【時間がない人向け】記事の3行要約
- Outlookでスパムメール対策の改善を実施
- Junkフォルダのメッセージリストで送信者メールアドレスを表示し判断を容易に
- 不要なメールの送信者をブロックまたは購読解除してインボックスを整理可能に
Microsoftが主要メールクライアントのスパムメール対策を強化
Microsoft 365 Insidersに対し、Outlookのスパムメール対策の改善についてアナウンスがあった。今回の改善は、ユーザーが危険や不審なメールを安全に判断できるようサポートすることが目的だ。[1]
具体的には、迷惑フォルダのメッセージリストで送信者名に加えて、メールアドレスを表示するようになった。表示されることにより送信者名が見覚えのあるものでも、メールを開いたりマウスオーバーしたりせずにその正当性を素早く確認できるようになる。
また、迷惑フォルダ内のメッセージに含まれるリンクをクリックする際には、不審なメールを調査している可能性があることを警告するようになった。これらの機能は、Outlook on the web、Outlook for Windows、Outlook for Mac、Outlook for iOS、Outlook for Androidといった主要なプラットフォームで利用可能となっている。
不要メールの送信者をワンクリックでブロック・購読解除可能に
スパムメールやフィッシングとして報告する際に、同時にその送信者をブロックまたは購読解除できるようにもなっている。これまでは報告してもその送信者からのメールを受け取り続けることがあったが、この改善によって二度と受信しないよう設定できるようになっているようだ。
この機能はOutlook on the webとOutlook for Windowsでの利用が可能で、Outlook for iOSとOutlook for Androidでも近日中に提供開始される。日々増大するメールの中から本当に必要なものだけを効率的に見極められるよう、ユーザビリティの向上が図られた。
このほかにも、多数のメールを整理するための購読解除の提案機能、なりすましの可能性がある送信者を警告する機能なども追加されている。Microsoft 365ユーザーにとって、スパムや不審メールに惑わされることなくスムーズなコミュニケーションを行える環境が整備されつつあると言えるだろう。
trends編集部「K」の一言
Outlookのスパムメール対策強化は、巧妙化するサイバー攻撃の脅威に対抗するために不可欠な取り組みだ。電子メールは企業活動に欠かせないツールである一方、標的型攻撃の主要な侵入経路にもなっている。ユーザーの警戒心を高めつつ、できるだけ負担なく脅威を見抜けるよう支援していくことが重要だ。
とはいえ、AIを活用した自動検知にも限界がある。最終的には受信者一人ひとりのリテラシーにセキュリティが委ねられることに変わりはないのだ。特に組織の一員であれば、怪しいメールに安易にひっかかることが企業全体のリスクにつながりかねない。情報システム部門は机上の機能説明に留まらず、社内での積極的な啓発活動を継続していく必要があるだろう。
Microsoftによるスパム対策の取り組みは一朝一夕で完成するものではない。今回の機能強化もまだ道半ばという認識が重要だ。今後もユーザーのフィードバックを丁寧に吸い上げ、攻撃者の出方を予測しながら改善を重ねていくことが求められる。セキュリティ対策に完璧はありえず、企業とベンダーが一丸となって前進を続けるしかないのだ。
一方で、メールに依存するワークスタイル自体の見直しも必要だろう。チャットやSNS、クラウドストレージの活用が進むにつれ、重要情報を含むメールのやり取りは減る傾向にある。機密データを狙うサイバー攻撃のターゲットはむしろそちらにシフトしつつあるのだ。Outlookのセキュリティ強化を歓迎しつつも、それがリスク対策のゴールではないことを意識しておく必要がある。
References
- ^ Microsoft 365 Insider. 「Improvements to tackle spam in Outlook」. https://insider.microsoft365.com/en-us/blog/improvements-to-tackle-spam-in-outlook, (参照 24-05-15).
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