株式会社CINCは、社内に蓄積された調査手法や提案ノウハウをAIと組み合わせて再利用可能な知識資産として整備する「ナレッジエンジニアリングプロジェクト」を始動しました。
CINCのナレッジエンジニアリングプロジェクトの背景と狙い
生成AIやAIエージェントに関する取り組みを成果につなげるには、ナレッジを組織として整備し活用していくことが欠かせません。「個人にしかわからない経験則」にとどまる知見を「組織で活用できる知識資産」へと変換し、AIと組み合わせることで、より多くの顧客に対して安定した品質で価値を提供できると株式会社CINCは説明しています。
同社は、AIファーストな事業体への転換を見据え、社内に蓄積された知見を仕組みとして蓄積・活用することによって、継続的な成果の創出を目指しています。個々のメンバーが持つ暗黙知を実務で使える形に整備することが、プロジェクト始動の核心にあります。
ナレッジエンジニアリングプロジェクトの主な取り組み
同プロジェクトの具体的な取り組み内容は次の4点です。
- AIエージェント利用環境の構築
- ナレッジのAIエージェント化
- AIエージェントに必要なデータ利用環境の整備
- AIエージェント活用のためのハーネス整備
「ナレッジのAIエージェント化」では、社内のナレッジをskillsとして整理し、AIエージェントが実務で活用できる形に変換します。あわせてナレッジの作成や承認、展開のフローを整備し、AI戦略部を中心としたナレッジエンジニアリングチームを組成することによって、組織的な開発・運用体制を構築します。
AI戦略部は、AI活用の研究開発やサービス実装などを組織横断で推進する中核組織です。
「AIエージェントに必要なデータ利用環境の整備」では、AIエージェントに必要なAPIやMCPの開発を進めるとともに、ナレッジの活用に必要なコンテキストの取得や蓄積、整備する仕組みを構築します。
「ハーネス整備」では、コンテキストの設計・管理や制約条件・ガードレールの構築、AIによる評価と改善ループの導入を行います。承認・監査フローの整備を通じてガバナンスを確保する設計となっています。
CINC ナレッジエンジニアリングプロジェクトの概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 提供企業 | 株式会社CINC |
| 代表者 | 代表取締役社長 石松友典氏 |
| 本社 | 東京都港区虎ノ門1丁目21-19 東急虎ノ門ビル6階 |
| 設立 | 2014年4月 |
| プロジェクト名 | ナレッジエンジニアリングプロジェクト |
| 主な取り組み | AIエージェント利用環境の構築 ナレッジのAIエージェント化 データ利用環境の整備 ハーネス整備 |
| 期待される効果 | 提案品質の安定化・対応スピードの向上・ノウハウの継承・再現性の向上 |
| 会社URL | https://www.cinc-j.co.jp |
trends編集部の一言
「個人にしかわからない経験則」を「組織で活用できる知識資産」へ変換するという発想は、業種を問わず広く刺さる課題設定です。マーケティング業界の文脈に置き換えると、優秀な担当者の退職や異動でノウハウが失われるという問題は業界横断で繰り返し語られてきたテーマであり、その構造的な解決策としてAIエージェントとナレッジ整備を組み合わせる動きは、業界全体でも導入事例が広がり始めている領域です。
skillsという概念で暗黙知を構造化しAIエージェントに組み込む設計において、ナレッジ作成者やナレッジエンジニア、ナレッジマネジャーという役割分担を明示した点は、単なるツール導入ではなく体制設計まで踏み込んだものと読み取れます。マーケティング業務におけるナレッジ活用をAIエージェントへ展開するイメージとして、AI検索最適化(GEO/LLMO)という専門領域を持つ同社がどのようなナレッジ資産を構築していくかは注目に値するでしょう。
References
- ^ PR TIMES. 「CINC、専門ナレッジ×AIエージェントを活用したサービス提供基盤の構築を開始 | 株式会社CINCのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000478.000019378.html, (参照 26-05-21).
