株式会社いい生活は、賃貸管理プラットフォーム「いい生活Owner」において「AI清書機能」を追加し、概念実証(PoC:Proof of Concept)を開始しました。
いい生活Ownerにおける物件オーナーとのメッセージ業務の課題
賃貸管理業務では、月次の定例報告やクレーム対応、設備故障対応、退去対応などが発生します。空室期間の反響・内見の状況報告も含め、管理会社と物件オーナーとのコミュニケーションは多岐にわたりました。チャット等のテキストでやり取りを行う場面では、話題に応じて一人一人のオーナーに寄り添った文章構成や敬語表現が求められます。
明確な用件が決まっていても、文章全体を考え、作成する業務が担当者の負担となっていました。「AI清書機能」は、こうした課題に対応するために「いい生活Owner」のメッセージ機能へ組み込まれたAI清書ツールとして、開発されています。
いい生活OwnerのAI清書機能と概念実証の概要
AI清書機能の主な仕組みは以下の通りです。担当者は、送信するメッセージの要件だけを下書きに入力し、ボタンを押すだけで文脈や会話履歴を踏まえた、丁寧な文章が自動生成されます。清書結果はワンクリックでメッセージ入力欄に反映でき、すぐに送信できる設計です。
今回の概念実証(PoC)では、本機能が実際の不動産経理現場の効率化に貢献できるかを検証・評価を行い、本機能のさらなる最適化を図るとしています。フルラインナップのSaaSとBPaaS(Business Process as a Service)の両軸で不動産市場のDXを推進する株式会社いい生活にとって、生成AI活用の実用化に向けた重要な検証段階です。
株式会社いい生活のセキュリティ対策の3つの柱
株式会社いい生活は、顧客データを「構造的」に守るためのセキュリティ対策として、以下の3点を掲げています。
- 構造的分離:社内環境とSaaS環境を完全に分断し二次感染を遮断
- ゼロトラスト:多要素認証(MFA)を徹底し全アクセスを都度検証
- クラウドネイティブ:ブラウザ・API通信を一貫採用しドライブ共有等の感染経路を排除
セキュリティ認証の面では、情報セキュリティ規格ISO/IEC 27001(ISMS)およびクラウドセキュリティ規格ISO/IEC 27017(ISMS-CLS)を取得済みです。さらにITサービスマネジメント規格ISO/IEC 20000(ITSMS)を加えた3つの国際認証を取得し、厳格な運用体制を整えました。
株式会社いい生活の概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社いい生活 |
| 所在地 | 東京都港区南麻布五丁目2番32号 興和広尾ビル3F |
| 設立 | 2000年1月21日 |
| 資本金 | 628,411,540円(2025年3月末現在) |
| 事業内容 | 不動産市場向けSaaSの開発・提供 |
| サービス名 | いい生活Owner |
| 新機能 | AI清書機能 |
| 実施内容 | 概念実証(PoC:Proof of Concept)開始 |
trends編集部の一言
「要件だけ入力してボタンを押すだけで丁寧な文章が生成される」という設計は、定型コミュニケーションにおける文章作成コストを入口から取り除く仕組みです。マーケティングや広報の現場においても、件名や用件は明確なのに文章全体を整えるために余計な時間を要するという課題は業界横断で共通して見られます。業界全体としても、定型コミュニケーションへの生成AI組み込みは今後急速に標準化していくのではないでしょうか。
今回は、PoCという段階であり、実際の効果はこれから検証されます。一方で、ISO/IEC 27001(ISMS)・ISO/IEC 27017(ISMS-CLS)・ISO/IEC 20000(ITSMS)の3認証を取得済みというセキュリティ基盤は、AI導入時のセキュリティ要件が重視される業界動向を反映した構成と言えそうです。
References
- ^ PR TIMES. 「「いい生活Owner」AI清書機能の概念実証を開始 | 株式会社 いい生活のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000250.000003214.html, (参照 26-05-22).
