U4マシンファミリーが許可リスト付きで一般提供を開始、超低レイテンシ取引向けにベアメタルとVMを提供
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Google Cloudは、超低レイテンシのネットワークと俊敏性を備え、クラウド上の高頻度取引のワークフローを動かすULL Solutionの一般提供を開始しました。ULL Solutionに含まれるU4マシンファミリーも一般提供になり、ベアメタルとVMの3つのマシンシリーズで予測可能な性能と超低レイテンシの計算を提供します。[1]
ただし確認日時点のGAはどちらも許可リスト付きで、承認済みの取引所運営者とその取引所参加者が対象です。この記事の「確認日時点」は、2026年10月7日UTC更新の公式ドキュメント時点です。[1][2][3][4]
ULL SolutionとU4マシンファミリー
ULL Solutionは3つのインフラ基盤で構成され、計算を担うのがU4マシンファミリーです。基盤の1つである決定論的な高性能コンピューティングは、レイテンシが重要な実行層を毎回、予測可能で一貫した時間で処理します。[1]
ULL Solutionの基盤であるハードウェアレベルのネットワークは、拡張可能なハードウェアベースのマルチキャスト配信で信頼性のある市場データフィードを提供する仕組みです。同じく基盤の高度なネットワーク可観測性は、ハードウェアレベルの時刻精度で動的にトラフィックを取得し、主要トラフィックの性能に影響せず監査や市場リプレイ、取引検証を支えます。
ULL Solutionの計算やストレージ、ネットワーク、可観測性を組み合わせると、取引所や市場参加者は主に次の機能を使えます。
GAのULL Solutionの精密な時刻管理を支えるのは、Google CloudのFirefly時刻同期システムとの統合です。これにより、10ナノ秒未満のネットワークレベルのタイムスタンプと、金融取引所向け規制要件の100マイクロ秒未満より精度の高いUTC同期を一貫して達成できます。
U4PとU4Cは3つの物理NICを備えたデュアルソケットのベアメタルで、CME Groupとの市場移行では物理的なコロケーションと同等のレイテンシを実現しています。レイテンシ重視の実行層に仮想化のオーバーヘッドを加えず、Titaniumオフロードでホストのリソースへ直接アクセスする設計です。
ULL取引ファブリックの冗長なA/Bマルチキャスト市場フィードには、独立した2つの専用Titaniumアダプタでアクセスします。テレメトリや管理の処理とGoogle Cloudサービスへのアクセスを担うのは、独立した3つ目のTitaniumアダプタです。
ULL Solutionの提供先は一部のプライベートGoogle Cloudリージョンです。取引チームはそこで、迅速な自動リソースプロビジョニングやオンデマンドの容量拡張、動的なフリート管理を活用できます。
これらのリージョンでは、取引チームは専用の分離されたULLネットワークで超低レイテンシの取引を実行できます。データストリームは独立したネットワークインターフェース経由で送れ、送り先はBigQueryやGemini EnterpriseなどのGoogle Cloudサービスです。
U4マシンファミリー概要と参加者のULL構成
U4マシンファミリーは、許可リスト付きのGAで提供されるCompute Engineのマシンファミリーです。標準のGoogle Cloud APIでの専用ハードウェアのプロビジョニングや、コードによるデプロイ管理、Cloud NGFWポリシーの適用、テレメトリ収集に対応します。[1][3]
許可リスト付きのGAでULL Solutionを使う取引所参加者は、対応する各ゾーンで、ネットワーク作成からインスタンス作成までの構成が必要です。U4PやU4Cのベアメタルの作成に使うのは、ULL Compute Engineインスタンスの作成手順です。[4][5]
許可リスト付きのGAのU4CでAF_XDP経由のDPDKを使う場合は、ネットワークインターフェースをXDP用に準備する次のBashスクリプトを実行できます。この手順の対象はU4Cインスタンスだけで、コマンドの実行にはrootユーザーの権限が必要です。[6]
#!/bin/bash
# Usage example: NUM_SOCKETS=8 prep_xdp.sh eth0
DEV=$1
NUM_SOCKETS=${NUM_SOCKETS=1}
# Reduce RX/TX queue counts to the number of AF_XDP sockets
ethtool -L $DEV rx $NUM_SOCKETS tx $NUM_SOCKETS
# Disable LRO/HW-gro
OFFLOAD=$(ethtool -k $DEV | \
grep "rx-gro-hw\|large-receive-offload" | \
grep -v fixed | cut -d ":" -f 1)
ethtool -K $DEV ${OFFLOAD} off
# Reduce RX buffer length to 2048
ethtool -G $DEV rx-buf-len 2048
公式資料からの抜粋:DPDK を使用する(AF_XDP のネットワーク インターフェースを構成する / スクリプト)。対象版・範囲:許可リスト付きのGA(U4Cインスタンス、確認日時点のドキュメント)。
コードでは、RXとTXのキュー数をAF_XDPソケット数に減らし、RXバッファ長を2048にしています。LROとハードウェアGROは、gVNICがマルチバッファXDPをサポートしていないため無効にします。
U4マシンファミリーを含むULLの利用条件
Google Cloudは、ULL Solutionによって金融取引所の運営者や取引所参加者、取引サービスプロバイダが、必要な速度と信頼性で取引を実行できるとしています。サービスプロバイダとしての利用を検討する場合、編集部はGoogle Cloudのチームへのアクセスのリクエスト時に利用資格の確認を勧めます。[1]
Google Cloudの利用条件では、ULL SolutionのGAを使えるのは許可リストで承認された取引所運営者とその取引所参加者だけです。承認済みの取引所参加者もGoogle Cloudへのアクセス権のリクエストが必要で、U4Pは取引所運営者専用、取引所参加者はU4CとU4Sを使います。[1][2][3]
ULL Solutionは一部のプライベートリージョンで提供され、確認日時点の一覧ではus-south1のゾーンus-south1-dとus-south1-eが対象です。許可リスト付きのGAで使うULL Solutionのプライベートゾーンは、パブリックゾーンとは可用性やメンテナンスの特性が異なります。[1][3][4]
東京や大阪のリージョンは、確認日時点の対応ロケーション一覧に含まれていません。東京や大阪での利用を計画している場合、編集部は構成前に対応ゾーンとプライベートゾーンのメンテナンス特性の確認を勧めます。
U4マシンファミリーのシリーズの選び方
U4マシンファミリーでは、利用者とワークロードに応じて推奨シリーズが分かれています。Google Cloudのストレージオプションと配置ポリシーにも対応し、取引の高速な記録とマシン間のネットワークレイテンシの最小化を支援します。[1][2]
マシンシリーズの使い分け
U4Pは取引所運営者の取引システム、U4Cは取引所参加者の取引戦略の実行に向けたシリーズです。U4Sは取引所運営者や取引所参加者、サービスプロバイダの補助ワークロードとエコシステムサービス向けで、いずれもワークロード別の推奨として示されています。
U4Sのネットワークは、U4PやU4Cとの併設時に最大100 Gbps、仕様表では最大200 Gbpsとなります。主な仕様は以下の通りです。
| マシンシリーズ | CPUプラットフォーム | CPUコア数 | メモリ | NIC |
|---|---|---|---|---|
| U4P(ベアメタル) | Intel第5世代Xeon(Emerald Rapids) | 120物理コア | 512 GBまたは768 GB | 物理3つ(標準1、ULL用2) |
| U4C(ベアメタル) | Intel第5世代Xeon(Emerald Rapids) | 120物理コア | 512 GBまたは768 GB | 物理3つ(標準1、ULL用2) |
| U4S(VM) | Intel第6世代Xeon(Granite Rapids) | 2〜288 vCPU | 最大2,232 GB | Multi-vNIC(最大200 Gbps) |
許可リスト付きGAのU4Sは、ULL VPCネットワークへの直接接続を必要としない、U4CとU4Pの補助ワークロードを実行する汎用マシンシリーズです。U4S VMは事前取引のリスク検証やリアルタイム分析でベアメタルを補い、U4PやU4Cとの併設時は取引アーキテクチャ内の転送ホップを短縮します。
ストレージと配置ポリシーの対応
リアルタイムの取引ログやデータキャッシュには、U4PとU4Cで最大12 TiB、U4S VMで最大18 TiBのローカルTitanium SSDを使えます。過去の市場データやバックテストモデル、規制対応のアーカイブには、すべてのU4シリーズでHyperdisk BalancedとHyperdisk Extremeを接続できます。
この2種のHyperdiskの上限は、インスタンスあたり最大32ボリューム、512 TiBです。許可リスト付きのGAで、U4CとU4SでTitanium SSDを使う場合は、lssdバリアントのマシンタイプでインスタンスを作成する必要があります。
物理的なネットワークホップを減らす場合は、関連するマシンをデータセンター内で近くに置くコンパクトプレースメントポリシーを使えます。スプレッドプレースメントポリシーは、マシンを別々のラックに置いて復元性を高める方式です。
出典
- ^ Google Cloud. 「Introducing Google Cloud’s U4 compute: Enabling ultra-low latency trading」. https://cloud.google.com/blog/topics/financial-services/ultra-low-latency-solution-with-u4-enables-high-velocity-trading, (参照 26-10-07).
- ^ Google Cloud. 「U4 超低レイテンシ(ULL)マシン ファミリー」. https://docs.cloud.google.com/ull-solution/participants/u4-machines?hl=ja, (参照 26-10-07).
- ^ Google Cloud. 「ULL Solution release notes」. https://docs.cloud.google.com/ull-solution/participants/release-notes?hl=en, (参照 26-10-07).
- ^ Google Cloud. 「ULL Solution の構成の概要」. https://docs.cloud.google.com/ull-solution/participants/configuration-overview?hl=ja, (参照 26-10-07).
- ^ Google Cloud. 「Onload を使用する」. https://docs.cloud.google.com/ull-solution/participants/use-onload?hl=ja, (参照 26-10-07).
- ^ Google Cloud. 「DPDK を使用する」. https://docs.cloud.google.com/ull-solution/participants/use-dpdk?hl=ja, (参照 26-10-07).
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