セキュリティー | PCI・HIPAA準拠 |
| 今後の方針 | 音声ファーストのAI体験へ移行支援を継続予定 |
trends編集部の一言
今回の協業で注目したのは、音声合成の品質を、エンタープライズ要件と両立させている点です。社内のチャットボットを導入した経験から、テキストベースの対話だけでは対応しきれない場面が多いと感じていたので、多言語対応のカスタマーサポートを検討している担当者にとって具体的な検討材料になりそうです。
PCI準拠やHIPAA準拠のゼロ・リテンション・モードといった、コンプライアンス対応が組み込まれている点は、金融や医療分野で導入を検討する際に避けて通れない要件です。watsonx Orchestrateとの統合によって、「品質」と「規制対応」の両面をカバーできる構成は、導入検討時の比較軸を整理しやすくしてくれます。
References
- ^ PR TIMES. 「エンタープライズAIが音声機能に対応:ElevenLabsとIBMがAIエージェントに高度な音声機能を提供 | 日本アイ・ビー・エム株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000707.000046783.html, (参照 26-04-16).
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