株式会社インゲージは、コミュニケーションプラットフォーム「Re:lation(リレーション)」の新機能として「AI社員」をリリースしました。
インゲージ調査が示す問い合わせ対応現場の課題
株式会社インゲージが顧客対応業務に携わるビジネスパーソンを対象に実施した実態調査では、全体の52%が「人手不足」を実感していることが判明しました。現場の約5人に1人が「月に500件以上」の問い合わせ対応に直面している実態も浮き彫りになっています。
特定の時期に定型的な問い合わせが集中しやすい業種として、「金融・保険業(31%)」と「不動産・物品賃貸業(30%)」で傾向が顕著でした。調査期間は2026年6月3日~同年6月11日で、スクリーニング5,000名・本調査484名の有効回答を集計しています。
大量対応に追われる一方で、新人の独り立ちには「半年以上」要する現場が55%に達しています。チーム全体の63%が「この人でないと分からない」という業務の属人化に直面しており、「特定個人への依存」と「膨大な定型業務」という二重の課題が現場を圧迫している構図です。
AI社員の主な3機能
従来の「辞書型(シナリオ型)チャットボット」は、対応範囲が狭く、膨大なナレッジの整備・更新が前提でした。「ナレッジ整備自体に手間がかかり、結局業務が減らない」という現場の声に応えるかたちで、生成AIを活用した「AI社員」の開発が進められました。
「AI社員」の主な特徴は次の3点です。
- ブランドイメージを体現する「人格(パーソナリティ)設定」機能
- 既存マニュアルを渡すだけで自律対応を開始する即戦力化
- 担当者として割り当てるだけで業務を開始できるシームレスな導入
人格設定は、スライダー操作のみで「丁寧さ」「返信の素早さ」「感情への寄り添い度」を調整できます。新人オペレーター向けの研修マニュアルや自然文のサービス概要を登録するだけで、AIが背景知識を理解し自律的に対応を開始しました。「Re:lation」の画面上でAI社員を担当者として選択するだけで、メールやチャット、LINEなどの繰り返し問い合わせを代行させられます。
対応履歴は、リアルタイムで確認でき、解決が難しい複雑な問い合わせはやりとりを元にしたレポートとともに人間へバトンタッチする有人エスカレーション機能も備えている点が特徴です。
よくある質問への回答や繁忙期のサポートなどをAI社員が一次対応として担うことで、現場のベテラン社員は属人化の解消と複雑な相談への注力にリソースを集中できます。
AI社員およびRe:lationの概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 提供企業 | 株式会社インゲージ |
| 対象サービス | Re:lation(リレーション) |
| 新機能名 | AI社員 |
| 主な機能 | マニュアル読み込みによる自律顧客対応 人格(パーソナリティ)設定 有人エスカレーション連携 |
| 対応チャネル | メール・チャット・LINEなど |
| Re:lation導入社数 | 6,000社超(トライアル含む) |
| 所在地 | 大阪府大阪市北区芝田一丁目14番8号 |
| 代表者 | 代表取締役社長 和田 哲也氏 |
| コーポレートサイト | https://ingage.co.jp |
trends編集部の一言
チーム全体の63%が業務の属人化を抱え、新人の独り立ちに半年以上かかる現場が55%に達するという数値は、顧客対応部門に限らない構造的な問題です。業界全体としては、特定担当者への依存と大量の定型業務という二重の負荷が、組織規模を問わず顧客対応現場の共通課題として浮上してきた流れが続いています。
「ボットではなく社員として設計する」という思想は、マーケティング業界の文脈に置き換えると、AIをツールとして管理する発想から「チームの一員として役割を持たせる」発想への転換として読み取れます。既存マニュアルをそのまま渡すだけで機能する設計は、AI導入の最初のハードルである「専用データ整備」を回避できる点で、業界内でも導入の敷居を下げるアプローチとして注目される動きです。
References
- ^ PR TIMES. 「インゲージ、マニュアルを渡すだけで自律対応する『Re:lation』新機能「AI社員」をリリース | 株式会社インゲージのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000319.000029485.html, (参照 26-07-07).
