【時間がない人向け】記事の3行要約
- Arm版Windows向けに最適化されたOpera Oneをリリース
- パフォーマンスが4倍向上し、バッテリー持続時間も大幅に改善
- Armアーキテクチャは、x86と比べて低消費電力で高効率な処理が可能
Arm版Windows向けOpera Oneが登場、高速化と省電力化を実現
OperaがWindows on Arm向けに最適化されたウェブブラウザ「Opera One」をリリースした。Arm版Opera Oneは、従来のx86版と比べてパフォーマンスが4倍に向上している。[1]
Armアーキテクチャはシンプルな命令セットと低消費電力設計により、x86と比べて少ないエネルギーでより多くの処理を行うことができる。この特性を活かし、Opera OneはArmデバイス上でスムーズかつ長時間のブラウジングを可能にした。
OperaはMicrosoft App AssureチームとQualcommの協力を得て、Arm版Opera Oneの開発を進めてきた。今後もArmデバイスの普及に合わせ、最高のブラウジング体験を提供していく方針のようだ。
Opera One on Armで電力効率と使用時間が大幅改善
Arm版Opera Oneはバッテリー節約モードと組み合わせることで、1回の充電でのブラウジング時間を飛躍的に伸ばすことができる。ブラウジング時間が伸びる大きな要因として、Armプロセッサの省電力設計によるものだ。
Armアーキテクチャは、命令セットを必要最小限に抑えたRISC（Reduced Instruction Set Computer）方式を採用している。一方、x86は複雑な命令セットを持つCISC（Complex Instruction Set Computer）方式だ。
RISCはシンプルな命令を高速に処理することに特化しており、消費電力とチップの発熱を抑えられる。つまり同じタスクをこなすのにx86よりも少ないエネルギーで済み、バッテリー駆動時間の延長につながるのだ。
trends編集部「K」の一言
Armアーキテクチャの採用は、パソコン業界の新たなトレンドとなりつつある。特にバッテリー駆動が主体のモバイルPCでは、Arm版プロセッサによる省電力化のメリットが大きい。Windowsの世界でもArmデバイスが増えていくことで、アプリケーションのArmネイティブ対応が加速していくことだろう。
一方、x86版として蓄積されてきた膨大なソフトウェア資産をArmでどう活かしていくかは課題だ。エミュレーション技術の向上により互換性の問題は徐々に解消されつつあるが、パフォーマンス面での差は依然残る。利用者の用途に応じて最適なアーキテクチャを選択できる環境の整備が求められるだろう。
OperaがいちはやくArm版に対応したことで、他のブラウザベンダーの追随も予想される。Webアプリの分野では、アーキテクチャに依存しないクロスプラットフォーム開発がさらに重要になっていくはずだ。パフォーマンスと消費電力のバランスを取りながらユーザー体験を高めていく必要があるので、ブラウザ戦争の新たなステージの幕開けと言えるかもしれない。
References
- ^ Opera. 「Opera now available for Windows on Arm - Blog | Opera News」. https://blogs.opera.com/news/2024/06/opera-now-available-for-windows-on-arm/, (参照 24-06-14).
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