MCP Toolbox Java SDKがv1.0をリリース、Spring BootやLangChain4jのエージェントをMCP Toolbox経由で対応データソースに接続可能
公開:
Googleは、MCP Toolbox v1.0に続き、MCP Toolbox Java SDKがバージョン1.0に正式に到達したと発表しました。MCP Toolbox Java SDKは、MCP Toolbox for Databasesとやり取りするJava向けのSDKです。[1]
MCP Toolbox Java SDKの公開ベータ発表時の目標は、企業のJava環境にファーストクラスで型安全なエージェントのオーケストレーションをもたらすことでした。その後、開発者やオープンソースの貢献者と協力してAPIを強化してきました。
Googleは、今回のリリースがJavaの企業向けエコシステムに、ファーストクラスで型安全なエージェントのオーケストレーションをもたらすとしています。この記事では、Googleが企業向けの後方互換の安定した基盤と位置付けるv1.0で、v0.2以降に追加や強化された機能と導入方法、導入時の確認点を解説します。
MCP Toolbox Java SDK v1.0でできること
Googleによれば、N個のAIモデルとM個の企業データソースがあると、開発者はN×M個の個別の接続を構築・保護・保守しなければなりません。統一された統合層がないと場当たり的なパイプラインに頼ることになり、エージェントの構成の拡張はすぐに持続できなくなります。[1]
MCP(Model Context Protocol)は、AIモデルとデータソースを切り離す共通インターフェースです。開発者が合わせるのは単一の標準プロトコルで、モデルやデータベースごとに連携コードを書く必要はありません。
v1.0では、Spring BootやLangChain4jのエージェントをMCP Toolboxサーバーへ接続できます。MCP Toolboxサーバーを通じて、AlloyDBなど対応するすべてのデータソースへつなげられます。
v0.2からの主な変更点
v1.0で、v0.2のリリース以降に追加された主な新機能と強化点は、以下の通りです。
クライアント認証の分離では、資格情報がリクエストのたびに非同期で解決され、トークンの動的な更新や独自のトークン発行元の組み込みができます。標準で同梱されているのは、ADC(Application Default Credentials)を経由するGoogle OIDCです。
既定値への対応はツールのパラメータの既定値へのネイティブ対応で、Googleのコード例では省略した引数をSDKが既定値で補います。Googleは、プロンプトのペイロード削減とエージェントの信頼性向上を、既定値対応の利点に挙げています。
Cymbal Transitでの利用例
架空の都市間バス会社Cymbal Transitの例では、利用者は入れ子のドロップダウンメニューをたどらず、質問して旅程を立てたいと考えています。AIエージェントは会話の文脈を保ちながら、非構造化データのペットの規則と、構造化データの時刻表や座席の空き状況を照合し、予約を実行しなければなりません。
エージェントはSpring BootとLangChain4jで作られ、時刻表の検索や乗車券の予約、規則の検索をMCP Toolboxのツールとして呼び出します。Googleによれば、この例はJava SDKとAlloyDBを組み合わせた企業向けの利用例です。
企業向けの会話型AIで最も難しいのは状態管理で、エージェントは前のやり取りの文脈を覚えておかなければなりません。Java SDKをSpring BootとLangChain4jと組み合わせると、会話メモリをHTTPセッションに保ち、エージェントを2つの宣言的なコンポーネントに分けられます。
Googleによれば、このアーキテクチャの利点は、エージェントがモジュール性を保てることです。インターフェースでプロンプトのガイダンスを改善し、ユーザーセッションを自動で管理しながら、MCP Toolboxを通じた安全なデータベースクエリを密結合なしに実行できます。
MCP Toolbox Java SDK v1.0の導入例
MCP Toolbox Java SDKは、Mavenプロジェクトのpom.xmlへバージョン1.0.0の依存関係を追加して使い始めます。Mavenの代わりにGradleを使う場合は、依存関係をGradleの記法へ置き換える必要があります。[1]
Mavenのpom.xmlへ追加するバージョン1.0.0の依存関係は、以下の通りです。
<dependency>
<groupId>com.google.cloud.mcp</groupId>
<artifactId>mcp-toolbox-sdk-java</artifactId>
<version>1.0.0</version>
<!-- {x-version-update:mcp-toolbox-sdk-java:current} -->
</dependency>
公式資料からの抜粋:Announcing MCP Toolbox Java SDK v1.0: Agentic data access for the enterprise(Get started today / Step 1: Add the Dependency)。対象版・範囲:MCP Toolbox Java SDK v1.0 / MCP Toolbox Java SDK 1.0.0。
上記では、groupIdにcom.google.cloud.mcp、artifactIdにmcp-toolbox-sdk-javaを指定しています。versionに指定する1.0.0が、使うSDKのバージョンです。
Googleの例では、builder()で接続先や資格情報、ヘッダーを設定してクライアントを作ります。listTools()はツールの一覧を返し、loadToolは名前を指定してツールを読み込み、executeで実行します。
コード例は、以下の通りです。
// 1. Initialize the Client with Decoupled Auth and Custom Headers (v1.0)
String serviceUrl = "https://toolbox-my-project-uc.a.run.app/mcp";
McpToolboxClient mcpClient = McpToolboxClient.builder()
.baseUrl(serviceUrl)
.credentialsProvider(new GoogleCredentialsProvider(serviceUrl)) // Decoupled OIDC credentials
.headers(Map.of( // Generic client headers
"X-Correlation-ID", "enterprise-session-abc123",
"X-Client-Platform", "Spring-Boot"
))
.build();
// 2. Listing Discoverable Tools
mcpClient.listTools().thenAccept(tools -> {
System.out.println("Successfully discovered " + tools.size() + " tools.");
});
// 3. Invoking a Tool (Read-Only Data with Default Parameter Support)
// "limit" is omitted: the SDK fills it from the default in the tool definition
String schedules = mcpClient.loadTool("query-schedules")
.thenCompose(tool -> tool.execute(Map.of(
"origin", "New York",
"destination", "Boston")))
.join().text();
// 4. Executing a Transactional Tool (Using Bound Parameters)
AuthTokenGetter toolAuthGetter = () -> CompletableFuture.completedFuture(myIdToken);
String bookingConfirmation = mcpClient.loadTool("book-ticket", Map.of("google_auth", toolAuthGetter))
// Bind the authenticated user context securely. bindParam returns a new immutable
// Tool, and the bound parameter is pruned from the definition exposed to the LLM!
.thenCompose(tool -> tool.bindParam("passenger_name", "Jane Doe")
// Execute the mutable transaction
.execute(Map.of("trip_id", "123e4567-e89b-12d3-a456-426614174000")))
.join().text();
公式資料からの抜粋:Announcing MCP Toolbox Java SDK v1.0: Agentic data access for the enterprise(Connecting the dots: Listing, invoking, and executing tools in Java v1.0)。対象版・範囲:MCP Toolbox Java SDK v1.0。
上記のコードでは、book-ticketツールは、ツール固有の認証情報をloadToolに渡して読み込み、bindParamで乗客名をバインドしてから取引を実行します。bindParamは新しい不変のToolを返し、バインドしたパラメータはLLMへ公開する定義には含まれません。
MCP Toolbox Java SDKが呼び出すツールはMCP Toolboxのtools.yamlで定義し、ツールの引数はJVMを離れる前にツール定義と照合して検証されます。tools.yamlは、LLMにデータベースへの直接アクセスを与えずに、自然言語の意図をパラメータ化したクエリへ対応付ける設定です。
Cloud RunでMCP Toolboxを設定する場合は、オープンソースのMCP Toolbox for Databasesを入手し、デプロイガイドに従います。例ではMCP ToolboxとSpring Bootのエージェントが完全に分離され、高い同時実行性とステートフルな会話の要件に合わせてCloud Run上で個別にスケールします。
MCP Toolbox Java SDK v1.0導入時の確認点
v0.2以降には、クライアント認証の分離と、サーバー側でバインドした機密パラメータの公開ツール定義からの除去が加わりました。編集部は、導入時に認証方式とLLMに渡す値の扱いを場面ごとに確かめることを勧めます。[1]
| 場面 | 使うもの | 確かめること |
|---|---|---|
| Google OIDCで認証する場合 | GoogleCredentialsProvider | 実行環境でADCを使えるか |
| 別のトークン発行元を使う場合 | 1メソッドのインターフェース | リクエストごとに資格情報を返せるか |
| LLMに操作させたくない値がある場合 | bindParamによるバインド | 公開する定義から除かれるか |
GoogleCredentialsProviderを使う場合、JavaアプリはADCを通じてローカルやGoogle Cloudの実行環境から識別情報を引き継ぐ仕組みです。鍵をコードに書き込む必要はなく、OIDCトークンはオーディエンスごとに内部で発行されてキャッシュされます。
Gradleでは、implementationの1行にcom.google.cloud.mcpとmcp-toolbox-sdk-java、1.0.0を並べて指定します。指定する値はMavenのpom.xmlと共通で、異なるのは依存関係の書き方です。
先に示したMavenのpom.xml例には、x-version-updateのXMLコメントが含まれています。この設定を自動化された社内リポジトリへコピーする場合は、リリース管理のデプロイスクリプトがバージョンを自動更新するために必要なため、このコメントを残します。
出典
- ^ Google Cloud. 「Announcing MCP Toolbox Java SDK v1.0: Agentic data access for the enterprise」. https://cloud.google.com/blog/topics/developers-practitioners/announcing-mcp-toolbox-java-sdk-v10-agentic-data-access-for-the-enterprise, (参照 26-10-06).
※本記事は公式の一次情報を基に編集しています。内容はAIで確認していますが、誤りや最新情報との差異がある場合は、以下フォームよりご報告ください。
修正・削除・掲載などの依頼はこちら















